65話 ビオラの信者
私は街に入る前に、服装は黄色のワンピースに白のカーディガンに着替えて、剣もアイテム袋に入れた。 王都ほどではないけど、オウディスの街も結構大きいね。
1泊して北の森へ行くつもりだったけど、ちょっと観光してから出発しようかな?
まあ、取り合えず冒険者ギルドだね。
オウディスに寄って行くって言ったら、ビオラさんが手紙? を用意してくれたから受付で渡さないとね。
中央街道を歩いていたらギルドは直ぐに見つかった。
相変わらず、むさい男ばっかりだったけど視線を無視して受付に直行した。
「あの~、すみません」
「はい、依頼の受付ですか?」
「いえ、これを渡す様に言われたので」
受付嬢に手紙を渡した。
「何でしょうか? 拝見しますね」
「え? ええ?」
受付嬢は手紙と私を交互に見ながら驚きの声をあげていた。
ビオラさん、いったい何を書いたのよ?
「ユイさん、ではこちらにお越しください」
私は個室へ案内された。
「すぐに戻りますので、しばらくお待ちください」
本当に物の数分で、さっきの受付嬢は戻ってきたけど……筋肉ムキムキのおっさん(ギルマス)を連れてきた。
これってきっと、あれだよね? 王都のデジャヴ。
「お待たせしました。ギルマス、こちらがユイさんです」
「ああ、わかった」
やっぱりギルマスか。冒険者ギルドのマスターって筋肉ムキムキのおっさんしかいないの?
「はじめまして、冒険者のユイです」
「私はこの街の冒険者ギルドのマスターのデュディミュニテイルだ」
は? 何? 今、名前は何て言ったの? 呪文?
「ギルマスの名前は言いにくいですから気にしなくていいですよ?」
え? 私、そんなに顔に出てた?
「私はここの受付嬢をしている椿です」
「はい、よろしくお願いします」
「後、私はビオラさんに手紙を渡す様に言われただけなので、内容を全く知らないのですが?」
「はい、大まかに言いますと、この手紙にはビオラさんからの**『指令』**が3つ書いてありました」
「また、王都の商業、冒険者の両方のギルマスのサインも入っていました」
「ビオラさんからの命令は……」
ユイさんをこの街の転移魔法陣まで案内してあげる事。
この街の図書館の制限を全解除してあげる事。
オーガを討伐したいので、最新の情報を全て教えてあげる事。
「この3つになります」
は? 命令?
「何か、ごめんなさい」
「いえ、大丈夫です。私もビオラさんのお手伝いが出来ると思うと嬉しいので」
「でもビオラさんって普通の受付嬢ですよね? そんなに有名なの?」
「!! 何を言っているんですか?」
「ビオラさんは全受付嬢の憧れの存在なのです。神です。女神です」
目が輝いている。
この後、永遠にビオラさんの良い所や武勇伝を聞くはめになってしまった。
「こら、椿。いいかげんにしろ」
「はっ! ごめんなさい、つい」
「いえ、ありがとうございます」
うん、今後は受付嬢にビオラさんの話を振るのはやめておこう。宗教勧誘みたいになる。
「では、話を戻します。 先の二つの件については、私が処理できるのですが……オーガに関しては機密事項が含まれる案件があったため、ギルマスに来てもらいました」
「ああ、私から話そう」
「まず、オーガについてだが、昔から北の山脈の山奥にオーガがいるが、遭遇したり街側まで降りてくる奴は年に1匹程度だった」
「しかし、最近は頻繁にオーガとの遭遇が報告されていたのだ」
「冒険者ギルドとしても調査部隊を出していたのだが……帰って来なかった」
「そして先日、この街の騎士団から斥候部隊が派遣されたのだが全滅したそうだ」
「後方部隊が持ち帰った情報によると、オーガの軍が見つかって、更に**『王』**と思われる個体もいたそうだ」
「もしかして、この街に向かってきているの?」
「いや、そこまでは、まだわからん」
「ただ、かなり南下して来ているのは事実だ」
「オーガの強さはどれぐらいですか?」
「オーガ1匹でAランクPTの依頼だ。BランクPT以下だと最低でも10名以上で対応する事になる」
「王については、どれぐらいの強さか見当もつかない」
「そうですか、もしチャンスがあれば王を倒してもいいですか?」
「その魔石が欲しいのです」
「……は?」
「いや、偶然に王だけ遭遇してチャンスがあれば?」
「ああ、問題ない(倒せるならな)」
「今はどの辺りにいるかわかっているのですか?」
ギルマスは地図を取り出して指をさした。
「この辺りだ」
確かにまだ遠いけど、思ってた以上に南下しているね。
「わかりました。ありがとうございます」
「オーガに関しては以上だ。今後最新の情報があればギルドに来た時に伝える事にしよう」
「ありがとうございます」
「図書館についてはこちらから連絡を入れておきますので、明日以降でお願いします」
「図書館でギルドカードを提示してもらえれば全制限解除するように手配をしておきますので」
「わかりました、ありがとうがございます」
「じゃあ、今から転移魔法陣のところへ案内しますね」
私はギルマスにお礼を言って、ギルドを後にした。
読んでいただきありがとうございます。
基本は一週間ごとに更新するつもりです。
ただ状況によってはきりのいい所まで連発で投げるかもです。
また今後の展開について。R15に収まるように調整はしていますが、残酷な描写や、少しHな描写が入ってきます。この事を不快に思ったり、苦手な方はここで閉じていただき、続きを読むのは控えてください。
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