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地獄変 その1
その時だった。
「うぐっ…」
突然その男性が胸を押さえて苦しみだす。
そして一瞬にして思い出した、そうだ、彼はあの時の…
「大丈夫ですかっ、大丈夫ですかっ」
彼は胸を押さえたまま前向きに倒れこむ。湯飛沫が上がり波紋が露天風呂に広がっていく。
即座に彼の体を起こし、
「大丈夫ですか?」
声を掛けるも、苦しそうに首を振るばかり。
俺は彼を外にゆっくり抱え出し、仰向けに寝かせる。互いに全裸なのがちょっと小っ恥ずかしい……
横たえると男性は苦しさに顔を歪め、深く目を閉じ、やがて胸の上下動が止まる。
辺りは静寂に包まれ、物音ひとつ聞こえなくなる……




