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☩ 天八 彼女の覚悟 ☩

あの私が作り出した地獄の中で、彼女を苦しめた元凶である私に「紅まどんな」をくれた理由は私も今だに理解できていない。

なぜ、わざわざトップが聞き耳を立てている目の前で、彼女は私に「紅まどんな」をくれる話をしてきたのか。 

私なりに納得をしたかった。      【彼女の名誉の為に言っておきたい】

これから私が語る内容は「完全なる私の脳内ご都合主義の妄想による話である」それを念頭においてお付き合いください。


彼女はずっと自問自答していた。

(自分が何かしたのか?なぜ日狩さんは、あんなに冷たくなってしまったのか?)

どこを切り取ってみても答えはわからなかった。それでも普通に挨拶も仕事も一緒にしてくれる。でも話しかけても相手にしてくれない。だから話しかけちゃいけないんだ、私が近づくといなくなる、完全に嫌われてしまった。いろいろネットを見たり、AIに聞いてみたりしたけど、本当の理由はわからなかった。

一緒に住んでいる妹が、「最近お姉ちゃん会社よく休むし、元気がないね」

と心配してくる。「実はね・・」彼女は話し始める。話終わるまで黙って聞いていた妹は、「私にココアをくれたり、お姉ちゃんを助けてくれたりした優しい人だよね?急にそんなことをする?何か重大な意味があるんじゃないかな?例えば、誰かに何か言われたとか」

特にそんな事は・・・・・・ある。

あるよ!上司が私たちの邪魔をするみたいに話に割って入ってきてたりしてたんだけど、それって関係あるかな?

たまたま二人のアパートに来ていた母が、それを聞いていた。

母が優しく話し始める。「その人はあなたに迷惑をかけたくなくて、そんな態度になっているんだと思うよ。管理者側は波風を立てないよう、その人に伝えたんだよ。あなたが分からなかっただけ」

それを聞いた彼女は、そこで初めて理解した。

日狩さんの苦しそうな顔も、自分の苦しかった胸の内も、全部、全部気づけなかった。私は何もできなかった。

彼女は静かにキレた。

彼らの目の前で私に紅まどんな(100%受け取ってくれると信じていた)の話をすることで、「あなた方が何を考えてどこを見ていようが【紅まどんな】を、隠す必要もなく、この人だけに渡しますので。何か文句はありますか?」そう、彼女が行動で吠えたのだと思う。

彼女はあの地獄の日々の中でさえ、私への信頼をなくす事はなかった。私は本当に彼女に感謝している。

この話が本当かどうかは確かめようがないが、男として情けなく思いながらも、彼女に救われた事と、その後の上司の妨害が一切なくなった事は事実だ。


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