92話 哀れなオーガ王と、偽物疑惑
オーガ王の剣を受け止めたその少女は、涼しい顔でこう言った。
「間に合った~、よかったよ~、ギリギリだったけど」
「リーニさん、大丈夫ですか?」
「え? もしかして……ユイちゃん?」
「そうですよ~、お久しぶりです!」
私が喋っている間も、オーガ王から攻撃をされているけど、私の盾の前には何の脅威も感じ無いね?
ガキンッ! ガキンッ!って音がするだけで、 全て簡単に弾き返せているし。
「とりあえず、これ倒しちゃいますね?」
「え? そんな簡単に言うけど、それはオーガの王よ?」
「はい、知っています。こいつの魔石が欲しいから、倒しちゃいます」
私は腰から**「ミスリルの剣」**を抜いて一振りすると、オーガ王の巨大な剣が斬れ落ちた。
ズバッ!
「ギャオオッ!?」
思ったより柔らかいね。
でも本気の一撃を入れるよ?
私は最近気づいた事があった。
この剣には魔法をのせる事が出きたのだ。
そして魔法をのせた剣擊は桁違いに強力だった。
私は剣に**「光魔法」**をのせて、数回剣を振るった。
勝手に加速された剣擊は、凄まじい音とともにオーガ王を細切れに刻んだ。
ズババババババッ!!!
皆が茫然と私を見る中、気にせずに戦利品を回収した。
「やった~、魔石ゲット!」
「うわ~、綺麗~、これは宝玉?」
「後は、これは何かな? 魔王鉱石の塊?」
うわ~、お宝がいっぱいだ~!
「……ユイちゃん?」
「あ、ごめんなさい。戦利品はわけないといけませんよね?」
「いや、それはいいから」
「え? そうですか? じゃあ、もらっておきます」
二匹目のレアオーガを倒して、マニカとリア達は私の所に走ってきた。
「マニカ、リア、久しぶりね」
「ユイ~!!」
二人は私に抱きついてきた。
「ん?」
マニカは私をジッと見ている。
「どうしたの? マニカ?」
「違う! このユイは偽物だ!」
「「え!?」」
「えええ? 私は本物よ!?」
「ユイはこんなに大きくなかった!」
そう言って私の胸を指さした。
「マニカはバカね~、こんなの上げ底に決まっているでしょう?」
そう言ってリアは私の胸を鷲づかみしてきた。
「ちょっ! リアっ!」
今度はリアが茫然として、 「・・本物だった」と呟いた。
「このユイは偽物だ!」
「だから私は本物です!」 (成長期なんです!)
「あ~、じゃれているところ悪いが……オーガの軍が来たぞ?」
カインさんの声で振り返ると、地平線を埋め尽くすほどのオーガ軍が迫っていた。
「どうする?」
「陣形を保ったまま脱出できるか?」
「ああ、大丈夫です。でもゼイナスさんはもう少しこっちに来てください」
「どうするの?」
「今、私の足元に**『結界の魔道具(認識阻害)』**を発動させているので、オーガ達は私達に気づかず通り過ぎていきますよ」
「そんな強力な結界を張っているの?」
「はい」
しばらくじっとしていると、オーガの軍は私達を避けて、まるで川の流れのように過ぎ去って行く。
「なんて強力な結界だ……」
「本当に、全く私達に気づいていないね」
「これがあれば諜報活動がやりたい放題だね?」
そんな活用法は想定してなかったよ。
「リーニさん」
「どうしたの?」
「オーガ軍全体に範囲攻撃で止めをさしてください」
「え? いや、さすがにそれは無理よ? 私の魔力じゃ……」
「これを使ってください」
私は**「風属性強化の薬品(特製ドーピング薬)」**を渡した。
いつも読んでいただきありがとうございます。
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まだ未定ですが、活動報告に予定を記載しておきます。
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