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戦極結承 ◇◇ ~バッドエンドへ向かう少女の物語~  作者: 空斬しゅう


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74話 番外編Ⅴ ~錬金術師ミナ:茨の道の始まり4~

その日の夜、久しぶりに夢を見た。

無邪気で幼かった頃の私。 あの頃の私は素直にキーゴに好きだと伝えていた。

あの頃は屈託なく笑い合っていた。 その光景を思い出した所で私は目が覚めた。


そして思い出した。 いや、思い出してしまった。


私が錬金術を極めようとした理由を。


この世界はスキルにしろ、魔法にしろ、レベルが低くても持っているだけで周囲からは羨ましがられる貴重な存在だ。

それがあるだけで、生活基準が変わるし、大きな街に行っても仕事が見つけられる。

そんな中で私の家族は奇跡的に全員スキルを持っていたから、将来を有望視されていた。


またキーゴの家族は母親と妹が魔法の適正があった為、父親は農家をしていたが、家庭の収入の殆どは母親が稼いでいた。

そして魔法の適性がある妹だけが溺愛された。

そんな家庭環境で育ったキーゴは成長するにつれて自分を卑下するようになった。


幼い頃は大人になったら結婚しようね?と言いあっていたのに、いつの日か自分は稼ぐ手段がないからミナを幸せに出来ないと言うようになった。

そんな事が続いて、私はキーゴに言ったんだった。


『私が錬金術を極めてバンバン稼ぐから、お金の心配なんてしなくていいの! キーゴは私のそばにいてくれたら良いの! そばで支えてくれたらいいの! 私は女性で初めてレベル4の錬金術士になるの! いい? わかった?』



私はキーゴにそう宣言してから、錬金術にこだわる様になっていったんだった。

いつの間にか、錬金術が自分の人生の全てだと思う様になった。

そしてその事しか見えなくなって……本当の目的を忘れてしまった。



「私、いったい何やってるんだろう・・・」



後悔しても、もう戻れない事はわかっている。

けど、涙が止まらなかった。 涙に声をつまらせながら私は泣き続けた。


数時間後、手続きを終らせた私はミリルナの町を出た。

本当は3日後に出発の予定だったけど、ここに居続けるのが辛くなって予定を早めた。


泣いて泣いて、これからの事を考えた私は目標をしっかり立てる事にした。

幼い頃の目標だった**「錬金術レベル4」**を目指す事に。

今、全てを投げ出してしまったら、後悔しか残らないと思った。

だから形に残る結果が欲しかった。

そしてマルルナの町には予定通り寄ってから、オウディスの街に向かうことにした。


マルルナの町には着いたのは、丁度昼過ぎだった。 ゆっくりと昼食をとってから、ウルナさんのお店に向かった。

さすがに今日も留守って事は無いよね?

そう思いながら、お店に入るとティカが私を見つけて走って来た。



「ミナ〜! 久しぶり!」


「ティカも元気そうだね?」


「うん、元気だよ。えっと師匠だよね?」


「うん、お会い出来るかな?」


「大丈夫。 ミナの事は私が話していたから。それに今は1番暇な時間だから。ほら、店内に誰もいないでしょ?」


「そうだよね。この時間は1番ゆっくり出来る時間だよね」



そして、私はティカに案内されて隣の控室に入った。 その部屋の奥を見ると、以前は一つだったベッドが2つになっていた。(ティカ用が増えたのね)

手前のテーブルでウルナさんはお茶を飲んでいた。



「始めまして、ミナと言います。現在はレベル3の錬金術士です」


「え!? ミナ、もうレベル上がったの?」


「うん、レベルが上がった事はまだ誰にも言ってないんだけどね」


「凄いねミナは。私はあれから毎日客をとって素材集めをしてるけど、全然上がらないんだ」


「仕方ないよ、私は運がよかっただけだから・・・(ユイちゃんのおかげ)」



その後、ウルナさんから店の運営の仕方とか、色々と話を聞く事が出来た。


「やっぱり買い取りは午前中に終わらせるんですね」


「そうよ? 嫌な事はさっさと終わらせたいの私は」


「え? 毎回ガッツリと買い取りしてるって聞いてたんですが、嫌いなんですか?」


「好きじゃないわよ? 面倒くさいし。仕事の為の行為よ、それ以外ないわ」


「えっと、どれぐらいの頻度で何件受けるんですか?」


「特に予定がなければ毎日よ? 私は1日10件って決めてるから、それ以外は無いわ」


「じゅ!? 10件?? え、あの、買い取りの話ですよね? その、、毎日10人?」


「ええ、そうよ?」


「私はまだそこまで身体がもたないから、毎日5人で固定なの」


「5人!? ティカも毎日5人としてるの?」


「うん」


「うそ・・・」


「ミナは?」


「私は1日3人が限界」


「うん。大した事ないよ? 二時間なにか考え事をしてれば良いだけだし?」


「・・・でも、何度も何度もされたら疲れない?」


「私、その感覚がわからないの」


「えええ!?」



その後、オウディスに移り住んだ私は、ウルナさんのやり方をマネて営業するようになった。

最初は先着3人の買取りから初めて、慣れたら人を増やして行った。 最終的に営業開始してから半年後には、ウルナさんと同じく毎日10人固定で稼ぐようになった。


ただ残念ながら、これほど大きな街でもレベル4の素材の持ち込みは一度も無かった。


そしてあの日、私の店にユイちゃんが現れた。

読んでいただきありがとうございます。

基本は一週間ごとに更新するつもりです。

ただ状況によってはきりのいい所まで連発で投げるかもです。


また今後の展開について。R15に収まるように調整はしていますが、残酷な描写や、少しHな描写が入ってきます。この事を不快に思ったり、苦手な方はここで閉じていただき、続きを読むのは控えてください。


最後に投稿へのモチベーションを維持する為にも、コメントや評価、ブックマークをして頂けると執筆を続ける励みになりますので、どうぞよろしくお願いします。

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