146話 エルフ族の絶滅危機と、異種族の事情
それから2週間後、ついにブルーナも召喚魔法を使える様になった。
下位精霊のノームだったけど、ブルーナは大喜びだった。
まあ、下位精霊でも人族の魔法使いより強力だからね。
「しかし、この世代は優秀じゃの~、ここに来た全員が召喚魔法を取得できるとはのう」
「そういえば、ここ100年で3人って言ってましたけど、後の二人も召喚魔法を習得したって事ですよね?」
「ああ、とても優秀な二人だった。エルフ族で100年ぶりの子供じゃ。しかも二人も」
ん?
「エルフ族は子供がいないのですか?」
「そうじゃの、いないの。 子供なんて数百年に1人生まれるかどうかじゃからな」
「・・・エルフの夫婦間でって話ですよね?」
「いや、エルフ族全体の話じゃ」
「それは、いくら長寿だからと言っても種の絶滅を危惧しませんか?」
「危惧しておるぞ? 昔からな。 しかしどうにもならん」
「どうしてですか?」
「当たり前の話だが、人族とは身体も考え方も全く違うからじゃ。 特にエルフの男はな」
ヘスティアさんは、少し困った顔をして私を見つめた。
「お主には少し早いかもしれんが、大人の話をしてやろう」
「・・はい?」
「野卑な話ではなく、学術的な話として、どうすれば子供を授かれるかわかるか?」
顔を真っ赤にした私は、危うく声に出そうになった単語を飲み込んで、冷静に正確に落ち着いて返答した。
「月経周期に排卵された卵子に運よく精子が着床すると妊娠して約10か月で出産です」
よし、完璧! あっちの単語を声に出さなくてよかった。
「ほう、よく理解しておる。 それは確かに人族の事で間違いない」
「え?」
「まずエルフは1年~1年半に一度しか排卵をしない」
「えっ・・」
「そして卵子の寿命は人族の半分と言われておる」
「それは・・」
「後、一番の問題が男じゃ。 エルフの男どもは子を成す為の行為を忌み嫌う」
「え!?」
「それをサルにも劣る行為だと思っておるのだろう」
「・・・(硬派すぎる!)」
「故に夫婦であっても、その為の行為は多くても年に2,3回あれば良い方じゃろう」
「・・・それで出来たら奇跡ですね」
「じゃろう?」
「はい。 でも、じゃあ、やっぱり? その二人って、メティナとテミスですか?」
「なんじゃ? 二人を知っているのか?」
「うん、友達です。 そっか~、二人とも頑張っているんだね」
二人は奇跡の子供だったんだね?
「ちなみに、エルフの女性は子供が欲しいとは思わないのですか?」
「思うぞ? ほぼ全ての女性は子が欲しいと思っているぞ?」
「え? そうなんですか?」
「ああ、だからどうしても子供が欲しい者は里を離れて人族と結婚する」
「いわゆるハーフエルフってやつですね?」
「ああ。 だから今は、純粋なエルフよりもハーフエルフの方が圧倒的に多いのはそれが理由じゃ」
「でも何で人族なんです? 他の種族ではダメなんですか?」
「ダメだの。 ドワーフや獣人族、その他の種族全般に言える事は、同じような価値観を持っておる。 エルフの男程酷くはないがの」
「え? 人族以外の男は硬派集団なの!?」
「それに引き換え、人族の男は・・・」
「あ、はい。 言わなくてもわかります(猿ですね)」
何か、ごめんなさいです。はい。
「ああ。 だが、一番凄いのは獣人のネコ科だぞ?」
「どうしてですか?」
「ネコ科の女は他種族の男と同じように行為を忌み嫌う。だが、発情し子が欲しいと思えば意図的に排卵が出来て100%妊娠できるのじゃ」
「それに一度に4,5人産むし、妊娠から出産までは全種族で最短の3か月じゃ。その気になれば年に3、4回出産できる。昔、100人の子供がいる女を見た事があるぞ?」
いや、それは本当に色々と凄すぎだよ。
いつも読んでいただきありがとうございます。
私事で大変申し訳ありませんが、今後の投稿(更新)間隔に関する予定を活動報告に記載しておきます。
また今後の展開について。R15に収まるように調整はしていますが、残酷な描写や、少しHな描写が入ってきます。この事を不快に思ったり、苦手な方はここで閉じていただき、続きを読むのは控えてください。
最後に投稿へのモチベーションを維持する為にも、コメントや評価、ブックマークをして頂けると執筆を続ける励みになりますので、どうぞよろしくお願いします。




