163話 毒蛾との死闘
翌朝、まだ太陽が昇りかけの時間から、私は討伐の為に家を出た。
服装は紺色のジャージの上下に運動靴、白色のキャップ帽子の完全武装(?)
「じゃあ、行って来るね」
「うん、気を付けてね」
「大丈夫だよ、昼過ぎには帰ってこれると思うから」
「は~い」
ブルーナには写真の事だけを隠して依頼内容や詳細を話しておいた。
ただ、今回は毒を使って来る敵なのでブルーナには待っていてもらう様に伝えた。
指定された集合場所から4台の馬車にわかれて現地に向かった。
私が乗ったのは一番小さな馬車だったけど女性は私一人だったので同乗者は誰もいないから気が楽だ。 残り3台の馬車には計15人の冒険者と案内人がそれぞれ1人ずつ乗っている。
ちなみに、場所が秘匿な為、この馬車には窓が無い。
片道、2時間ほどの距離なので、それぐらいは我慢するしかないね。
今回の討伐作戦は私が単独で蛾のボスを相手にする。
ボスの周辺には雑魚の蛾が数匹いるから、それを他の冒険者達が引きはがして離れた所で戦闘をする。 私も、出来るだけお花畑からボスを引きはがして倒してと言われた。
また、お花畑の被害を最小限に抑えたいから、火と風魔法は極力使わないで欲しいと依頼された。
まあ、それぐらいなら問題無いから了承していた。
それはそうと、あの店長は確かにスキルを使って私のステータスを覗いたんだろうけど、今の私のステータスは覗けなかったんだね。
昔のステータスの情報だし。
まあ、これを機に放置したままだった偽装スキルを起動しステータスの情報を整理しなおした。
Lvが上がって偽装範囲も増えていたし、見られたくないものはしっかり隠しておいた。
まだかな? そろそろ2時間たつと思うんだけど。
正直な話、私は危険感知の地図をずっと見ていたから進んでいる方向やある程度の場所はわかってしまった。
ここは、王都から北西に向かって進んだ森林の中だね。
まあ、面倒クサイから言わないけど。
しばらくして馬車が停まって降りる様に促された。
「ここはからは徒歩で行きます」
「後10分程で現地に到着しますので、油断にしない様にお願いします」
案内人が先頭に歩く事10分、やっと現場に到着した。
案内人から再度、討伐について説明がされて作戦開始となった。
私だけボスの後ろに回り込んで、極力魔力を抑えたウォーターボールをボスに放った。
これは、ボスを傷つけると毒の体液が飛び散り、周辺の花を腐らせてしまうから、ボスの敵対心を私に向けさせる事だけを狙った攻撃だった。
「さあ、こっちにおいで?」
もう1発、同じくウォーターボールをボスに放った。
予定通りボスは私が釣って離れた場所に移動をし、残りの雑魚は他の冒険者が上手に引きはがしていた。
「さあ、サクっと倒しちゃおう」
氷魔法は見られたくないから使うのをやめて、魔力を込めた石弾を放った。
ブンッ!
「ん? 避けられた?」
もう一度、石弾を撃ったけどやっぱり当たらなかった。
避けたって言うより、私が外した?
エイムマジックを使おうか迷ったけど今は止めておいた。
私はウォーターアローの弾幕を撃ったけど、風のシールドで防がれたり避けられたりして1発も当たらなかった。
この蛾、思ったより強い?
魔法に制限をかけながらは難しいかな?
すると、蛾は私に向かって毒の霧を放ってきた。
でも、私には効かないからそれは無視をして、今度は石弾の弾幕を撃った。
やっぱりそれも避けたり防がれたりして当たらなかった。
しばらく私と蛾の攻防は続いたけど、お互いに決定打がないままだった。
う~ん、剣で倒そうかな? でも、あれもあんまり見られたくないしね。
私は、チラっと他のPTを見た。
ありゃ、2PTは既に雑魚を倒し終わって、こちらを見学していた。
もう1PTも雑魚を倒しきる所だった。
私が先だと思ったのに最後になっちゃったよ・・・
どうしよう、危険感知の地図を見たけど、やっぱり私が最後だった。 ・・・・・ん?
あ! やられた。 そう言う事か!
私が地図で見ている蛾の場所と、実際に目で見ている場所にズレがあった。
これは幻術? いや違うね。 光の屈折魔法を使って自分の位置をずらして相手に見せているのかな?
私は地図で位置を確認しながら石弾を撃った。
ドスッ!
おお正解だ。 私の撃った石弾は蛾の足を一本破壊していた。
まあ、攻略がわかったから、これで終りね。
すると、今度は蛾が羽をはばたかせて鱗粉が周囲に舞った。
だから私に毒は効かないってわからないのかな?
私は気にせずに蛾がいるであろう場所に向かって石弾の弾幕を放った。
これで終わったと思ったら予想外の事が起こった。
意図していないところで、私の魔法がキャンセル?されてしまった。
「え? 何?」
私は慌てて距離をとった。
何? 何をされた? その原因は直ぐにわかった。
少し移動しようとしたら一瞬体が固まって動かなかった。
私は慌てて自分のステータスを確認したら、**「麻痺」**攻撃を喰らっていた。
ヤバイ、麻痺を解除する薬品は持っていないし、魔法で解除しようとしたら恐らく7秒ほどかかる。
迷いながらも、安全マージンを十分にとって攻防を続けた結果、私は冷静さを取り戻した。
私の麻痺耐性が効いているから10秒に一度、一瞬だけ魔法や行動が阻害され動きが止まってしまう程度とわかった。
だから、次に阻害されて復帰した瞬間に全力で弾幕を叩き込めば、動きを阻害されることなく倒しきれると確信した。
そして私はそれを実行した。
「ふ~、よかった倒しきれた」
私の前には蛾のボスが倒れていた。
これは私が貰っても大丈夫だよね?
そう思いながらもしっかりと蛾と戦利品をまとめてカバンに収納した。
いつも読んでいただきありがとうございます。
私事で大変申し訳ありませんが、今後の投稿(更新)間隔に関する予定を活動報告に記載しておきます。
また今後の展開について。R15に収まるように調整はしていますが、残酷な描写や、少しHな描写が入ってきます。この事を不快に思ったり、苦手な方はここで閉じていただき、続きを読むのは控えてください。
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