96話 転移魔法の体験
私は、ルーネで見たいものがあるから、後で追いかける事を伝えた。
「それじゃあ、私達は先にオウディスに向かっているわね」
「はい、直ぐに追いかけます」
マティルダさんや、リーニさん達はそれぞれの馬でオウディスに向かった。
「じゃあ、行こうか」
「うん」
マニカとリアは私についてきた。
「ユイはどこを見に行きたいの?」
「ちょっと確かめたい事があって、ルーネにもあるなら転移の魔法陣を調べたくて」
「ああ、あの公園の所にあるやつだね」
やっぱり、どの町も公園に設置されているんだね。
「あれね~、じゃあ私が案内するからついてきて~」
「うん」
「でも、また珍しい物を研究しているね?」
「あ~、マニカとリアだから教えるけど、私は王都とオウディスの転移魔法だけ使える様になったの」
「「 え!? 」」
「ユイ、転移魔法使えるの?」
「王都とオウディス間だけだけどね?」
「凄~い」
「この数百年は誰も使えなかったって聞いた事があるのに」
「やっぱりユイの魔法技術は凄いよね」
「うん、凄いわね」
「もしかして、ルーネの転移魔法陣も使えるの?」
「わからないよ、でももしかしたらって思ったから調べてみたくて」 「そうなんだ~」
その後も、経緯や使い方を説明しながら歩いていると、10分程で目的の魔法陣に到着した。
私は、前と同じように中央に移動して魔法陣に触れてみたら、魔法陣は起動し光り出した。
「うわ~、魔法陣が光ってるね?」
「やっぱり使えそうだね」
「じゃあ、一人ずつ一緒に飛んでみようか」
あれ? 私は**【一人ずつ】**って言ったよね?
何で二人とも私に抱き着いているの?
「えーっと?」
「さあ、ユイ。いつでもいいよ?」
「私も準備OKよ!」
「三人一緒に転移ってした事がないのだけど?」
「じゃあ、ユイの好きな実験ができるわね?」
「いつでもいいよ~」
まあ、無理だったら、やり直したらいいかな。
魔法が十分に行き渡った感じがしたので、転移先を言葉にした。
「オウディス!」
シュワンッ!
魔法陣は発動し、光に包まれた私達は全員一緒にオウディスに転移された。
「凄ーい、本当にオウディスに着いた~」
「3人でも問題なく転移できたね」
「でも、皆より先に着いちゃったし、冒険者ギルドに報告に行こうか?」
「うん」
・・・・・・・あれ?
「マニカ?」
「何?」
「もう転移は終わったから離れてね?」
マニカは私の胸に顔を埋めたまま離れてくれなかった。
「えええ~」
マニカは顔を左右に振って、嫌々をして駄々を捏ねた。(甘えん坊さんだ)
「ちょ、ちょっと。 マニカ止めっ」
そこにリアの鉄拳がマニカの頭に落ちた。
ゴチンッ!
「やめなさい!」
「痛った~い!」
頭を摩りながらマニカが文句を言っていた。
「リアが酷いよ~」
「あんたが、いつまでもふざけているからでしょ?」
「ぶ~~~」
「さあ行くわよ」
私とリアは冒険者ギルドに向かって歩きだして、その後をマニカが文句を言いながらついて来た。
冒険者ギルドに着くと、私が声をかけるより先に、ビオラさんが私の方に走ってきた。
「ビオラさん、ただ今もどりまっ・・・」
私が言葉を言い切る前にビオラさんに捕まえられてしまった。
そしてリーニさんの時と同じ様に、私の顔を両手でガシッっと捕まえてジーっと眺めてきた。
「信じられない、本当にパーツ、パーツをよく見るとユヅキさんにそっくりだわ」
「ちょ、ビオラさん?」
「ユイちゃん。 どうしてユヅキさんの娘だって教えてくれなかったの?」
「ええええ、だって母の事を知っているなんて思わなかったですし」
「ふっふっふ、冗談よ」
やっと顔面拘束から解かれた。
「でも私も駄目ね、こんなに似ているのに教えてもらうまで気づかなかったなんて」
「そんな事、ないと思いますけど? 私みたいな子は何処にでもいますしね」
「え?」
「ん? 何?」
三人がジト目で私を見てる?
「私、普通ですよね?」
「そうね、見た目は普通に可愛い女の子ね。見た目は」
「え? 私は中身も可愛い女の子ですよ?」
「ねえ、マニカ? リアも何か言ってよ~」
その瞬間、ギルド内がざわついた。
「リアとマニカだって!」
「バカっ! 大きな声を出すな!」
「あの二人が**『武神』と『闘神』**なのか?」
「気をつけろ、見た目に騙されるなよ?」
「超狂暴だからな?」
リアとマニカはジロっとギルド内を睨みつけた。
ギロリ。
すると、男達はいっせいに冒険者ギルドから逃げ出してしまった。
「酷いよね? マニカもリアも可愛い女の子なのに」
その後、私はルーネであった事を別室で報告した。
また、リーネさん達は明日到着する予定だから、お昼過ぎにもう一度ギルドへ来て欲しいと言われた。
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