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極楽 その2
改めてこの内湯を見回すと、本当に隙のなさを感じてしまう。
(多分)檜造りの湯船、シャンプー、ボディーソープなどのこだわり方、磨き抜かれた大きな窓ガラス、そしてこの柔らかな湯。
クイーンは堅苦しさを感じてないか、あとで聞いてみよう。俺には宿の真心と誠意を感じる、それだけなのだが。
ただ、部屋の内風呂ほどの感動は正直ない。五感で湯を感じることはとても出来ない。
そうなると、もう一つの露天風呂に大いに期待が高まる。
自分の人生? 彼女とのアレ? に浸っている二人を残し、俺は早々に湯を上がり脱衣所に戻る。
入る時にもちょっと驚いたのだが。
何と行き届いた脱衣所なのだろう。脱衣カゴは恐らく東南アジアの籐家具だ。床は水がすぐに染み込む工夫のなされたものである。体脂肪率測定機能付き体重計が俺を凹ませ、今セレブ層で大流行りの羽根なし扇風機が俺の火照りを吹き飛ばしている。
洗面所には何種類もの化粧水類が置かれ、ドライヤーはあの有名なドイツ製のやつである。バスタオルは日本製、これ程のサービスは東京の高級ホテルを軽く凌駕しているであろう。
これだけのものを提供してくれるなら、このお値段は妥当である。そう断言できる。先程の支配人のしてやったりの笑顔が目に浮かび、一人笑ってしまう。




