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戦極結承 ◇◇ ~バッドエンドへ向かう少女の物語~  作者: 空斬しゅう


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211/215

211話 クーラの街と、危険なお揃いコーデ

「見えて来たよ〜。あれがクーラの街だよね? 思っていたより全然デカいじゃん!」



揺れる馬車の窓から身を乗り出すと、地平線の向こうに巨大な石造りの壁が見えてきた。

ナルイラののどかな風景も好きだけど、やっぱりこういう「THE・主要都市」って感じの景色を見ると、冒険者としての血が騒ぐよね?



「まあ、国の最西端にある主要拠点だからね。防衛も兼ねてるし、気合が入った造りになってるんだよ」



御者席で手綱を握るブルーナが、教えてくれる。

へぇ、防衛か。



「そうなんだ。もしかして隣国が攻めて来る可能性とかあるわけ? 防衛ラインの最前線的な?」



もしそうなら、この先ちょっと身の危険を感じるんですけど。他国が「攻めてくる」って、マジでシャレにならないレベルでしょ。



「あはは、それはないよ。隣国のプリキド王国とはめちゃくちゃ仲良しで、いわゆる友好国だから」


「なんだ、じゃあ安心だね」


「むしろ関係がギスギスしてるのは北西側のニュクス王国の方だけど、あそこは直接国境を接してるわけじゃないし。心配しなくて大丈夫だよ」



なるほど。まあ、戦争が起きるとかじゃなさそうだし安心かな、平和が一番だよね。



「とりあえず先に冒険者ギルドに行こうか。登録とか諸々済ませちゃいたいし」


「うん、賛成!」



と、その前に。

私はニヤリと笑って、アイテム袋から「アレ」を取り出した。



「じゃじゃーん! 皆のためにお揃いの服を作ってきました〜! 今回はデザインも色も全部一緒。統一感、大事でしょ?」



みんな同じ、白と黒を基調にした超絶可愛い最新コーデ。

これを着て街に入れば、注目の的間違いなし!



「「ありがと〜」」


・・あれ? 若干2名の顔が引きつってる気がするんだけど。私の気のせい?



「どうしたの? せっかく可愛いの作ったのに」


「いや、お揃いは、その、嬉しいのだけど」



メティナが遠慮がちに、でもどこか必死な顔で口を開く。



「私達エルフは、なんていうか、あんなに短いスカートを履く習慣がなくて・・」


「え〜。メティナもテミスも、脚が細くて超綺麗なんだから全然大丈夫だよ。むしろ見せなきゃ損じゃん!」


「あ、いえ、そういう問題じゃなくて、その、物理的な丈が・・」



そんなに気にする?



「今回のスカート、股下6センチくらいはあるよ? そこまで短くないって」


「そうなの? なら、大丈夫なのかな?」



半信半疑なエルフ組に、私は有無を言わさず服を配った。

今回の服は、全て「例の新作の生地」をふんだんに使った自信作。


白のキャミソールに、白フリル付きの黒ベスト。

お腹のあたりに並んだボタンがアクセント。

そしてメインの黒プリーツスカートは、なんと二重構造! 内側は例の最新生地で、外側には同色のチュールを重ねてふんわり感を演出してみた。


どう? これ、アイドルの衣装っぽくない?



「よし、全員着替え完了!」



馬車のカーテンを閉めて、ワチャワチャと着替えを終えた一同。

うん、やっぱり完璧だね。みんな似合いすぎ。

上下とも二重にしてるから、そこまで透け感はないはずなんだけど。


・・ん?

よく見たら、うっすら色が分かっちゃうね、これ。

私は薄いピンク。ブルーナはパステルイエロー。マニカは謎の紫。リアは黒。


そして。


「・・・」


メティナとテミスは、純白。

うん、白が一番目立つ。っていうか、黒地の下に白って、一番コントラストついちゃうやつじゃん。



「可愛いね〜」


「色まで全部一緒なのは初めてだし、なんかテンション上がる」


「ね〜。パーティーって感じするよね」



ブルーナやマニカがはしゃいでる中、私達は馬車を降りようとしたんだけど。



「ま、ま、待ってぇぇ〜〜!!」



メティナが半泣きで叫んだ。



「どうしたの? メティナ。急に大声出して」


「ユ、ユイ! これ、これ、透けてる! 完全に透けてるから!!」


「そうだよユイ! これは、その、流石に恥ずかしすぎるよ」



テミスまでもが顔を真っ赤にしてスカートの裾を必死に押さえている。

えー、そんなに?



「これくらいなら、ファッションの範囲内っていうか、一種の透け感コーデ的な?」


「大丈夫じゃないよ〜! 私達エルフ族は、獣人族みたいに裸に近い格好で歩く習慣はないのよ!」



なんか今、さらっと獣人族に失礼な事を言ってる気がするけど。

あ、でも確かにルゥは、休みの日になるとほぼビキニみたいな格好でウロウロしてたし、否定はできないか。



「でもさ、よく見ないと分からないよ?」


「分かるわよ! っていうか、私達のが一番目立ってる気がするんだけど!?」



「うん、それはね。黒の生地に「白」だからだよ」



リアみたいに黒なら、全然目立たないのに。



「あ」



エルフ二人が顔を見合わせる。



「じゃあ、着替えるからちょっと待ってて」


「私も、別の色にするわ」


「え? 二人とも色付きなんて持ってたっけ? 前に染色してあげた時、『下着は白でいい』って頑なに拒否したの誰だっけー?」


「「うっ、、、」」



ですよね〜。

エルフって妙なところで保守的だよね。



「分かった分かった。じゃあ、今からそのまま、黒に染めちゃおっか?」


「うん、お願い」


「任せて」



私はさっそく染色スキルを立ち上げ、二人の「白」をサクッと「黒」に染め上げた。

ふぅ、これで「黒オン黒」だからもう心配ナシ!



「これなら大丈夫かな?」


「うん。これなら、言われないと気付かないかも」


「でしょ? もう大丈夫だって。さ、行こ!」


「は〜い!」



ようやく一悶着終えて、私達はクーラの街の門へと足を踏み入れた。

いつも読んでいただきありがとうございます。

私事で大変申し訳ありませんが、今後の投稿(更新)間隔に関する予定を活動報告に記載しておきます。


また今後の展開について。R15に収まるように調整はしていますが、残酷な描写や、少しHな描写が入ってきます。この事を不快に思ったり、苦手な方はここで閉じていただき、続きを読むのは控えてください。


最後に投稿へのモチベーションを維持する為にも、コメントや評価、ブックマークをして頂けると執筆を続ける励みになりますので、どうぞよろしくお願いします。

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