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King & Queen   作者: 悠鬼由宇
第4章
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地獄変 その2


 思い出せ。あの時、翔が何をしていたかを。思い出せ。あの時から俺が変わったことを。


「誰かぁーーーーー、助けて下さい、人が倒れましたぁーーー誰かぁーー」


 脱衣所に誰かいることを願って俺は叫ぶ。



 それからどうする? そうだ、心臓マッサージだ。遠い昔に支店の研修でやったこと、そしてあの時翔がやっていた事を思い出しながら、彼の胸に両手を乗せ、ぐっと体重をかける。


 確か強く押しすぎると肋骨が損傷するので、だが弱すぎると効果がないので、恐る恐るマッサージを開始する。


「誰かいませんか、誰か来てくださいっ」


 叫びながらマッサージを続ける。そう言えば翔は途中で人工呼吸もしていた。正直やり方を知らない。が、何もしないよりは生還の確率は高い筈だ。


 マッサージを中止し、彼の口に自分の口を覆う。もう迷いは無い。息を吹き込む。上手く息が入らない。口腔から肺に俺が吹き込んだ空気が届いていないのだ。


 どうすればいい? 顎の角度を変えてみる。気道を直線にするイメージだ。再び息を吹き込む。肺が膨らむのを確認する。上手くいった!



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