ずっと親ガチャしてるのにひどい親しか出てこない(後篇)
天界コメディ・転生(研修)もの。
コメディ・シリアス混在。
主人公は新人の神。
テーマは親ガチャ・人間理解・天界研修。
虐待・不遇描写あり。
七回目。
父は借金まみれ。
母はギャンブル依存。
新人は十五歳で働き始めた。
給料日は親に財布ごと持っていかれる。
「親って何なんですかね」
夜勤帰りに呟く。
隣のおじさんが缶コーヒーを一本くれた。
「お疲れさん」
たったそれだけで救われた。
人間は親だけではない。
そんなことを理解し始めた頃、過労で倒れて十八歳で終了。
◇
「八回目ー」
先輩神が書類を差し出す。
「はい……」
もう新人も慣れていた。
「そういえば」
先輩神がぼそっと言う。
「お前の抽選番号、毎回すげえ偏るんだよな」
「抽選番号?」
「完全ランダムだけど、乱数にも偏りはある」
「そんな現実的な説明やめてください」
女神は紅茶を飲みながら言った。
「人間もそうですよ」
「え?」
「理不尽には理由がある場合と、ない場合があります」
「今回はどっちです?」
「行けば分かります」
◇
八回目。
生後三日で両親が逮捕された。
新人は思った。
(はい、終了)
ところが終わらない。
児童相談所。
乳児院。
そして養護施設。
そこには血の繋がらない大人が何人もいた。
「おはよう!」
「熱ない?」
「宿題見ようか」
先生。
保育士。
調理員。
近所のボランティア。
十八歳で施設を出る日、みんなが送り出してくれた。
「行ってらっしゃい!」
新人は泣いた。
(親はいなかった)
(でも、大人はいた)
大学へ進み、働き、結婚もしなかったが穏やかに暮らした。
七十八歳。
病室で静かに息を引き取る。
「長生きしたなあ」
最後に笑って死んだ。
◇
天界。
先輩神は立ち上がった。
「おめでとう!」
クラッカーが鳴る。
新人はきょとんとする。
「え?」
「初の寿命クリア」
受付の奥からケーキまで出てきた。
女神も珍しく微笑んだ。
「研修終了です」
「……終わった」
新人は椅子に座り込んだ。
「疲れました」
「知ってる」
先輩神は書類の束を抱える。
「これ全部、お前の転生記録」
「厚っ!」
「事務処理も大変だった」
「すみません!」
女神が評価用紙を読み上げる。
「問一。人間とは何ですか」
新人は長く考えた。
酷い父親。
冷たい母親。
優しい先生。
缶コーヒーのおじさん。
施設のみんな。
「分かりません」
先輩神がずっこけた。
「えぇ!?」
女神は頷く。
「続けてください」
「分からないまま、生きてる生き物です」
「理由は?」
「ひどい人も優しい人もいて、同じ人でも日によって違うからです」
「親だけ見ても?」
「親だけ見てもです」
女神は判定印を押した。
合格。
「えっ、これで?」
「人間を一言で分かったと言う神より、分からないと言える神の方が信用できます」
新人は胸を撫で下ろした。
「やっと終わった……」
その瞬間、受付の鐘が鳴る。
『新人八番、研修開始』
隣の受付に、別の新人神がやって来た。
「よろしくお願いします!」
先輩神は新人を見て、書類を受け取る。
そして眉をひそめた。
「あっ」
「どうしました?」
「お前の抽選番号、七番と同じ偏り方してる」
新人八番の顔が青ざめる。
「え?」
元・新人七番は思わず肩を叩いた。
「大丈夫。施設のカレーは美味しいよ」
「何の慰めですか!?」
女神は小さく笑った。
運命は、ときどき残酷だ。
けれど同じくらい、妙ないたずらもする。
天界には今日も、新人たちの悲鳴と笑い声が響いていた。
文:ChatGPT氏。




