71話 番外編Ⅴ ~錬金術師ミナ:茨の道の始まり~
私の名前はミナ、15歳。 レベルは1だけど、錬金術のスキルを持っている。
私のおじいちゃんも錬金術士でレベルが2だけど、それだけでやっていける程の収入がある。
私も錬金術士を目指したいのだけど、両親はもとより、おじいちゃんも私が錬金術士になる事に反対をしていた。
反対をする明確な理由は教えてくれなかったけど、「女には無理だ」「大変だから絶対に成功しない」の一点張りだった。
だから私は、近くの山のふもとに生えている薬草を自分で取って来ては、スキルを使って錬成の練習を繰り返していた。
ただこの薬草では、錬金術の「練習」にはなるけど、どれだけ作ってもスキルが上がらない低レベルな物だとわかっていた。
レベルを上げる為には山の中腹まで行かないと採取できないし、素材としては普及している物だからそこまで値段はしないけど、私には買えなかった。
だけど今後のためになると思い、ふもとの薬草を採取しては持って帰って練習の日々を過ごしていた。
そんなある日。 いつもの様に採取した薬草を袋に入れて町に戻っている途中で、若い男が私に話しかけてきた。
「いつも、その薬草を採取してるけど……君は錬金術士なのかい?」
「・・そうですが、スキルを持っているだけです」
「だろうね。その薬草だとスキルが上がらないって知ってる?」
「知ってます。でも練習には丁度良いんです」
「それだけ毎日練習してるなら、次に進んだらどうだ?」
「・・・・」
「もしかして、この先の素材を使う事を親に止められている?」
「!!!」
な、なんでわかったの?
「やっぱりな。錬金術は女の子には絶対にさせたくないからな、親は特に」
「・・どうして」
男は私を舐めまわすように見た後に、提案をしてきた。
「俺がその袋と同じ量の薬草を、山の中腹から採って来てやろうか?」
「え!?」
私は驚いて男の顔を凝視した。
「報酬は、そうだな。 俺と一日デートしてくれ」
「デートですか?」
「ああ。でも、その意味わかるよな?」
「!!」
ああ、でもまあ、そうでしょうね。
男なんて女の体だけが目的だろうし。
私は男の顔をじっくり見た。 言ってる事はゲスだけど、まあイケメンなのがせめてもの救いね。
それに取引としては悪くない。この袋と同じ量の薬草がもらえるなら、私の方が得をするぐらいだしね。
うん、私も代償を払わなければ得られる物が無いって事だよね。
「・・わかった」
「え! マジ!?」
「ちゃんと薬草をくれるなら。 それと取引については秘密にしてくれるなら」
「わかった! 絶対に守るよ! じゃあ、明日の朝、君がいつも採取に出かける時間にここで待ち合わせでいいか?」
「うん」
「よっしゃー! じゃあ、さっそく採取して来るぜ! じゃあな!」
男はそう言って、山の方へ走っていった。
今日はもう何もする気が無くなったから、家に帰る事にした。
何もする気が起きずに部屋でボーっとしてると、キーゴがやってきた。
「珍しいな、ミナがこんな時間から部屋にこもっているなんて」
「別にいいでしょう。そんな気分じゃないの」
「ふーん」
それからしばらくは会話もせずに、時間だけが過ぎて行った。
読んでいただきありがとうございます。
基本は一週間ごとに更新するつもりです。
ただ状況によってはきりのいい所まで連発で投げるかもです。
また今後の展開について。R15に収まるように調整はしていますが、残酷な描写や、少しHな描写が入ってきます。この事を不快に思ったり、苦手な方はここで閉じていただき、続きを読むのは控えてください。
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