帰宅路 その3
「で、どーだったよ、少しは楽しんだか?」
「お陰様でそれよりお婆ちゃん達大丈夫だった喧嘩とかしなかった文句言ったり暴れたりとかなかっただろうねそれより」
どうやら翔は祖母が心配で心配で、彼女とのデートも上の空だったようだ。何と言う婆思いな少年なのだろう。やはり葵には勿体無い、是非今日をきっかけにお別れの方向でー
「ばあーか。大人しいモンよ。な?」
「じーーーーー」
「な、何だよ翔…」
「金光さん、すごーく疲れた顔しているけど?」
「それはコイツが勝手にやった事だからよー」
すると幸せのエクスタシーに達していた表情だった葵が、
「パパっ何したの宿の人に偉そうにしたの温泉にゴミが入ってるとか料理の野菜が不揃いだとかスリッパが揃ってないとか」
クイーンはのけぞりながら、
「はーー? コイツ普段そんな面倒くせえ奴なの?」
「もーーーー、細かいですよおーー。洗濯物の畳み方とか玄関の靴の揃え方とか」
「ははは、だから葵ちゃんはしっかりさんなんだね」
「えーーやだーーもーーウチしっかりなんかあー…」
こらこら。お前らは今夜中に別れてもらわねば。
「お前の部屋。今度翔君に入ってもらえ」
「んぐっ」
「そんでバッチリ子作りってかコラ! ひいばあちゃんかよアタシ」
行きの車中とは打って変わって騒々しい。皆それぞれテンションが高い。それは俺もか。小田原を過ぎた辺りで、露天風呂での事件の話となる。




