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第45話 プレゼント購入

 

「あ、周防くん」

 

 モール前、午前十時の待ち合わせ。

 

「ごめん、平坂。待たせたか?」


 そう聞かれたら、こう答えたくなるよね。


「ううん、今来たとこ」

「……デートの待ち合わせみたいに言うなよ」

「いやぁ、やりたくなっちゃってさ」


 ついつい、ね。

 

「で、どうしよっか?」

「ん? あー……ほら、まずクリスマスプレゼント買うだろ? で、平坂……里菜から聞いたか?」

「ん?」

「クリスマスパーティーのこと」

「ああ。それね」

 

 あの日、夜に電話があったんだ。

 それで僕にもプレゼントを買って欲しいって言ったのはクリスマスパーティーがしたいからとのこと。そしてパーティーではプレゼント交換会もやりたいと春木は仰せだ。

 衣装がどうという話もあったけど、そっちはどうにか阻止できた。嫌な予感がしたんだ、衣装という単語が出てきた瞬間に。

 危うかったよ、まったく。油断も隙もないんだから。

 

「パーティー用のと、里菜の分は別に買う予定なんだけどな」

「そっか」

 

 まあ、僕も冬野たちの分は別に買おうと思ってるけど。

 

「…………ねえ、今更なんだけどさ」

「ん?」

「周防くんって春木さんと付き合ってるの?」

 

 学園祭だって春木と回りたかったのもあったらしいし。

 

「んー……そうだな。別に隠すことでもないよな」

 

 周防はちょっと考えるように顎を撫でてから。

 

「学園祭の日に告ったんだよ。で、オーケー貰えてさ」


 周防が頭を掻く。


「……今は付き合ってんだ」

「おお、おめでとう」

「はは、ありがと。まあ、付き合ってるつっても前と大して変わんないんだけどな」

 

 僕も分かってなかったからね。

 

「てか……平坂も冬野たちと仲良いけど、誰かと付き合ってんのか?」

「僕? いやいや。僕は単なる友達だよ」

「……あー、そりゃそうか」

 

 おいおい。

 なんか、納得されるのはあんまり嬉しくないぞ。

 僕だと釣り合いが取れないってのは分かってるんだけどね。

 

「ほら、プレゼント買いに行くよ」

「おう」

 

 もはや僕がモブではなかったとしてもさ。

 

「…………冬野さんはエプロンで、夏元さんはランニングポーチとかが喜んでくれるかな」

 

 秋山は栞とかで、春木には……秋谷凛のグッズを買おう。それがいいと思うね。間違いないはずだ。

 

「なあ、平坂」

「どうしたの?」

「里菜のプレゼントでなんか良いのないか?」

「え? 僕よりも幼馴染の周防くんの方が色々知ってるのでは?」

 

 僕なんて学園入学してからの付き合いだよ?

 

「毎年プレゼントしてきて、だんだんネタがなくなってきてるんだよ」

 

 あー、そういうのもあるか。

 

「それに、俺は……里菜とそれなりに仲良くしてきてたつもりだったんだけどさ」

「うん?」

「俺も里菜のこと好きで、里菜も俺のこと好きで居てくれたんだ。てなると、お互い……嫌われたくないとかで隠してるものが出てくるんだよ」

「…………そうだね」

「でも、里菜はお前を友達だって言った。だから、平坂。里菜の友達のお前を頼らせてほしいんだ」

 

 それには僕も応えたいんだけど。

 

「じゃあ……一緒に考えよっか?」

 

 秋谷凛が好きなことを僕の口から伝えるのは憚られる。周防なら大丈夫だと思うけど。そこはほら、付き合ってく上でいずれ自分からってのがいいと思うから。

 

「交換会のプレゼントも探しながら、春木さんが喜んでくれそうなのをさ」

「ありがとな」

「全然全然。僕も春木さんが喜んでくれたら嬉しいからさ。友達としてね」

 

 プレゼント探しの最中、エプロンを物色。

 

「ん? 平坂って料理すんのか?」

「これは僕じゃなくて冬野さんにだよ」

 

 冬野にはシックなエプロンが似合うと思うんだよね。

 

「てことは、交換会のとは別に買うってことか……?」

「周防くんもでしょ?」

 

 よし、エプロンはこれにしよう。

 

「ふふふ…………」

 

 似合うだろうなぁ。

 まあ、見る機会があるのかどうかは微妙なんだけども。別に見れなくても、使ってくれれば僕は嬉しいんだよ。


「平坂、お前いろいろ買ったな」

「夏元さんと秋山さんのも買ったからね」


 春木のに関してはあとで買おう。

 で、結構見て回ったんだけど。

 

「うーむ……なかなか思いつかない」


 周防の春木へのプレゼントが買えてない。


「どうするの?」

「ここは大人しくチョコにした方がいいのだろうか」

 

 その手もあるか。

 食べ物とかは一番困らないって言うよね。

 

「そうだ、周防くん。春木さん、この前寒いって言ってたし……ゆず茶欠かせないっても聞いたよ」

「……ナイスすぎる! なら、水筒とかが良いかも。そういや今まで買ったことなかったな」

 

 いい感じのを選んで、周防は会計に向かった。高すぎず、安すぎず。いい感じのね。サイズ感も。

 

「いやぁ、平坂。お前のおかげでいいもの買えた気がする」

 

 さてと。

 

「僕たち、交換会の方は買えてないんだけど」


 周防も春木の分を買ってからじゃないと交換会の方に気持ちが向かなかったし。


「…………うしっ! 飯食ってからにしようぜ!」

「お。もしかして、周防くんが奢ってくれるって感じ?」

「ちょ、ちょっと待ってな。財布確認するから」

「冗談だからね?」


 お願いだから真剣な顔しないで。

 交換会のプレゼントも買わないとなんだからさ。

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