♥ 初めての街 4 / 飲食街 / 飲食店・キシュリッグ 3
前回までの、あ・ら・す・じ♥
ぼくはセロロと一緒にキッシュが食べれる飲食店へ入ったんだ。
注文したキッシュを食べ終わった後、ピエットスープを注文したんだ。
運ばれて来たのはピエットスープと特製ピエットスープで、ぼくの前に出されたのは海老の入った美味しそうなピエットスープだったけれど、セロロの前に出されたのは虫の死骸がふんだんに入れられた飲食店には有り得ないピエットスープだった。
セロロに対する店員の態度にガチギレしちゃったぼくは、飲食店の責任者を連れて来るように叫んだんだ!!
そんなわけで、椅子に座ったままのセロロと胸の前で両腕を組んだまま仁王立ちしているぼくの目の前には──、セロロに舌打ちをした店員さんとセロロに悪態を吐いて侮辱した店員さんとセロロに虫の死骸入りスープを出した店員さんと料理長と店長が横1列に並んで立っている。
ぼくは未だ未成年の子供だけど、成人してない子供だからって舐められたら駄目だ。
ぼくが確りして、大事な家族を守るんだ!!
茜梶 惠
「 ぼくを子供だからと言って馬鹿にしないでほしい。
ぼくとセロロは、そちら側からすれば、お金を落としてくれる大切なお客の筈だよね?
お客に対する従業員の接客態度が悪過ぎるんじゃないのかな?
ちゃんと接客教育は出来ているのかな?
お客に不快な思いをさせて反省もしない態度の悪い人間を従業員として雇っているのは何故なのかな?
人間のお客には誠実に丁寧に接する事が出来るのに、どうして亜人のお客にも同じ様に真心を込めて紳士的に接客が出来ないのかな?
接客業がお客を差別しても許されるとか思っているの?
どんな相手にも差別しないで接客が出来てこそのプロだよね?
従業員はお店から給料を戴いているんだから、ちゃんとプロ意識を持って接客業務に努めるべきじゃないのかな?
亜人の客に舌打ちしたり、悪態を吐いて侮辱したり、従業員ですら口を付けるのを拒絶するような最低の料理をお客に提供するのは、飲食店とてどうなのかな?
≪ ユンド ≫にある全ての飲食店が亜人に対して、飲食店として恥ずべき最低な接客をしているのかな?
どうなのかな?? 」
ぼくは出来る限り威厳を出す為に、背筋を伸ばして、胸を張って、顎をグッと引いて、表情を引き締めて、腰を据えて堂々たる態度でもって可能な限りの低音な声を出した。
静かに激怒している事を知らしめる為にだ。
自分は他人に虐げられるような弱い人間ではなくて、虐げる側の強い人間なのだと強気な気持ちを奮い起こす。
「 貴族の令息──よりも上の王族の王子なんだ!! 」っていうイメージをして、態度に出す。
どんなに頑張っても所詮は未成年の子供の言う事だから、どうせ右から左へ聞き流してるとは思うけど……。
茜梶 惠
「 誰もぼくのセロロに謝罪をしてくれないのかな?
亜人には頭を下げて謝罪したくないって事かな?
謝罪をする気がないなら、セロロに提供した虫の死骸入りの特製ピエットスープをこの場で完食してほしいね。
お客に提供した以上は、店側の誰もが美味しく食べれるって検証済みなんでしょう?
セロロとぼくの目の前でこの特製ピエットスープを完食して証明してよ。
冷めてしまったけど、食べれるよね?
セロロに謝罪をしたくないなら、キシュリッグの誠意を見せてよ!! 」
うわぁ〜〜〜、今のぼくって、スッゴいクレーマーっぽくないかな??
日本の飲食店でこんな事をしたら通報されて警察に逮捕されちゃうよ!!
だけど、此処は日本じゃないから多分…大丈夫だと思いたい。
全員が血の気が引いたような青冷めた顔色をしている。
虫の死骸スープを出した店員さんなんて、唇を噛んでいて唇に血を滲ませながら不服そうな悔しそうな表情をしている。
全然反省してないし、謝る気も全くといっていい程に無いみたいだ。
セロロが人獣族だから、こんなに酷い態度を取っても良心が痛まないんだ…。
どうして人類と亜人類を分け隔てなく対等に接客する事が出来ないんだろう??
これが異世界の常識なのかな……。
セロロ
「 メグム、ワタシの為に怒ってくれて有り難う。
メグムの気持ち、とても嬉しい(////) 」
茜梶 惠
「 セロロ… 」
セロロ
「 一皿の虫の死骸入りスープを5名で完食したら許そうなんて、メグムは寛大だね 」
茜梶 惠
「 セロロ…………、何で笑ってるの? 」
セロロ
「 うん?
ワタシを誰かも知らないで、こんな事をする人間が居る事が可笑しいからかな 」
茜梶 惠
「 ……どういう事? 」
セロロ
「 メグムが怒る必要なんて初めから無いんだよ 」
茜梶 惠
「 どうして?
こんな侮辱的な事を家族がされたのに怒らないで居られる程、ぼくは穏やかな人間じゃないよ! 」
セロロ
「 ワタシは王族と親密な間からでね──、王族に顔が利くんだよ。
メグム、見てごらん。
これは王族から贈られた王族しか持つ事の許されない王族の紋章だよ。
これを持っているワタシを侮辱する事は、王族を侮辱する事になるんだよ。
この意味が分かるかな? 」
茜梶 惠
「 セロロの背後には常に王族が居るって事…になる?? 」
セロロ
「 そうだね。
ワタシに舌打ちをしたり、悪態を吐いたり、虫の死骸入りスープを出したと言う事はね──。
態々言わなくてもメグムにも分かるよね 」
茜梶 惠
「 …………う、うん…。
王族を侮辱して敵に回す事になる──って事だよね? 」
セロロ
「 そうだね。
この飲食店は、王族に対する侮辱罪で土地を没収されるし、従業員諸とも犯罪奴隷落ちになるよ。
可哀想だけど、ワタシには止められない。
直ぐに王族直属近衛騎士が近衛兵を連れて飛んで来る。
全員連行されて、過酷な取り調べを受ける事になるよ 」




