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戦極結承 ◇◇ ~バッドエンドへ向かう少女の物語~  作者: 空斬しゅう


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134/190

134話 英雄の帰還と、拗ねたお嬢様

クシオスまでの馬車の旅は順調、順調。

特に問題も無く、賢い私の馬は勝手に進んでくれるし、結界のお陰で夜は熟睡できるからね。

だから、私はジャージを着て一日中、馬車でゴロゴロしていた。


王都を出て数日後、ついにクシオスの街が見えて来た。

でも、もう夕方だから今日は宿をかりて、明日の朝からブルーナに会いに行こうかな。


私はクシオスの街に入って馬車を預けてから歩いて宿屋を探した。

でも、何か周りがざわざわしているのに気が付いた。

ん? 何だろう? 私は耳をすませると、聞きたく無かった言葉が聞こえてきた。



「聖女さまだ」


「英雄だ」


「聖女様がお帰りになられたぞ」


「英雄が帰って来たぞ!」



ああああ、しまった。

この町でジャージは駄目だった~! すっかり忘れていたよ。

私は見つけた宿屋に慌てて駆け込んだ。


翌日、私はジャージを止めてパステルイエローの膝丈ワンピースに着替えた。

これで大丈夫なはず?


うん、大丈夫だった。

英雄だの聖女だの言われる事は無く、無事にロスさんの邸に到着した。

そして、警備の人に声をかけるとあっさり邸内に通されて、ロスさんやブルーナがいる部屋まで案内された。

この扉の向こうにブルーナがいるのね?

ふっふっふ、喜んで抱き着いてくる姿が想像できるね?

私はノックをして部屋に入った。



「お久しぶりです、約束通り戻ってきました」


「ユイさんお久しぶりです。 わざわざ、ありがとうございます」


「ブルーナ、ただいま!」



あれ? ブルーナが仁王立ちして怒ってる? 何で?



「ブルーナ?」


「おーい?」


「ブルーナ?」



え? なんで? どういう事?



「ああ、ユイさん、ブルーナは昨日ユイさんが街に帰って来たのを聞いたのに、直ぐに来てくれなかったから拗ねているのですよ」


「え? だって夕方だったし、お邪魔するには遅い時間だって思ったからだよ?」


「時間なんて関係ないの! 直ぐに会いにきて欲しかったの!」



ブルーナは、ほっぺを膨らまして怒っているけど、表情が可愛くて笑ってしまった。



「も~、怒っているのに笑わないで~」


「ごめん、ごめん、ブルーナが可愛かったから思わず微笑んだだけだよ?」


「今度からは時間に関係なく直ぐに来てね?」


「わかったから、もう怒らないで?」



すると、ブルーナは走ってきて私に抱き着いた。



「ユイ、おかえり」


「ただいま、ブルーナ」



私はブルーナの頭を撫でてあげた。

彼女は満面の笑みで嬉しそうだった。

よかった。機嫌は直ったみたいだね。



その後、ブルーナの家族と一緒に食事をして、ブルーナに誘われるまま出かける事になった。

しばらく歩いて、人気のない広場でブルーナが魔法の修業の成果を私に見せたいと言ってきた。



「じゃあ、私はここで見ているね」


「うん、ちゃんと見ててよ?」



ブルーナは詠唱をして、30m程離れた小さな的に向かってダークアローを放った。


シュッ! ドスッ!



「おお~、的の中心に当たったね」


「修業の成果はまだまだ、これからだよ」



一回ずつ詠唱は必要だけど10回放って、10回とも的の中心に当たっている。



「凄いじゃないブルーナ、大した命中率だよ」


「うん、ありがとう」


「でも、これじゃ不意打ちぐらいにしか使えないよ。ユイみたいに連続で撃ち続ける事が出来ないから」


「あ~、私を基準にしない方がいいと思うけどね」


「だから、私の出した答えは一撃必殺! それを目指す事にしたの」



ブルーナはそう言って、3倍程の時間をかけてダークアローの詠唱を行った。

いつも読んでいただきありがとうございます。

私事で大変申し訳ありませんが、今後の投稿(更新)間隔に関する予定を活動報告に記載しておきます。


また今後の展開について。R15に収まるように調整はしていますが、残酷な描写や、少しHな描写が入ってきます。この事を不快に思ったり、苦手な方はここで閉じていただき、続きを読むのは控えてください。


最後に投稿へのモチベーションを維持する為にも、コメントや評価、ブックマークをして頂けると執筆を続ける励みになりますので、どうぞよろしくお願いします。

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