♥ 人獣族との暮らしの中で 7
ミカト
「 確かにな〜〜。
12歳って……成人まで後3年かよ…。
メグつぁん、見えねぇ 」
茜梶 惠
「 …………向こうでも言われてましたぁ…。
──だけど、ぼくは本当に12歳なんです!
来年の春には中学1年生になる予定だったんですぅ!
間違っても小学2年生じゃないんですぅ!!
こんな…見た目だけど……(////)」
ハクト
「 …………なぁ、メグム。
提案なんだが…このまま8歳で通さないか? 」
茜梶 惠
「 えぇっ…?!
4歳も鯖読むんですか?
それは一寸……幾ら何でも… 」
ミカト
「 メグつぁん、言わなきゃバレねぇって!
8歳って事にしとこうや?
なぁ? 」
ひえっ……ミカトさん…こわいっ!!
絡み方がヤンキーみたいぃ〜〜〜!!
ハクト
「 そうそう、メグムは8歳だ!
どう見ても8歳!
まごうなく8歳ってな! 」
茜梶 惠
「 ハクトさんまで… 」
ミカト
「 大丈夫だって、メグつぁん。
知ってんのはハクトとオレだけなんだ。
3人だけの秘密って事にしようや? 」
ハクト
「 そうそう。
男同士の約束──ってヤツだな! 」
茜梶 惠
「 えぇ〜〜〜……。
……ぼく…嘘吐くの下手なんですよ!
直ぐにバレちゃいますよぉ… 」
ミカト
「 何弱気な事、言ってんだよぉ。
いいか、メグつぁんよ。
男ってぇのはだな、時には吐かなきゃいけねぇ嘘の1つや2つ、あるもんなんだぜ。
男ってぇのは、嘘を吐けて初めて一人前になれるんだ。
年齢詐称なんてのはだな、男の階段を上がる為の試練なんだよ。
分かるか、メグつぁん 」
茜梶 惠
「 …………聞いた事ないですけど… 」
ハクト
「 嘘は男の勲章なんだぞ。
嘘の数だけ、男は偉大になれるんだ。
男社会ってのは、何れだけ大見栄を切って、嘘を吐くかで── 」
?
「 ほう?
何だ、それは?
聞いた事がないな。
一体誰の入れ知恵なんだ? 」
ハクト
「 そりゃあ、お前──オレ達のけ── 」
ミカト
「 ……………ハクト…やべぇ… 」
ハクト
「 何だよ、ミカト。
邪魔すんなよ 」
ミカト
「 ……オロトとオシュトだ… 」
ハクト
「 何ぃ? 」
ミカトさんがオタオタしながら酒瓶を隠そうとしているけど、どう見ても手遅れで──。
突如、浴室へ入って来たオロトさんとオシュトさんの雷が、ハクトさんとミカトさんの上に落ちた事は言う迄もないかな?
ははは……。
オロト
「 ──お前達と来たら…。
呆れて物も言えないな 」
オシュト
「 全くだ…。
温泉に酒を持ち込むだけじゃなく、メグムに何を吹き込もうとしたんだ? 」
オロト
「 嘘は男の何だと言った?
年齢詐称は男の何だ? 」
ハクト
「 あは…あはははは……。
冗談だって!
本気じゃねぇよ、なぁ?
ミカト、そうだろ? 」
ミカト
「 …………何の事かな?
オレ、何か言ってたかな?
わりぃ、覚えてねぇわ 」
ハクト
「 はぁ?
お前っ、惚けんじゃねぇよ!
共犯者だろうが!! 」
ミカト
「 記憶にねぇんだわ…? 」
ハクト
「 ミカトっ!! 」
オシュト
「 …………2人共、其処に正座して座れ! 」
ハクト
「 はい… 」
ミカト
「 うぃ〜す… 」
うわぁ……腕を組んで仁王立ちしてるオシュトさん……貫禄あるぅ……。
身体も鍛えあげられていて、逞しいや。
ハクトさんもミカトさんもオロトさんも同じぐらい鍛えられていて、筋肉の付き方がカッコいいよぅ(////)
人鬼族の身体って、元からなのかな?
見続けていたら涎が出ちゃいそうだよ……(////)
オロト
「 メグム、先に出ていなさい。
これから2人を絞めないといけないからな。
メグムには見せたくない 」
茜梶 惠
「 は、はい…。
お先に失礼します… 」
ぼくは穏やかな声で笑みを向けてくれるオロトさんに言われた通り、素直に温泉から出る事にした。
“ 絞める ” って何をするんだろう?
気になるけど、聞かない事にした。
ぼくは正座をさせられてビクビクしているハクトさんとミカトさんにペコリ…と頭を下げてから浴室を出た。
──*──*──*── 脱衣室
脱衣室で着替えている途中で、ハクトさんとミカトさんの悲痛な悲鳴が聞こえて来た。
尋常じゃない悲鳴にビクッとしたけど、ぼくは聞こえないフリをして手早く着替えたら、急いで脱衣室を出た。
本当に何をされてるんだろう…。
──*──*──*── 居間
何時も食事をする部屋へ逃げ込むように入ると、セロロが座っていた。
茜梶 惠
「 セロロ…… 」
セロロとは朝飯を一緒に食べたぶりだ。
セロロ
「 メグム…、おいで 」
セロロは座ったままの状態で優しく微笑みながらぼくへ手招きしてくれる。
ぼくは嬉しくて、素直にセロロの元へ駆け寄った。
セロロ
「 いい匂い…。
温泉に入っていたね 」
茜梶 惠
「 うん。
ハクトさんとミカトさんと入っていたよ。
後からオロトさんとオシュトさんも入って来たけど……、揉めてる最中かなぁ… 」
セロロ
「 揉めてる?
あぁ…何時もの事だね。
大方、温泉に酒瓶でも持ち込んだのが見付かったのだろうね 」
茜梶 惠
「 当たり!
──えっ、何時もなの?! 」
セロロ
「 そうだね。
水を飲んでるようなものだけどね 」
茜梶 惠
「 正座させられてたよ… 」
セロロ
「 ふぅん……他にも理由があったのかな? 」
そう言ってクスリ…と笑ったセロロはぼくの髪を優しく撫でてくれる。
言っちゃっても…いいのかなぁ……。
ぼくは怒られないとは思うけど、ハクトさんとミカトさんはどうだろう…。
オロトさんとオシュトさんに怒られてるのに、セロロにまで怒られてちゃうのかな…。
一寸だけ可哀想かも…。
茜梶 惠
「 …………あ、あのね…セロロ…お願いがあるんだけど… 」
セロロ
「 うん?
ワタシにお願い?
何かな? 」
茜梶 惠
「 ハクトさんとミカトさんは今ね…オロトさんとオシュトさんに怒られてる最中だから……、ぼくの話を聞いた後でハクトさんとミカトさんを怒らないでほしいん…ですけど…… 」
セロロ
「 ワタシが怒るような事を言われたのかな? 」
茜梶 惠
「 ──め、滅相もないよ!!
そんな物騒な事は言われてないよ!
……ぼくの歳の事で一寸…… 」
セロロ
「 ふぅん?
メグムの歳が何かな? 」
茜梶 惠
「 …………お、怒らないで聞いてね? 」
セロロ
「 聞いてから判断するとしよう。
聞かせてくれるかな? 」
茜梶 惠
「 う、うん……。
実はね── 」




