206話 祖父母との再会
初日早々、チョットしたトラブルはあったけど、私達は目的地へ向けて出発した。
そして予定通り? 旅の間はサラ達が交代でテミスとメティナに魔法の修練をさせていた。
まあ、私も馬車に乗っている時に魔法の修行をするとは思わなかったね。
でも、私の妖精達は嬉しそうに二人に指導していた。
馬車に揺られて数日後、ついにナルイラの町が見えて来た。
「はあ・・」
私はカバンからダークグリーンのロングマントを取り出してフードを目深にかぶった。
それを見て、なぜか皆が私をジト目で見つめた。
「・・・・」
「・・ユイ?」
「何?」
「町でいったい何をやらかしたの?」
「っ!?」
「な、な、何もしてないよ?」
「じゃあ何でそんなに動揺するのよ?」
「してないもん」
私は明後日の方向を向いて動揺を隠した。
「・・まあ、別にいいけど」
「ユイの事だから男関係って事は無いと思う」
「そうだよね」
「わかった! 何か壊してしまって、隠したけどバレてないか心配なんじゃない?」
「・・それはマニカだけでしょ?」
「ぶ~」
「まあ、でも大失敗して恥ずかしいから誰にも会いたくないとか?」
「あ~、ユイならありえそう」
「もう、私の事はいいから・・」
「わかった! おねしょして恥ずかしいから町を出た?」
「するかーー!!」
私はグーでマニカの頭をグリグリした。
「痛い、痛い、痛いって。ごめん、ごめん。もう言わないから~」
「ユイの事だから、見られたく無い事をシテたのを見られて恥ずかしいから町を出たとか?」
「それはいくら何でもいい過ぎだよ~」
「そんなしょうもない理由な訳ないよ」
ちょ、こっちを見ないで? 冷や汗だらだらで知らないふりをした。 (・・・鋭い。鋭すぎるよリア)
「・・・・・・・」
「・・・ユイ?」
「ち、違う。 違うから!」
「はあ・・・」
「うん、察しました」
「何やってるのよ、ユイ」
ちょ、皆で哀れむような目で私を見ないで。
「ほ、ほら、町が見えたよ。大自然の中にある、ド田舎にようこそ~」
私は馬車の中から、御車当番のテミスに指示をしながら馬車を走らせた。
そして、しばらくすると懐かしい家が見えて来た。
元気にしてるかな? おじいちゃん、おばあちゃん。
家の前に馬車を停めて全員が降りたのを確認してからカバンに戻して、馬を納屋の横の柱に括り付けた。
ふう~、何か緊張する。 意を決して扉を開けた。
「ただいま~」
「近くを通ったから顔を見せに来たよ~」
老夫婦は驚いた顔で私を見た。
「「 ユイ!! 」」
足腰が悪いハズなのに、私の方に走って来た。
「おばあちゃん、走ると危な・・」
私が言い切る前にギュッと抱きしめられた。
「ユイ! この子は本当に! 出て行くときは声ぐらいかけなさい!」
「どれだけ心配したと思っているの?」
そう言って、おばあちゃんは泣いてしまった。
「じゃが、無事でよかった。本当によかった」
おじいちゃんも泣きながら私を抱きしめた。
「ごめんなさい。 おじいちゃん。おばあちゃん。ごめんなさい」
しばらく泣きながら三人で抱き合った。
「ごめんなさいね、お友達を放置したままだったね。ささ、入って入って」
「おじゃまします」
その後、友達を紹介したり、旅の目的を話した。
「狭い家じゃが二階を片付けるから泊っていきなさい」
えっ、直ぐに出る予定なんだけど。
「ありがとうございます。でも、私達は宿屋に泊まります。短い間だけど家族水入らずで過ごして下さい」
「ユイもゆっくり過ごすんだよ? 明日の朝に迎えに来るから」
「うん、わかった。 ありがとう」
そしてブルーナ達は宿屋に移動をして、私は夜遅くまでおばあちゃん達と話し込んだ。
翌日、ブルーナ達が迎えに来た。
「じゃあ、行って来るね」
「ユイ、気をつけてね」
「うん、大丈夫」
「ユイをよろしく頼みます」
「はい、まかせて下さい」
「いつでもいいから、また帰っておいでよ」
「うん、わかった」
おばあちゃん達には転移魔法陣が使える事を話しておいた。
ナルイラの転移魔法陣も使える様になったからいつでも帰って来れるからね。
通り過ぎる予定だったけど、立ち寄って良かったよ。あんなに喜んでもらえたんだから。
うん、また近いうちに帰って来よう。
おばあちゃん達は私達の馬車が見えなくなるまで見送ってくれた。
いつも読んでいただきありがとうございます。
私事で大変申し訳ありませんが、今後の投稿(更新)間隔に関する予定を活動報告に記載しておきます。
また今後の展開について。R15に収まるように調整はしていますが、残酷な描写や、少しHな描写が入ってきます。この事を不快に思ったり、苦手な方はここで閉じていただき、続きを読むのは控えてください。
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