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帰宅路 その1
宿の全従業員に送られて俺たちは宿を出る。
来た時と違い、外は真っ暗闇の中。こんなシチュエーションで車を運転するのは本当に久しぶりだ。
助手席のクイーンが翔と連絡を取り、待ち合わせ場所である強羅駅をカーナビに入れ、到着時刻を翔に伝える。それにしてもガラケー… 意外な所で古風な女だ。そんな彼女がポツリと、
「腹減った」
その言葉に俺の空腹中枢が反応し、グーと腹の虫が鳴り出す。
「アイツら夕飯、蕎麦食ったってよ、何で箱根来て蕎麦なんて食ってんだよ?」
「いや箱根といえば箱根そばだろう」
「ばーか。蕎麦といえば深川だろうが」
俺は頭にクエッションマークを掲げながら、
「何故倒置するのだ。箱根という場所前提だろうが」
クイーンが盛大に吹き出す。
「な、何だよ?」
「そーゆー難しい言い方とか、トシヤさんそっくりだわ…」




