♥ 人獣族との暮らしの中で 6
簡易竈の後片付けと周辺の掃除を終えると、オロトさんとミカトさんのチェックが入る。
皆合格点を貰えるかドキドキしているのが分かる。
後片付けや掃除に関してのオロトさんのチェックは中々厳しいもので、駄目出しをされる子供は多かった。
ただ単に綺麗にすればいいんじゃなくて、次に使う相手に気持ち良く使ってもらえるように、真心を込めて後片付けと掃除をする姿勢が大事なんだって事を教わった。
身体の垢は自分で擦れば落とせるけれど、心の垢は自分で擦って落とす事は出来ない。
だから、謙虚な気持ちで感謝を忘れず、真心を込めて、〈 大陸神 〉へ心を供えるつもりで慎みを持って何事にも真摯に取り組む姿勢が大切なのだとオロトさんは教えてくれる。
心の伴わない行いをするより、心を伴える行いを常日頃から出来るように精進する事を教えられる。
何事に対しても学ぶ姿勢を忘れずに、皆が生徒であり、皆が誰かの先生なのだという事を忘れない事を教えられる。
御互いが尊重し合い、相手を否定せずに受け入れられるだけの器の広さを養う為にも、自分という存在を否定せず、自分を卑下せず、自分を恥じず、自分を受け入れて、自分を認めて、自分を褒めて、自分を信じて、自分を好きであるように教えられる。
そうして日々の生活を営んでいれば、〈 大陸神 〉が心の垢を落としてくれるって、汚れた心を洗って掃除をしてくれるんだ──って教えられる。
オロトさんが教えてくれる事が本当なのかぼくには分からないけれど、悪い事を教わっているわけじゃなって事だけは分かる。
まるで大陸の7割を支配しているつもりでいる勘違い野郎な痛い人類みたいには間違ってもなるんじゃないぞ──って言われているように感じる。
痛烈ぅ〜〜〜。
オロトさんとミカトさんから簡易竈と簡易調理台の後片付けと掃除に関して駄目だしされている子供達が集められている。
次回に使う相手の事を考えるのが難しいなら、簡易竈と簡易調理台の前に立った時の自分の姿を思い浮かべてみるように言われている。
使おうとした簡易竈と簡易調理台と周辺が雑な後片付けや掃除をされた状態で汚れていたら──、その汚ない簡易竈と簡易調理台を自分が使わないといけない状態だったら──、自分だったらどう思うのか。
嫌な気持ちにならないか、晴れやかな気持ちで使えるのか──。
みたいな事を問われている子供達の尻尾は元気なく垂れ下がっている。
駄目出しされた子供達は、自分が使っていた簡易竈と簡易調理台と周辺の掃除を再び始めた。
うわぁ…………半泣きで掃除をしてるよぉ…。
オロトさんって子供にも容赦なく厳しいんだぁ……。
ぼくもオロトさんに怒られないように気を付けよう…。
駄目出しを受けた子供達は、オロトさんから合格点を貰えたみたいで、頭を撫でられて褒められている。
オロトさんから解散の合図が出たから、ぼく達は自宅へ帰る事になった。
木皿を落とさないように気を付けて持ちながら、ミカトさんとオロトさんと一緒に自宅へ向かって歩いた。
──*──*──*── セロロの家
自宅へ着いたぼくは夕飯前に入浴する事になった。
入浴する時は大体がハクトさん,ミカトさんと一緒に入るのが日課になっている。
ハクトさんとだけって時もあれば、ミカトさんとだけって時もあるけど、1人で入浴する時はない。
セロロからの命令でぼくの護衛を兼ねているみたいなんだ。
セロロって以外と過保護なのかな??
お風呂場は温泉になっていて、異世界で温泉に入れるなんて思わなかったよ!
毎日、温泉に入れるなんて贅沢だよね!
ハクトさんやミカトさんと入浴をする事はあっても、オロトさんとオシュトさんと入浴する事はあまりない。
オロトさんは家事全般の主夫業で忙しいみたいで、オシュトさんは田畑仕事で忙しいみたいだからだ。
セロロとも入浴はした事はないなぁ…。
──*──*──*── 浴室
入浴中──、ハクトさんとミカトさんは浴場へこっそり持ち込んだお酒を温泉に浸かりながら飲んでいる。
ぼくの護衛をする気があるのか怪しい…。
セロロの使い魔は、お酒を飲んでも酔わないみたいだから何の問題もないみたいだけど、オロトさんとオシュトさんに見付かったらゴロゴロドビシャァァァァンって雷が落ちそうだよ…。
そう言えば、醤油,味噌だけじゃなくて、豆油,豆腐,おから,油揚げ,豆乳,がんもどき…とかも作ってるって言ってた。
お米,小麦,餅米も作っているから、パン類や麺類だけじゃなくて、お酒や米油,米醤油とかも作ってて、≪ 亜人領国 ≫≪ 中立領地 ≫≪ 魔族領国 ≫へ転送陣を使って転送して支援しているみたい。
≪ 亜人領国 ≫≪ 魔族領国 ≫も土地の開墾が難しくて作物や穀物を育てても上手く育たなくて大変だったみたいで、セロロの使い魔達が土地を開墾して作物や穀物を育てられる大地に変えたんだけど、それだけじゃ養えないみたい。
一体どんな感じなんだろう……。
ハクトさんとミカトさんは、 “ 出来上がったお酒の味見をしているだけ ” らしいけど、物凄く怪しいぃ〜〜〜。
入浴中にハクトさんとミカトさんは≪ 亜人領国 ≫≪ 中立領地 ≫≪ 魔族領国 ≫の事を教えてくれる。
転送陣は物資や資材しか送れないけど、使い魔は生き物じゃないから物資や資材と一緒に転送陣で転送する事が出来るんだって。
良いなぁ…。
オロトさん,オシュトさん,ハクトさん,ミカトさん達は何時でも転送陣を使って≪ 亜人領国 ≫≪ 中立領地 ≫≪ 魔族領国 ≫へ行けるんだ…。
茜梶 惠
「 ……ぼくも≪ 亜人領国 ≫≪ 中立領地 ≫≪ 魔族領国 ≫へ行ってみたい… 」
ハクト
「 メグムは未だ無理だぞ。
成人しないと≪ 集落 ≫を出られない掟だからな 」
茜梶 惠
「 成人する迄……。
それって15歳になる迄って事ですか? 」
ハクト
「 だな。
成人する迄は諦めろぉ〜 」
ミカト
「 だがなぁ〜〜、メグつぁんは異界人だろぉ。
亜人類でもねぇしなぁ?
主殿に聞いてみたら良いんじゃねぇの? 」
ハクト
「 あの主殿が2つ返事で許可すると思うのかぁ?
──そう言えば、メグムは何歳なんだ? 」
茜梶 惠
「 ぼくですか?
……12歳…です(////)」
ハクト
「 12ぃい?!
おぃおぃ、嘘だろぉ?
オレはてっきり7つか8つかと思ってだぞ! 」




