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アフター1-3 ツーショットを送りつけるヤベーヤツ

「あの、美月」

 

 僕は料理をテーブルに並べ終えて、向かい側に座った美月に話しかける。

 

「ん……?」

 

 僕は気になってたことを尋ねる。

 

「美月って、お姉さんいる?」

 

 僕の質問に美月は「いるけど……? なんで?」と尋ね返してきた。

 

「いや……ちょっと」

「浮気?」

「それは絶対にない! 神様に誓って!」

「神様……ふむ。それでは、学園祭で女装できるかな?」

「…………はい?」

 

 え? ちょ、ちょっと……なんでそんな話が出てくるんでしょうか。

 

「神……わたしたちにとっての神は女神。燿の女装こそ、神の御姿」

 

 固まる僕を置いて「いただきます」と手を合わせて、美月は食事を始めてしまった。

 

「……できない? つまり浮気?」

「いや、いやいやいや! で、できるよ!? できるに決まってる! 僕は浮気なんて絶対しないもん!」

 

 僕の言葉に美月は頰を赤く染めて、俯いて「……知ってる」と呟く。あ、めっちゃかわいい。

 

「里菜から燿に女装の件について無視されるって連絡きたから……なんとかして欲しいって」

「なんとかって……その、断る選択肢は?」

「…………?」

 

 こてんと小首を傾げた。

 まるで『何言ってんだろ』と言いたげに。意図的に除外してるよね?

 

「わたしも燿の女装見たいから」

 

 ぐぁああああ! それを言われたらやるしかないじゃん!

 

「それで、燿……さっきの話だけど、兄さんのとこに会社見学に行ったんじゃないの?」

 

 僕の口からどうして姉さんのことが出てきたのかが疑問らしい。

 

「それが……帰りの電車で冬野って苗字の人とたまたま会って。冬野日織って名前なんだけど」

「……実の姉がナンパするなんて」

 

 あ、この反応は確実に関係者ですね。

 

「ま、まあ? お互い恋愛感情とかは特にないって」

 

 だからナンパとかでもないでしょう。

 

「わかった。燿のこと信じる」

「ありがとう。まあ、それでちょっと相談乗っただけなんだよ」

「相談」

「そう。なんか就活で苦労してるみたいで」

 

 美月もなんか納得した様子だ。

 

「姉さんも就活生……でも、そつなくこなすイメージあった」

「そう?」

「……うん。あんまり話さないけど、姉さんも兄さんと同じで優秀だからお母さんに怒られてなかったし」

 

 それが美月にとっての優秀かどうかの判断基準らしい。

 

「僕は美月って素晴らしい恋人がいて幸せだけど?」

「…………ありがと」

 

 照れくさそうに美月が小声で感謝を伝えてくる。

 

「もしかしたら、相談に乗ることがこれからもあるかもだけど……」

「む……それはちょっと話が変わってくる」

 

 美月が僕の隣にさっと移動してくる。

 

「ど、どうしたの?」

 

 僕は嬉しいけど、ご飯の最中だよ?

 

「ふっ……姉さんにわたしのだって見せつける」

「独占欲……!?」

 

 最高かよ!

 僕とのツーショットを撮った後でメッセージアプリを起動して、美月は画面をスクロールする。

 

「…………」

 

 二分ほどしてから僕とのメッセージにさっきのツーショットが送られてきた。

 

「燿、姉さんのアカウント見つからなかった。送って?」

「了解しました!」

 

 僕は日織さんとのトークに突然、妹とイチャコラしてるツーショットをあげるヤベーヤツになった。

 それから数時間後に『あとで話せるかな?』と一言が来ていたことに気がついた。

 僕は隣で横になってる美月に画面を見せると「その時はわたしも行く」と答えが返ってきた。

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