137話 ゴーストタウンの老婆
「おはよう、ブルーナ」
「おはよ~」
「今日の予定は何かあるの?」
「う~ん、特に決めてないのだけど、ブラブラと観光でもしておこうかな?」
「そっか~」
「でもユイと一緒ならどこでもいいけどね」
「ん? ブルーナ? 今日も一緒に行けるの?」
「うん、商人の勉強とか習い事は殆んど終わったからね。ユイが滞在している間は、特に何もしなくてもいいって言われたから」
「じゃあ、一緒にお出かけできるの?」
「うん」
「ユイはどこか行きたい所は無いの?」
「行きたい所か~、う~ん……あ、そうだ。この街の付近だって聞いたのだけど、**『ベデンド村』**ってどこにあるか知ってる?」
「この街から南東に馬で半日の所にあった村だよ? そこに行ってみたいな~」
「今はゴーストタウンだよ?」
「そうなの?」
「うん、それに色々と怪奇現象が起きるみたいで、怖がって最近は誰も近づかないよ?」
「私、そう言うのは大丈夫だから」
「じゃあ、私も一緒に行くね?」
「でも、どうしてそんな所に行きたいの?」
「私に魔法を教えてくれた人が、妖精の召喚魔法を使ったんだけど、その村で習得したって言ってたから」
「そうなんだ」
「あ、もしかして怪奇現象って」
「うん、多分妖精のいたずらじゃないかな? 私は召喚魔法を使えないから一度試してみたくて」
「そっか、でもユイならすぐに習得出来そうだね」
私達は朝食を食べてからベデンド村に向かった。
ロスさんが用意してくれた馬に乗って移動だよ~。
「ブルーナは馬も乗れるんだね」
「うん、初めて馬に乗る練習をした時から先生に上手だって褒められたよ」
「凄いね、やっぱりブルーナは多才だね。 私は馬に乗れる様になったのは最近だし、まだ上手には乗れないよ」
「大丈夫だよ、この子達はとても賢いから」
「うん、でもあんまり飛ばさないでね?」
「はーい」
しばらくして、街道から外れて道なき道を走りだした。
「こんな所を走るの?」
「うん、ベデンド村まで繋がった道は無いから、この地図だけが頼りだよ」
「私はブルーナだけが頼りだよ」
「うん、任せて」
地図とコンパスを見ながら迷いなく進んで行くブルーナは本当に凄いよ。
これは、私だけだったら間違いなく辿り着いていないね。
本当、ブルーナは何でも出来て多才だよね。
ロスさんに聞いたら勉強や習い事も、普通はあと5年程かかる行程なのに、ブルーナは優秀な成績で全部終わってしまったらしい。 最近、やっていたのは復習ばかりなんだって。
道の無い森の中を走り出して数時間後、やっと目的の場所にたどり着いた。
「うわ~、本当に廃墟だね」
「うん、でもこんな所に妖精なんているのかな?」
「どうなんだろね? もういないのかな?」
「取り敢えず、村の中に入ってみよう」
「うん」
私達は手を繋いで、村の中へ入って行った。
ゾワッ!
ん!? 足を踏み入れた瞬間に寒気がした?
「ブルーナ?」
「ん? 何?」
「今、何か変な感じがしなかった?」
「特に何も無かったよ?」
「そう?」
「うん」
「でも念のために私の手を離しちゃだめだよ?」
「はーい」
さっきの感覚は何かの結界内に入ったのかな? 油断しないようにしないとね。
一応、危険感知のマップを立ち上げてみた。
「え?」
「どうしたの?」
「あ、いや。人の気配がしたから」
適当に言葉を濁して、私はもう一度マップを確認した。
危険感知が反応した感覚は無かったのに、マップには1つ反応が出ている。
私は細心の注意をはらって、反応が表示されている場所まで進んだ。
しばらく進むと目の前に、周りとは違う綺麗な建物があった。
「今にも崩れ落ちそうな建物だね?」
ん?
「そう? 結構綺麗だと思うけど?」
「まあ、一度中を確認してみよう」
「うん」
マップにはまだ、反応は表示されたままだから、警戒しながら私達は建物の中に入って行った。
「また、人が来るとは珍しいのう?」
「!!!」
「誰!?」
「これはまた異なことを言う。ここは妾の家じゃぞ? 勝手に入って来たのはお主らじゃろう?」
声のした方を目を凝らして見てみた。
「え? エルフ?」
「老婆?」
ちょ、ブルーナ? いくらエルフだからって、それは失礼だよ?
「ほう……」
「勝手に入って来てごめんなさい。廃墟だと思っていたので。私は冒険者のユイです」
「私はブルーナです。お婆さんは、ここで暮らしているのですか?」
「ブルーナ、お婆さんはダメだよ?」
「え?」
「いくらエルフでも若いかも知れないし?」
「え? エルフ?」
「ん?」
「なるほど、妾の結界が効かないのは、やはりそっちの娘か」
エルフの女性はそう言って指をパチンッと鳴らした。 パチンッ!
「あっ」
ブルーナは驚いてエルフを見た。(幻術が解けた?)
「本当にエルフだ……失礼しました」
ブルーナはそう言って頭を下げた。
いつも読んでいただきありがとうございます。
私事で大変申し訳ありませんが、今後の投稿(更新)間隔に関する予定を活動報告に記載しておきます。
また今後の展開について。R15に収まるように調整はしていますが、残酷な描写や、少しHな描写が入ってきます。この事を不快に思ったり、苦手な方はここで閉じていただき、続きを読むのは控えてください。
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