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はじまり その7
コイツに愛された三人の男達に、今ハッキリと嫉妬している自分がいる。
今までこんな女いなかった。こんなにも真っ直ぐな女に会ったことは無かった。
いや待てよ、俺はコイツと三十五年ほど前に会っていたのだ!
あの頃―自分しか見えなかったあの頃。
周りは敵で、親も敵、先生も敵。
自分さえ目立てば、自分の信頼する仲間さえ守れれば良かったあの頃。
正直、島田光子の存在は朧げな記憶でしか無い。でもそれはコイツも同じだろうー
「えっと…、いや、その… アンタのことはそん時から… まあ、知ってたし…」
ああ、そうだった。健太に初めて連れられてきたあの日。俺と健太たちが揉めたことをコイツは知っていたー
それに俺は生徒会長だった。不良だった彼女にしてみれば、いわば天敵みたいな存在だった故、よく覚えていたのだろうか。
「は? アンタのこと憎んでた? 意味不。なんでアタシがアンタのこと憎んでたのよ?」
違った。
では何故、今コイツは俺とこうして寛いでいるのだろうー 孫のことはさておき、何故コイツはこんなに穏やかに俺と過ごしているのだろう…




