178話 王城への道のり
今日は朝から皆、元気がない。
あ、違うね。ブルーナ以外は元気がない。
ついに来なくていい日が来てしまった。
今日は式典の為に王城に行って、国王様から有難いお言葉を頂く日。
そして、家の前には冒険者ギルドからお迎えの馬車が来ている。
「はあ、嫌だけど行こうか・・」
「うん」
「気が重いわ」
「早く終わらせて修行に行きたいよ」
「もう、皆、気にし過ぎよ? 式典なんてニコニコと笑顔を振りまいて、適当に返事をしていたらいいだけだよ?」
「そんなスキルは持ち合わせていませんよ?」
「そうだよ、そんな事が出来るのはブルーナだけだよ」
「足が重い・・・」
「「はああ、、」」
でも、いつまでも馬車を待たせているわけにはいかないから、全員で馬車に乗り込んだ。
ギルドには既にリーニさん達も別の馬車で到着していた。
そして、私達が到着して直ぐに、王城へ向けて移動を開始した。
王城に到着した私達はギルマスとビオラさんが先導して、徒歩で目的地へ向かった。
門を越えて中庭を通り、お城の中を歩いている。
うわ~、うわ~、見るもの全てが新鮮だね。
式典は嫌だったけど、ここまでは最高の観光地だよ。
あの扉の材質は何だろう? この床の石は綺麗な色をしているけど、染色じゃなくて原石の色をそのまま使っているんだろうね。
すれ違う人が着ている服は私が染色した生地だね、でもあんなに上質な物もあったんだ。
「ふふふ、ユイちゃんは楽しそうね?」
「え? あ、ごめんなさい。キョロキョロしない方がいいですよね」
「別にかまわないわよ? でも何か凄く嬉しそうにしてたわね」
「本当ですよ」
「私は駄目です、緊張して吐きそう」
「え? テミス、大丈夫?」
「何とか頑張る」
「メティナも顔色が悪いよ?」
「私も頑張るよ」
「でもユイはさすがね?」
「 本当、緊張の欠片も見当たらないね」
「何か一人だけ目を輝かせているよね?」
「ユイ? 都会に出てきた直後の田舎の子みたいだよ?」
「え? 酷っ。 でも、いいもん。どうせ、ど田舎出身だし。 都会っ子じゃありませんから、私」
「でも、さすが王城だね。 これは個人の位置を把握する結界ですか?」
「「「 えっ!? 」」」
「結界?」
「え? どこから?」
「私は気づかなかったよ・・・」
「ユイちゃん、よく気づいたわね」
「私が一番、研究に時間をかけた魔法が結界だったから、微妙な魔力の流れや、場の肌触りがわかるようになったの。それに本に載っていたモノは全て試したから、魔法の種類が感覚的にわかるんだ」
「試したからって、普通はわからないよ?」
「うん、その前に全て試すなんて無理だよね」
「これを才能って言うのね」
「やっぱりユイは天才だよね」
「伊達に魔法全てがLv7じゃないよね?」
「えっ!?」
「ん?」
「あっ、そうか・・」
「何、何? どうしたの?」
「あ、もしかしてLv8になった属性があるの?」
「え? いや、そうじゃないんだけど・・」
「じゃあ、まさか全部Lv8になったとか?」
「う~ん、ちょっと違う」
「ほらほら、皆、ユイちゃんが困っているからそこまでよ?」
「は~い、ごめんなさい」
「あ、別にいいですよ? ただ、さっきのLv7って言われた時に思い出したのだけど」
「ヴァントス盗賊団とか店主が持っていた私の情報が古いままだったな~って思って」
「じゃあ、やっぱりLv8になってるって事?」
「ううん、違うよ。 私は今、六属性魔法全てがLv9なの」
「「「 ええええええええ? 」」」
「ユイ? Lv9?」
「うん」
「凄っ」
「何をすれば、そんな簡単に上がるのよ?」
「私も上がったタイミングがわからないの」
「最近はあまりステータスを見なかったから・・」
「ただ思い当たる節は2っあるの」
「1っは、四大精霊を習得した時。」
「もう1っは、触媒無しで魔法を発動した時」
「多分、この二っがレベルの上がった条件だと思うんだけど」
「どっちも私には無理です」
「うん、長い時間を生きて来たエルフ族でも無理だよね」
「はあ、ユイの行動はいつも予想の遥か上を行くよね?」
「やっぱりユイちゃんは、誰も到達できなかったランクSSSになるのは間違いないわね」
こんな感じでワイワイと話しながら歩いていると皆の緊張も解れたみたいで、いつの間にか目的の部屋に着いた。
いつも読んでいただきありがとうございます。
今後の投稿(更新)間隔に関する予定を活動報告に記載しておきます。
また今後の展開について。R15に収まるように調整はしていますが、残酷な描写や、少しHな描写が入ってきます。この事を不快に思ったり、苦手な方はここで閉じていただき、続きを読むのは控えてください。
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