213話 リアの制裁と、ギルド到着
「あったぁぁ!! 食べ物発見〜!」
突然、マニカが猛ダッシュで駆け出した。
「ちょっ、マニカ!? 待ちなさい!」
私達が慌てて追いかけると、そこには一軒の屋台が。
追いついたときには、すでにマニカは口いっぱいに何かを頬張っていた。
「ふぼ、ふぼしっ……かおぉうお、」
「何て言ってるか1ミリも分かんない」
「口に物を入れたまま喋るな!」
リアの冷たいツッコミと共に、マニカの脳天に鉄拳が落ちた。
ごすっ、と鈍い音が響く。
「もがっ……! あ、熱い、熱いってばリア! でも美味しいよこれ!」
どうやら肉の串焼きらしい。いい匂いが漂ってくる。
「私達もここで買って食べちゃおう。もうレストラン探す体力ないし」
「賛成。背に腹はかえられないわ」
屋台で買った串焼きを手に、私達は適当な広場のベンチはなかったので、手近な石垣に腰を下ろして食べた。
「はぁ〜生き返る。やっぱり肉だね」
「今日はちょっと暑いし、スタミナつけないと」
マニカはそう言うと、むくりと立ち上がった。
そして何を思ったか、自分のスカートの裾を両手で持ち上げ、パタパタと上下に扇ぎ始めたのだ。
「あち〜。風通し最高〜」
「ちょ、マニカ!? 何やってんの! 丸見えだよ!?」
「え? 周りに誰もいないし大丈夫だって〜。ほら、パタパタパタ〜」
「誰もいないからいいとか、そういう問題じゃないからね? レディとしての自覚を持ってね?」
私が慌てて止めに入っていると、いつの間にか広場に人がチラホラと増えてきていた。
というか。
さっきから視線を感じる。
それも、「うわぁ、可愛い服だな」っていう純粋な視線じゃなくて、もっとこう、ジトっとした、下衆な感じの視線。
そんな事を思っていると、突然リアが、無言で立ち上がった
私が「あ、これはマズいかも」と思った瞬間。
リアはそのままスゥーっと、茂みの方へ歩いて行ったかと思うと。
『グシャッ!』
『ぎゃああぁぁ!?』
『ボカッ! ベキッ! ズドォォン!』
凄まじい打撃音と、男たちの絶叫が広場にこだました。
「ねえ、リアが茂みの向こうで男たちをシバき倒してるんだけど。止めたほうがいい?」
「ん〜。気にしなくていいよ。いつものことだから」
マニカは串焼きの最後の一切れをパクつきながら、平然と言ってのけた。
「いつものことって放置していいの、これ?」
「あ、もう終わったみたいだし」
見ると、無表情なリアが戻ってきた。
その背後の茂みからは、ピクリとも動かない男たちの足だけが突き出している。
よし、見なかったことにしよう。うん、それが一番だね。
お腹を満たし、不審者(?)の掃除も済ませた私達は、再び冒険者ギルドを目指して歩き出した。
やっぱり裏側からのルートは遠かったけど、観光気分でお喋りしながら歩けば、そこまで苦にはならない。
「着いたぁ。ここがクーラの冒険者ギルドかぁ。結構デカいね」
目の前に現れたのは、ミリルナのそれとは比較にならないほど巨大な石造りの建物だった。
「じゃあ、入ろうか」
「私は外で待ってるわ」
リアがボソッと言う。
「私も。また中で暴れたら『出禁にするぞ』って怒られそうだし、リアと一緒にここで待ってるよ」
マニカまで肩をすくめて居残りを宣言した。
「そんなの気にしなくていいのに。今回は私がついてるんだから、なんとかなるって」
「まあ、手続き関係はユイ達に任せるわ。外で変な奴が寄ってこないように見張っておくから」
リアが「見張る」って言うと、それ、文字通りの意味での『掃除』になりそうなんだけど大丈夫?
「もう、分かったよ。でも、外でも暴れたらダメだからね? 約束だよ?」
「わかってるわよ」
「そんなことしないよ〜。私は平和主義だもん」
マニカの「平和主義」ほど信用できない言葉もないけど、仕方ない。
リアとマニカを入り口に残し、私とブルーナ達の4人でギルドの重い扉を押し開けた
いつも読んでいただきありがとうございます。
私事で大変申し訳ありませんが、今後の投稿(更新)間隔に関する予定を活動報告に記載しておきます。
また今後の展開について。R15に収まるように調整はしていますが、残酷な描写や、少しHな描写が入ってきます。この事を不快に思ったり、苦手な方はここで閉じていただき、続きを読むのは控えてください。
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