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テラ生まれのターさん異世界に行く  作者: うゐのおくやま
第一章 異世界転移
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第一章 17.秘密の部屋を探せ

「やっぱり無くなっているな」


 屋敷に戻って来たのは風の一刻鐘が鳴った頃。日が沈んで暗くなってしまう前に屋敷内の探索をしようと、俺達は屋敷内を隅々まで歩き回っていた。


 初日に屋敷内を見回った時に、屋敷内のあちこちに古びた全身板金鎧プレートアーマー が飾ってあり、そのうちの一領は胸の部分の装甲がボインボインとなっている女性用の鎧だった。

 玄関ホールや大広間に飾ってあった鎧はそのまま残っていたが、あの印象的だった女性用鎧が見当たらない。確か居間に飾ってあったはずと思ったが、昨夜気づいた時には、居間には通常のプレートアーマーが一領あるだけだった。他の部屋で見つけたのを勘違いしてたかもと全部の部屋を見て回ったが、結局何処にも無かった。


「やっぱりお約束のアレなのかな?」


「ん? 約束とはなんの事だ?」


「いや、こういう古い屋敷に古びた鎧があれば、呪いかなんかで夜中にガチャンガチャン勝手に動き出すのもありなんじゃないかと」


「か、勝手に動くだと? そ、そんなもの、何か仕掛けが、あ、あるに、決まってる……」


「まあ、そうだよね。魔法がある世界なんだし、鎧が動くぐらいなんともないか」


「そ、そうだな。きっと魔法か何かで動いていたに違いない」


「それで、鎧が魔法で動いているとしたら、どんな魔法が考えられるのかな?」


「ふーむ、そう言われてみると鎧を動かす魔法というのは、……すぐには思いつかないな。四大元素魔法の組み合わせで出来ないこともないとは思うが……。魔法とは決して万能ではないのだ。この世界の物理法則を少し上書きして別の物理現象を引き起こしているだけのことだ。それも体内に有する生命エネルギーの余剰分を魔力に転換している関係上、破壊力だけを考えても、火撃魔法を十発ぶつけるよりも、最大出力のヒートブラスターの一撃の方が威力は甚大だ。魔法で出来ないことは多々あるが、魔法で出来ることは科学技術でも代用出来ることばかりなのだ」


 あら、結構ショボいんだな魔法って。それにしてもヒートブラスターって、響きが古き良きスペースオペラだね。


「魔法とは機械だの道具だのを用いずとも、念ずることで外界に大きな影響を及ぼすことが出来るのだと、人間の精神力の可能性を示すものでしかない。

 ――そうだ、もし、鎧が勝手に動いていたのだとしても、きっと内部に機械装置のような物が仕込まれているに違いない。もしかすると古代の帝国の遺物をこの屋敷の前の持ち主が手に入れて、密かに隠匿していたのではないだろうか?」


「つまり、ロボットみたいなものだと言うことか」


「そうだ、骨董品のアーマノイドかもしれないではないか。それなら全然、怖くないぞ、うん」


「アーマノイドって何なの?」


「愛玩用アンドロイドだ。メイド仕事をさせたり護衛などに使われることもある」


「まあ、まだ実際に動いてるのを見た訳じゃないし、決めつけるのはやめておこうよ。単に正体の知れない誰かがオッパイアーマーを担いで行って、別の場所に隠しただけかもしれないしな」


「人間が動かしているのなら、なおさら怖くなんかないぞ! 私の魔法で成敗してくれる」


「今度は外さないように頼むよ、ソルさん」


「昼間のあれは、たまたま素早い挙動の相手に火球の飛行軌道を読まれて避けられてしまっただけだ。雷撃なら瞬時に当てることが出来るから問題ない。雷撃は破壊力は大して無いが、感電させて敵を一時的に麻痺させられるし、機械の動作を狂わせることも出来るからな」


 屋敷内を一回りした後に、昨夜寝泊まりした二階の居間に戻って来た。ここは食堂スペースが隣接していて広々としている。食堂には階下の家事室や地下厨房に直接降りられる階段がある。

 居間の壁際には古びたプレートアーマーが一領立っていた。念の為に面覆いを外して中身を調べてみるが、人が潜んでいることもなく、カラクリ仕掛けがある訳でもなく、ただ空洞があるだけだった。


「たしか、初日に見た時は、こいつの隣に女性用鎧があったと思ったんだけどな」


「ふむ、私はよく覚えてないな」


「あの時はソルさんは怖がってて、ろくに周りを見もしないで、ずっと俺の背中にしがみついてたからね」


「べべ、別に怖がってなどなかったぞ、埃臭いのが嫌で早く外に出たかっただけだ!

 それよりターサンは気づかなかったか? 一階も二階も北西の角にだけ部屋がないのだ。一階は西の壁沿いに来客用応接室が三部屋並んでいるが、一番北側の部屋には北に面した窓がない。二階も西の壁沿いに客間が三部屋あるものの屋敷の北面に面した窓がないのだ」


「あっ、言われてみれば……」


「各階の間取りを考えれば、一階も二階も手水場と客間に挟まれた北西の角の部分に、もう一部屋あってもおかしくはない。実際、三階は北西の角まで物置部屋が広がっていた。なのに二階には手水場からも客間からも北西の角に通じる入り口がないのだ。一階も同様だった」


「よし、もう一度調べてみよう」


 食堂を抜けて回廊に出る。吹き抜けの玄関ホールはもう薄暗くなっていた。そのまま北寄りの客間に入り、壁一面にある飾り戸棚を調べてみるが、隠し扉などは無かった。


 次に二階の手水場に入る。朝、仕事に出る前にトイレや洗面で水を使ったが、また水甕の水が満タンに足されている。水汲みしなくて楽でいいが、誰が汲んでるのか分からないのはちょっと気持ち悪い。

 ここは北側に小さな窓がある以外は、壁は全面タイル張りで隠し扉がある様子もない。


 一階も調べてみたが、二階と同様で壁に仕掛けなどは見つけられなかった。


「ふむ、絶対にここに隠し部屋があるはずなのだがな」


「地下……じゃないかな?」


「地下だと?」


「そうだよ、地下からだよ! 地下の厨房にこの北西の角への入り口があるに違いない。よし、見つけに行こうぜ!」


「あ、あの、ターサン。もう暗くなってきたから、明日にしないか?」


「なに言ってんの、ソルさん? こういう事は早い方が良いんだよ! 気づかれたと知られたら逃げちまうかもしれないぜ!」




次回の投稿は来週の金曜日になります。

今週はちょっと忙しくて書く時間がとれなくてストックが尽きちゃった ( ̄▽ ̄;)

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