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King & Queen   作者: 悠鬼由宇
第3章
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極楽 その3


 俺の知っている温泉宿では、内湯から直接露天風呂に行くのだが、この宿は違う。内湯と露天風呂がそれぞれ別個に存在するのだ。どちらも同時に楽しみたい人には不便かも知れないが、この方式の利点は脱衣所の混雑が緩和されることではないだろうか。


 内湯を楽しみたい人と露天風呂を楽しみたい人がそれぞれ別々の空間にいることで、より『隠れ宿』的な個別感が体感できるのだ。


 一人納得し感心しながら露天風呂の脱衣所に入る、案の定入浴客は俺一人のようだ。



 あ。


 そう言えば、内湯にサウナがあったわ。山本くんに、


「いいですか、これから時代はサウナです。サウナを制する宿が日本を制すのです、よくリサーチして来てください」


 と言われたなあ。



 俺は、風呂、銭湯、温泉は単に嫌いだが、サウナは大嫌いである。一万円もらっても断る自信がある。理由。狭い空間、いわゆる密室で高温多湿の環境がよろしくない。更にそこに汗まみれの他人と同席… 有り得ない。それが例え若くて巨乳のかわい子ちゃんと一緒であったとしても、だ。


 正直、俺たち昭和人の感覚で言うサウナ。それは、男女交際ならぬ男男交際の場、と言うイメージが強い。新宿や新大久保のサウナはその線でとても有名であり、女大好きの俺は男の裸体、それも汗だくの全裸は正直見たくない。

だが山本くんは、これからサウナは間違いなくブームとなる、特に若者の間で、と言うのだ。この小僧は何を言っているのか、と思ったし今も思っている。


 長年銀行マンとして培ってきた俺の審美眼は、それを拒絶している。絶対にサウナブームなぞ来ないし流行らない。


 ま、後でちょいとだけ覗いてチャチャっと報告すればいっか。



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