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はじまり その9
「ちょっ… な、なにジロジロ見てんだよ」
「べ、別に。露天風呂のことなんて思い出してねーよ」
一瞬で更に顔が赤くなり、あっちを向いてしまう。その子供みたいな仕草に、思わず吹き出しながら、
「それでさ… 今後なんだけど」
「お、おう」
「その… 翔くんと葵の事も含めてさ…」
「お、おう?」
「あの… こんな感じで… ちょくちょく出掛けたりとか… こんな風に一緒に飲むとか… 駄目かな?」
俺の声が震えている。何ならジョッキを持つ右手も震えている。
そっと彼女を伺う。
彼女は一瞬驚いた表情を見せる。それから俺をじっと見つめる。
汚れない、真っ直ぐな瞳で俺を見つめる。何か遠くを見つめる様な潤んだ瞳で俺を見つめる。
それがやがて照れ臭そうな、くしゃくしゃな笑顔に変わる。
そして、クイーンは軽く頷いてくれた。




