149話 笑顔の理由と、旅立ちの決意
あのブルーナからは想像もできないね。
はあ、どんな顔をして会えばいいのよ?
今、目の前にブルーナが居たら、私泣いちゃうよ?
うん、でも私は決心したよ。 ブルーナは連れて行く。
そういえば前に見た『特性:無感情Lv2』は、きっとこれだったんだ。
私はブルーナの部屋の前で立ち止まった。
はあ、どうしよう。 ブルーナを直視出来ないかも。
どうしようって何度も考え込んでいると、部屋の中から声がした。
「ユイ? どうしたの?」
ふう、仕方が無いから出来る限り平静を装っておこう。
私は意を決して部屋に戻った。
「ちょっと、ロスさんから明日の事で話があったんだけど・・・」
ブルーナはジッと私を見て来た。
「ブ、ブルーナ?」
するとブルーナは少し困った顔をしてため息をついた。
「そっか、お父さん。 私の事を話したんだね?」
「!!!」
「えっと、その・・」
「ユイ?」
「はい」
「もう~、泣かないでよ~」
「だって・・」
やっぱり駄目だった。ブルーナの顔を見ると涙が止まらなかった。
しばらく私が落ち着くのを待ってからブルーナが話し出した。
「夢も希望も、生きている理由さえわからなかった。ただ過ぎて行くだけの日常だったけど、あの日、ユイに出会ってから世界が変わった」
「颯爽と助けに現れたユイ。確かに服装も鮮やかだったけど、それ以上に気配や仕草、表情等、全てが色鮮やかに見えて、私の心を照らしてくれた」
「一緒にいると、心にかかっていた靄が晴れていくのがわかった。こんな感覚は初めての事だった」
「私は昔から特殊な感覚を持っている。私に対して向けられている感情が何となくわかる?って感じかな」
「だからユイと初めて会った時の衝撃が忘れられないよ。ただ純粋に私を心配していて、その想いは温かく気持ちのいい感覚だった」
「あの出来事以来、初めて安心してぐっすり眠る事もできた」
「それ以来、本当に過去を振り返らなくなった。前を見て歩ける様になった。今の私ならあんな事、些細な事だって本気で言えるよ? だから大丈夫! 心配無用よ?」
「うん、わかった。 ブルーナは強いね」
「そうでしょう? 今の私のメンタルはオリハルコンより硬いんだから」
「そっか、無理はしていないのね? 本当に大丈夫なのね?」
「大丈夫だよ? ちゃんと検査を受けた結果、妊娠はしていなかったし、変な病気ももらってなかったから。それに、私を犯した奴らは全員捕まって極刑にされているからね」
「え? ブルーナ? 私はそんな事、一言も聞いてませんよ?」
も~、何を言っているのよ。
でもブルーナは満面の笑みで笑っている。
うん、私もその笑顔を信じるよ。
翌日、元気にいつもの笑顔のブルーナが目の前にいた。
「おはよ~」
「おはよう」
「はあ~、またしばらく会えないんだね」
「え?」
「えっ?」
私とブルーナは同時に首を傾げた。
「あ~、言うのを忘れてたかも」
「何?」
「ブルーナを貰いました」
「はい。 ・・・え?」
「私の冒険の旅にブルーナをあげる、ってロスさんに言われたから貰いました」
「え? 冒険? 私? 私が一緒に行ってもいいの?」
「うん、よろしくね」
ブルーナは私に突進してきて抱き着いた。
「ありがと~! ユイ、大好き!」
私はブルーナを抱きしめて頭を撫ぜてあげた。
いつも読んでいただきありがとうございます。
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また今後の展開について。R15に収まるように調整はしていますが、残酷な描写や、少しHな描写が入ってきます。この事を不快に思ったり、苦手な方はここで閉じていただき、続きを読むのは控えてください。
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