♥ 初めての街 3 / 飲食街 / 飲食店・キシュリッグ 2
注文したキッシュがテーブルに運ばれて来た。
見た目は美味しそうなキッシュだ。
出来立て……ではなくて、どのキッシュも冷めているのが残念だけど…。
このキッシュ店は、お客に冷めたキッシュを提供するのが通常なのかな?
ホカホカ熱々のキッシュを食べれると思って期待していたのに残念だよ…。
茜梶 惠
「 冷めてるね。
一寸ガッカリしちゃったな… 」
セロロ
「 温かいキッシュが食べたいなら、温めようか 」
茜梶 惠
「 えっ?
そんな事、出来ちゃうの? 」
セロロ
「 簡単だよ。
生活魔法の中には加熱魔法があるからね。
メグムが安全に食べれるように浄化してから加熱するね 」
茜梶 惠
「 わぁっ!
ホカホカのキッシュが食べれるんだね!
有り難う、セロロ♥ 」
セロロ
「 どう致しまして 」
セロロはテーブルの上に並んだキッシュへ両手を翳すと笑顔で浄化魔法を掛けてくれる。
浄化が終わると次は加熱魔法をキッシュへ掛けてくれた。
冷めてしまったキッシュが加熱されて温かくなって来た。
生活魔法って凄いんだなぁ〜〜。
茜梶 惠
「 セロロ、ぼくもセロロみたいに生活魔法を使えるようになりたい! 」
セロロ
「 生活魔法は基本と基礎の応用だから、きちんと基本と基礎を学べばメグムにも使えるようになるよ 」
茜梶 惠
「 うん!
基本と基礎かぁ。
頑張るよ!! 」
セロロ
「 メグム──、キッシュの加熱が終わったよ。
熱いから火傷しないようにね 」
茜梶 惠
「 は〜い♥
セロロ、有り難う! 」
ぼくはセロロが加熱魔法で熱してホカホカに温まったキッシュを前にして、胸の前で両手を合わせて合掌をした。
右手でキッシュを取って、口の中へ入れたらモグモグと確り噛んで食べる。
セロロ
「 メグム、どうかな?
熱過ぎないかな? 」
茜梶 惠
「 うん──、丁度良い熱さだよ〜〜。
温かいキッシュ、美味しい♥ 」
セロロ
「 良かった(////) 」
セロロが嬉しそうに微笑んでくれる。
セロロと他愛のない話をしながら、テーブルの上に並んでいるキッシュを一緒に完食した。
茜梶 惠
「 ふぅ〜〜〜。
お腹、一杯になったね 」
セロロ
「 そうだね。
メグムが満足してくれて、ワタシも嬉しいよ。
他には何か頼むかい? 」
茜梶 惠
「 う〜ん……。
スープが飲みたいかな 」
セロロ
「 注文しようか。
メグムはどのスープが飲みたいのかな? 」
茜梶 惠
「 えっとね……これ!
ピエットスープにする 」
セロロ
「 ピエットスープだね。
店員を呼ぶね 」
セロロが店員さんを呼んでくれる。
注文を聞きに来てくれた店員さんは、綺麗なお姉さんだ。
店員さんはとても感じが良くて、セロロに対しても丁寧に接してくれた。
ピエットスープの注文が済むと、店員さんは素敵な営業スマイルを向けてくれた後、客席から離れて行った。
茜梶 惠
「 セロロ、さっきのお姉さん感じが良かったね!
セロロを見ても舌打ちも悪態も侮辱もしなかったよ。
笑顔で接してもらえて嬉しいね 」
セロロ
「 ふぅん?
メグムにはそう見えたんだ? 」
茜梶 惠
「 セロロ?
どうしたの?
嬉しくないの? 」
セロロ
「 さてね… 」
セロロ…本当にどうしたんだろう?
──さっきの店員さんがピエットスープを運んで来てくれた。
店員:お姉さん
「 お待たせ致しました。
当店自慢のピエットスープです。
熱いので火傷に気を付けてくださいね 」
茜梶 惠
「 有り難う、お姉さん 」
店員さんがぼくの前に熱々のピエットスープを置いてくれる。
茜梶 惠
「 わぁっ、海老が入ってるね!
美味しそう♥ 」
店員:お姉さん
「 ──お連れ様は此方のピエットスープをどうぞ。
特製ピエットスープになります♥ 」
店員さんは素敵な笑顔をセロロへ向けながらピエットスープをテーブルの上に置いた。
茜梶 惠
「 特製ピエットスープ??
そんなの頼んでないよ 」
首を傾げてセロロの前に置かれた “ 特製ピエットスープ ” とやらを見てみたら、スープの中に入っていたのさ海老じゃなかった。
虫だ。
見た事のない虫の死骸がスープの中に浮いているのが見える。
これって──、明らかに嫌がらせだ!!
お客に虫の死骸の入ったスープを出すなんて、飲食店として最低な行為だ!!
こんな酷い事をされて黙っている事なんて、ぼくには出来ない!!
もぅもぅもぅもうっ──、プッツンしちゃったよ!!
ぼくは両手でテーブルの上をバンッと強く叩いて立ち上がった!
茜梶 惠
「 お姉さん!!
何を考えてるの!!
注文したスープと全然違うよ!! 」
店員:お姉さん
「 えっ……急に何なの?! 」
茜梶 惠
「 それは此方のセリフだよ!
お客に虫の死骸の入いったスープを出すなんて、どういうつもりなの?!
飲食店として恥ずかしいと思わないの!! 」
店員:お姉さん
「 そんなに怒る事ないじゃないの!
人獣族は虫を生で食べるじゃないのよ!!
人獣族が高級海老を食べるなんて許されないのよ!! 」
茜梶 惠
「 ぼくにはちゃんとしたピエットスープを出してくれてるのに──、セロロが人獣族ってだけで虫の死骸入りスープを出されないといけないのさ!!
さっきから、お客に対して失礼な態度ばかり取って、何様なの!! 」
セロロ
「 メグム、座りなさい 」
茜梶 惠
「 セロロは黙って!!
こんな侮辱を受けて黙ってるなんて出来ないんだからね!!
それが──、その虫の死骸入りスープが、お客に提供する料理だって言うなら、セロロの代わりにお姉さんが完食してよ!! 」
店員:お姉さん
「 はぁ?
何でアタシが虫の死骸スープを食べないといけないのよ!! 」
茜梶 惠
「 この店は、店員さんが食べるのを拒むような料理を、お客に提供しているの?!
責任者は誰!
料理長でも店長でも、此処に連れて来て!! 」
今のぼくはビッグバンテラおこサンシャインヴィーナスバベルキレキレマスターユニバーーーーーーース激激怒だよ!!
セロロが困ったような顔をしてぼくを見ているけど、ぼくは怒るのを止める気はない。




