184話 勘違いの10年契約
「じゃあ、最後に奴隷の契約をするから隣の部屋に移動するね」
「うん」
私達と奴隷の女の子5人は別室に向かった。
その部屋には魔法使い?のおばあちゃんが1人いて、そばに黒い輝きを放つ魔道具が置いてあった。
「こんにちわ、よろしくお願いします」
お婆さんは、私をチラっと見て頷いた。
「お嬢様、いつも通りの契約でよろしかったでしょうか?」
「う~ん、ちょっと待ってね」
「ユイ~、契約内容はこの前、話した通りでいいかな?」
「ああ、うん。 でも、期間は10年でいいと思うんだけど」
「「「 えっ!? 」」」
「・・・そんな」
「うう、、」
「・・仕方ないね」
え? 何? どう言う事? 奴隷の子達まで暗い表情になっちゃった?
解放される期間が短くなって嬉しくない?
え? 何で?
「あ~、双方、勘違いをしているね。 私はユイの性格がわかっているから意図する所は正確にわかったけど」
「え? どういう事なの?」
「前にも言ったけど、一般的な奴隷との契約年数は30年なの。普通にしていれば契約通りの年数で奴隷から解放されるけど」
「失敗が多かったりすると年数が伸びたりするし、ましてや犯罪なんかを犯せば即処分される」
「優秀でよく貢献していると契約年数が短くなったりはするけど、それでも20年を切る事はないよ」
「10年にしちゃうとヤル気が出ずに、ちゃんと働かないって事なの?」
「もちろん、それもあるよ。 でも、この子達が暗い顔になったのは違う理由だよ」
「今のは主に住みこみ等で働いてもらう契約ね」
「大きく分けると、それ以外に男性なら戦闘員専属、女性なら性奴隷専属の契約があるのだけど、こちらは10年契約がほとんどなの」
「だけど、契約期間の10年をこえて解放される人はほどんどいないから」
「え? 何で?」
「どちらにも共通して言える事は体がもたないって事。契約期間が短いって事は酷使されるって事だし、それに内容が内容だからね?」
「戦闘員は、あきらかに相手の方が強くても引くことは許されないから、結果的に死ぬ事が多いし、性奴隷は数年で精神を壊して自殺しちゃう子がほとんどだから」
「・・・酷い話だね」
「うん、だからそういう内容が含まれた契約だと思っているんじゃないかな? 奴隷に拒否なんて出来ないし」
「え?」
「・・・・・・」
私は自分の発言と、教えてもらった内容を照らし合わせた。
「あ! 違う!! 違うよ?」
私は慌てて奴隷の子達に、あわあわしながら説明した。
「私はあなた達を酷使しようなんて思って無いし、ましてや性奴隷として働かすなんて絶対しないよ?」
「10年でも私達の為に、あなた達の時間をくれるのなら、その後は自由に生きてもらいたいって思ったの」
「10年後なら、まだ年齢は20代だから恋だってできるだろうし、家庭を持って幸せな普通の生活を取り戻せる期間だって思ったから」
「それに契約期間終了後に次の職が見つかるか不安なら、その後はお給金をだすから、そのまま家で働いてくれてもいいし、突然放り出したりしないよ?」
なぜか室内がシーンとした。
「えっと・・・」
何よ、この沈黙は。
「うん、ユイらしいね」
「ふっふっふ、そうね」
「究極のお人好しね」
「聖女様・・」 お婆さんはポロっと、そう呟いた。
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また今後の展開について。R15に収まるように調整はしていますが、残酷な描写や、少しHな描写が入ってきます。この事を不快に思ったり、苦手な方はここで閉じていただき、続きを読むのは控えてください。
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