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最終話 恋人らしいクリスマスナイト

 クリスマス当日。

 僕は玄関の前に立ってた。

 あと少しでわかりそうで、まだ僕はその答えに辿り着けてない。

 

「…………」

 

 そんな状態だってのに、いよいよもってタイムリミットって訳だ。冬野が喜んでくれるだろうプレゼントは何か、とか。他にも色々考えて、周防とかに相談もして。

 

「喜んでくれるといいな」

 

 僕は用意したクリスマスプレゼントに視線を落とす。買ってきたのは手袋。ありきたりではあるけど、冬なんだし。それとクリスマスケーキを一つ。

 ごくりと唾を飲んで、僕はインターホンを鳴らす。

 

「…………」

 

 少しして。

 

「燿、いらっしゃい。料理、できてるよ」

「うん。それじゃお邪魔します」

 

 何度か来た冬野の部屋に僕は緊張を覚えながら入る。今日こそ、なんて考えて。

 

「お、おおっ……!」

 

 用意された豪勢な料理に僕は思わず感嘆の声を上げた。クリームシチューにチキン、サラダと気合を入れて用意してくれたらしい。

 

「ありがとうございます!」

「楽しかったから」

 

 僕の用意したものなんてプレゼントくらいで申し訳なさも感じてしまう。

 

「ほら、食べよ? シチューあったかいの用意したから」

 

 たしかに、それは冷めたらもったいない。

 僕は冬野の言葉に従って食事を始める。

 クリスマスケーキも食べ終えて、僕の用意したプレゼントも渡して喜んでもらえて。

 

「燿?」

 

 冬野を見る。

 え、と。

 どうしよう。恋人らしいことをしたい。キスだってまだできてない。

 

「ふ、冬野……」

 

 冬野の肩に両手を置いて『ベッドに行こう』なんて口にしようと思った。

 

「……うん」

 

 それを察してるのか、冬野が頷いた。

 事態は迫ってる。

 まだ、僕の答えが出せてない。

 

「…………」

 

 僕たちは部屋のベッドの上、お互い服を着たまま黙って向き合ってる。その状態でもう三十分くらいは経過したかもしれない。

 

「燿?」

「ご、ごめん……緊張しちゃって。僕だけ舞い上がってるかもって。それに冬野さんも流されてるのかなって……本当は嫌とかだったら」

 

 僕は冬野のことが好きで、冬野も僕のことを好きでいてくれてるはずなのに。

 

「……燿。わかった」

 

 冬野は顔を赤くしながら服を脱ぎ始めた。

 

「冬野さん!?」

 

 思わず叫んでしまった。

 白い、綺麗な肌が見える。まだ、他の男の誰も触れていない、新雪がそこに。

 

「好きだよ。燿。私も、燿が好き。だから、大丈夫だから」

 

 そう言って上半身、下着姿の冬野が僕を抱きしめてきた。柔らかな肌が、僕の服一つ隔てた先から伝わってくる。

 

「僕も……冬野のことが」

 

 僕は言い直す。

 

「美月のことが、好きだ」

 

 一人の女の子として。恋人として。幸せにしたい存在として。

 

「なら、お互い好き同士だよ。ね? 燿」

 

 ああ、そっか。

 たしかに……僕ってヤツはちゃんと見れてなかったんだ。

 

「美月……今日はとびっきり恋人らしい夜にしない?」


 言っておきながらちょっと照れくさい。


「うん」

 

 まずは手を繋いで、キスから始めよう。

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