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King & Queen   作者: 悠鬼由宇
第4章
108/550

地獄変 その1


その時だった。


「うぐっ…」


 突然その男性が胸を押さえて苦しみだす。


 そして一瞬にして思い出した、そうだ、彼はあの時の…



「大丈夫ですかっ、大丈夫ですかっ」


 彼は胸を押さえたまま前向きに倒れこむ。湯飛沫が上がり波紋が露天風呂に広がっていく。


 即座に彼の体を起こし、


「大丈夫ですか?」


 声を掛けるも、苦しそうに首を振るばかり。



 俺は彼を外にゆっくり抱え出し、仰向けに寝かせる。互いに全裸なのがちょっと小っ恥ずかしい……


 横たえると男性は苦しさに顔を歪め、深く目を閉じ、やがて胸の上下動が止まる。


 辺りは静寂に包まれ、物音ひとつ聞こえなくなる……



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