♥ 人獣族との暮らしの中で 9
茜梶 惠
「 ザコ……。
超魔王神…って魔王の中でも神クラスに強いんじゃないの?
それがセロロにはザコなの?? 」
セロロ
「 ワタシは特殊な魔族だからね 」
茜梶 惠
「 …………あの…じゃあ≪ 魔界 ≫へ戻る時は…どうするの??
また魂を集めるの? 」
セロロ
「 全ての陸民の魂を対価にしても時空ゲートは使えないね。
超魔王神の魂1つ分にも満たないし。
≪ 魔界 ≫へ戻る予定もないし、無駄な魂狩りはしないよ 」
茜梶 惠
「 そう…なんだ… 」
えぇぇ〜〜〜…目の前に居るセロロって、超絶危険人物じゃーーーんっ!!!!
全然そんな風に見えないのにぃ!!
セロロは、ちょこんと首を傾げてぼくを見詰めている。
くぅ……可愛い(////)
きっとピクピク動く獣耳とフサフサと動く尻尾の所為だよぉ!!
可愛くて涎が出ちゃいそう…(////)
セロロ
「 ワタシが恐い? 」
少しだけ悲しそうな表情でぼくを見詰めるセロロに、ぼくは首を左右に振った。
茜梶 惠
「 恐くはないよ!
セロロはぼくを助けてくれた恩人だし──、セロロはぼくに親切で優しくて…仲良くしてくれるし…守ってくれるし──、何よりも “ 家族 ” として保護してくれてるもん!!
スッゴく心強いよ! 」
何より可愛いし(////)
こういうのって、ギャップ萌えって言うんだっけ??
セロロ
「 メグム…(////)」
セロロが嬉しそうに微笑んでくれる。
えへへ(////)
ぼくも釣られて破顔しちゃった。
セロロがぼくの頬に顔を刷り寄せてくれる。
セロロは無駄に美丈夫な美麗人だから、ドキドキしちゃう(////)
茜梶 惠
「 あ…あのね、セロロ…(////)」
セロロ
「 うん?
何かな? 」
茜梶 惠
「 ぼくね…≪ 亜人領国 ≫≪ 中立領地 ≫≪ 魔族領国 ≫へ行ってみたい──って思うんだ…。
成人したら行ってもいいかな? 」
セロロ
「 行くのは構わないけれど、長旅になるよ。
それに吹雪山は何をしても越えられないし 」
茜梶 惠
「 ……じゃあ、行けないの? 」
セロロ
「 行けなくはないよ。
吹雪山の入り口にある転移陣を使えばね 」
茜梶 惠
「 転移陣?
そんなのが有るの? 」
セロロ
「 亜人類にしか使えない転移陣だけどね 」
茜梶 惠
「 それってぼくにも使えるの? 」
セロロ
「 勿論だよ。
メグムはワタシの家族だからね 」
茜梶 惠
「 家族の特権だね(////)」
ぼくは嬉しくてセロロに笑い返すと、セロロも笑顔を向けてくれる。
ぼくにはとことん優しくて穏やかで笑顔が素敵なのに≪ 魔界 ≫で超魔王神ってのを100体も血祭りに上げて魂を回収したなんて、とてもじゃないけど見えない…。
虫も殺さなそうなのになぁ……。
ぼくは実際にセロロが虫を殺す所を見た事がない。
抑、虫自体がセロロに近寄らないみたいだし。
セロロ
「 メグム、今日はどんな授業を受けたのかな? 」
茜梶 惠
「 えっとね、今日はミカトさんから怪物の解体の仕方を教えてもらったよ! 」
セロロ
「 解体を体験しんだね。
初めての解体はどうだった? 」
茜梶 惠
「 うん…。
難しかったよ。
暴れる怪物を気絶させる所から始めたから。
顎下を狙うのが難しくて時間は掛かったけど、何とか気絶させる事は出来たよ。
それから── 」
ぼくはセロロに解体授業がどんな感じだったのか詳しく話した。
昼飯には資材屋で貰えたお金を持って、サンドイッチのバンズと具材を買い集め回った事も話した。
午後からはオロトさんの授業で、下処理をした肉を使って3品の肉料理を作った事も話した。
一生懸命に話すぼくをセロロは微笑ましそうな顔をして見ている。
相槌を打ちながら真剣にぼくの話に耳を傾けて聞いてくれているセロロの姿勢が素直に嬉しい。
話が一段落付いた頃、廊下の方から騒がしい声が聞こえて来た。
どうやら声からして、ハクトさんとミカトさんみたい。
オロトさんとオシュトさんの説教タイムから解放されたのかな?
足音がドタバタと荒く聞こえるから、もしかしたらハクトさんはミカトさんに怒ってるのかも知れない。
ミカトさんは自分の言ってた事を惚けていたし…、それに対してハクトさんはミカトさんに文句を言っていたから。
2人が喧嘩をしてたらどうしよう…。
仲直り…させれるのかな?
今の部屋の襖が開くと、窶れたハクトさんとミカトさんが入って来た。
なんか…物凄くヘトヘトになっているように見えるんだけど……大丈夫なのかなぁ?
ハクトさんもミカトさんもフラフラしながら座布団の上に腰を下ろして座った。
ゲッソリしてるぅ〜〜〜。
茜梶 惠
「 あの…ハクトさんもミカトさんも大丈夫ですか? 」
ミカト
「 メグつぁん……オレ達が大丈夫に見えてんなら、メグつぁんの目は節穴だぜ… 」
ハクト
「 ミカトぉ……こうなったのは、お前がしらばっくれやがった所為だって事を忘れんじゃねぇぞ… 」
ミカト
「 オレだけの所為だけじゃねぇだろうがよ… 」
セロロ
「 2人共、メグムと入浴をする時ぐらいは、酒瓶を持ち込まないように 」
ハクト
「 主殿… 」
ミカト
「 申し訳… 」
セロロ
「 相当絞られたようだね 」
茜梶 惠
「 ですね… 」
何をされたら、こんなになっちゃったんだろう??
知りたいけど聞けないや…。
暫くすると、オロトさんとオシュトさんが料理を運んで来てくれた。
6人分の料理を2人で運んで来れるなんて、オロトさんもオシュトさんも力持ちだ。
テーブルはない。
料理が盛り付けられた皿は、畳の上に敷かれている風呂敷の上に並べられた。
木製の大皿に盛り付けられている料理には、大きな木製のスプーンが置かれていて、食べたい料理は木製のスプーンで掬ってから小皿へ入れて食べる事になっている。
ぼくが作った肉料理も並んでいる。
セロロ
「 メグムが作った肉料理は──これかな? 」
茜梶 惠
「 うん、そうだよ。
セロロに食べてもらいたくて頑張って作ったんだ 」
セロロ
「 有り難う、メグム 」
セロロは嬉しそうにぼくの作った肉料理を小皿に取ってくれた。




