表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
King & Queen   作者: 悠鬼由宇
第4章
123/341

帰宅路 その7


 小田原厚木道路から東名高速に入る頃。


「腹減ったーー、なんか食わせろー、出ないとオメーのバナナ食いちぎるぞぉー」


 空腹に耐えかねたクイーンが魔暴走し始める。孫は見事にスルーしながら、


「そっかー、お婆ちゃん達、夕ご飯食べ損ねたんだよね」


 食べ損ねた所でなく、夕方暗くなるまで全裸で外にいたのだから今思うと笑えてしまう。


「そう。お前らも蕎麦だけじゃ腹減ったろ、海老名のサービスエリアでなんか食べないか?」



 不意に鼻を啜る音がした。バックミラーを見ると葵が肩を震わせている。


「え… 葵ちゃん… どうかしたの…」


「ん。ちょっと…」


 突然の娘の涙に驚く。葵の泣いている姿は妻の葬式以来見たことがない。


 クイーンはヘラヘラ笑いながら、


「もー別れ話かお前ら、そんなに翔はヘタクソだっt」


「お婆ちゃん黙って!」


「黙れババア!」



 孫に真剣に叱られシュンとなるクイーン。結構かわいい。ん? あれ? ババアだと? それは全くの事実であるが、今俺は何も言ってませんよ、本当に…


「ごめんね… 違うの… 何か、こーゆーのって、前からいいなって… 家族みんなで食事とかって… わ――――――ん」


「えっと… そっかー… うん、うん」


 オロオロする翔。まるで自分が泣かせたかのようにあたふたしている。


 知らなかったと言うよりも気づこうとしてこなかった。葵が家庭の温もりを求めてきたことに。その成長をほぼ全て妻に丸投げし、妻亡き後は母に任せ、自らは目を瞑ってきた。


 そんな俺の態度を葵は薄々感じ取り、がそれに抗することはなかった。寧ろ受け入れようとしてきたのかも知れない。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ