77話 規格外の指導と、驚愕の素材
「うわ~~~~~~~!! 本当に本物の素材だわ!!」
「これを使って修行しますね?」
「いや、いや、いや、待って? これだけで王都の一等地に豪邸が立つよね? 無理よ? 私、ユイちゃんに一生返せない借金を持つ事になっちゃうわ!」
「お金はいりません。 失敗してもかまいません。 私がミナさんに何かを要求することは無いですから」
「で、でも、さすがに・・」
「これでも私が持ってる素材の一部ですから気にしないでください。それともそれを証明するために、この部屋いっぱいに素材を出しましょうか?」
「わかった、わかったから止めて! そんなの見たら怖くて気絶しちゃうわ!」
「そうですか? まあいいか。 ではさっそく錬成しましょう」
私の目の前には錬金術の為の魔道具が並んでいる。
もちろん全てミナさんの私物だけど。
「お、おねがいします」
「ミナさん? ハイマナポーションの製作手順はわかりますよね?」
「それはもちろん、ちゃんと調べているよ?」
「では先ず、一切アドバイスしないので作ってみて下さい」
「え? 教えてくれるんじゃ?」
「先ずは一度作って失敗しましょう。そこから1つずつ傾向と対策を考えましょう」
「・・・失敗前提?」
「そです。その方がわかりやすいので」
「わかったわ」
ミナはスキルを使用し、慎重にハイマナポーションの素材を錬成し始めた。
その作業は1つづつ正確で確実な動きだった。
うん、正確で迷いの無い綺麗な動きだね。
本来ならそれで完成するんだけど・・・ダメだろうね。
ミナが錬成を初めて約10分後、最後の工程を終えた直後に白い煙が発生し、調合した液体は真っ黒になった。
「ああああああ……」
ミナは失敗した事を理解し、その場にヘタリこんだ。
「ご、ごめんね・・・」
「いえ、大丈夫ですよ。結果は予想通りでしたけど、ミナさんの技術は予想以上に上手かったです。これなら数日でモノに出来そうです」
「え? あ、ありがとう? でも予想通りの失敗と言われると悔しいわ・・・」
「大丈夫ですよ? 失敗した理由は技術的なものではありませんから」
「そ、そうなの?」
「はい、それを説明する前に一度手本を見せますね」
「わかった。しっかり見て勉強させてもらうわね」
「はい」
ユイはミナと場所を入れ替わって準備を始めた。
「それでは始めますね」
「お願いします」
私は錬金スキルを**【使わずに】**通常の工程で錬成を始めた。
そして、作業を始めて約3分後、最後の工程を終えた直後に白い光が一瞬輝いた。
目の前に置いてあるガラスの容器の中には、ピンク色の透き通った液体が完成していた。
「綺麗〜! こんな綺麗な薬品見た事ないわ!」
「これがハイマナポーションです」
「やっぱり凄いわね、ユイちゃん。 さすがレベル5だわ!」
「え? あ、そうか、そう言えば・・・」
ミナはユイの反応に首を傾げた。
「え? レベル5は嘘だった? でもこの完成度を見ると嘘とは思えないのだけど?」
ユイは少し考えてからミナに答えた。
「ミナさんには教えておきますね? 今の私の生産系のスキルは全てレベル7です」
「・・・・・・・・はい?」
ミナは思考回路が混線したかのように、ユイの言葉が理解できなかった。
「・・ごめんなさい? ちょっと不思議な言葉が聞こえちやって?」
「えーっと、わ・た・し・は、錬金術のスキルもレベル7です!」
「・・・・えっと、冗談だよね? 私を驚かせようと? した? だけ? よね?」
「違います。あ〜 もう、ちょっと待って下さい」
私は目の前に素材をいくつか取り出した。
ミナはその素材が何かわかったが、頭の中でだけ叫び声をあげた。
(いや、いや、いや、いや、いや、ありえない! ありえないよ?
超レアな素材が数種類!? こんなの王族だって持って無いよね?)
ユイは何か言いたそうなミナに気づいたが、気づかないフリをした。
そして、錬金術のスキルを**【使って】**一瞬で錬成し完成させた。
ピカーッ!
ミナは更に思考が固まり頭の周りに「???」が付いた状態になった。
今まで目の前にあった超レアな素材達が、ユイがスキル?を使った瞬間に綺麗な瓶に変わった。
そしてその中には光り輝く液体が入っていた。
「これが私の本来のスキルです。
イメージしたものを物質化し望む物を作りあげます。
今回作ったのはレベル7で作れる様になった**『スーパーエリクサー(万能薬)』**です。
これを飲めば呪いや毒、病気などの状態異常が全て一瞬で治りHPとMPが全回復します。
あ、はい、どうぞ手に取って確認してください」
私がスーパーエリクサーを手渡した瞬間、ミナさんは**「ヒィッ!」**と叫んで気絶してしまった。
私は椅子から倒れかけたミナさんを慌てて抱きとめた。
そしてそのままベッドまで担いで横に寝かせた。
・・・・私は悪くないよね? これは事故だよね?
確かにちょっと驚かせようとは思ったけど、驚き過ぎて気絶するなんて思わないよね?
だから私は悪くない。よね?
読んでいただきありがとうございます。
基本は一週間ごとに更新するつもりです。
ただ状況によってはきりのいい所まで連発で投げるかもです。
また今後の展開について。R15に収まるように調整はしていますが、残酷な描写や、少しHな描写が入ってきます。この事を不快に思ったり、苦手な方はここで閉じていただき、続きを読むのは控えてください。
最後に投稿へのモチベーションを維持する為にも、コメントや評価、ブックマークをして頂けると執筆を続ける励みになりますので、どうぞよろしくお願いします。




