130話 辞退と、昇格の儀
私達は王都に向けて出発した。
とは言っても、カインさんとゼイナスさんが馬で数日かけて王都に向かうだけで、私達は転移魔法陣で一瞬で飛ぶだけだけど。
(カインさん達、ごめんなさい。)
「では、飛びますのでリーニさん、私に抱き着いてください」
「わかったわ、これでいいのかしら?」
そういってリーニさんは普通に正面から抱き着いてきた。
柔らかい……お母さんの包容力だ。
「えっと、リア? マニカ? どうして、あなた達まで抱き着いているの?」
私の左右と後ろに、二人がガシッと張り付いてきた。
「さあ、ユイ。いつでもいいよ?」
「私も準備OKよ!」
「4人一緒に転移ってした事はないのだけど?」
「じゃあ、ユイの好きな実験ができるね?」
「いつでもいいよ~」
何かデジャブを感じたよ? シーネスに来た時もこんな感じだったよね。
まあ、いいか。 転移魔法陣の魔力が行き渡ったのを感じたので起動させた。
「フォルトゥナ王都」
シュワンッ!
光が収まると、そこは見慣れた王都の公園だった。
「本当に凄いわね~、一瞬で王都に帰ってこれるなんて」
「4人同時は初めてだったけど問題なかったね」
「うん、今度は5人に挑戦だね?」
「いや、いや、さすがに限界だよ? 私が押しつぶされちゃうよ」
「そうかな~」
「取り合えず、カインさん達が到着するまでの間の宿を探そう?」
「は~い」
「待って、ここには私の自宅があるから皆、泊っていって?」
「リーニさん、いいのですか?」
「もちろんよ。カインが帰ってくるまでは私一人だし、広いから使って頂戴。さあ行きましょう」
「それでは、お願いします」
その後、数日間はリーニさんの自宅でお世話になった。
とても立派なお家で、さすがAランク冒険者(の夫婦)の家だなって感心したよ。
後日、カインさん達がヘトヘトになって戻って来たので、合流してそのまま冒険者ギルドへ直行した。 ギルドでは別室(貴賓室)に案内されて、ギルマスやビオラさん、その他の幹部職員が数名待っていた。 そこで私達への感謝状や報奨金等の授与が行われた。
「それでは……本当に辞退していいのか?」
ギルマスは今日、何度目かの確認をしてきた。
「ええ、さすがに王城での式典の参加は遠慮させてもらいたいです」
「今後の事を考えると、顔を売っていた方がいいと思うが?」
「今の王族の事を考えると、顔を売った方が怖いですよ(トラブルの予感しかしない)」
「まあ、確かにそうかも知れんな……。わかった、式典は辞退で伝えておこう」
「ギルマス、ありがとうございます」
「それでは次に、ランク昇格の授与を行います」
空気が少し引き締まる。
「リーニさん」
「え? 私ですか?」
「今回のオーガ討伐数はリーニさんが一番多く、それを高く評価されました」
「え、でもあれは、ユイちゃんが先に大きなダメージを与えてくれたから私が止めをさせたのよ?」
「ええ、報告は受けているわ。でも、あの大魔法を制御して味方に被害を出さずに殲滅したのは、あなたの実力よ。貢献も大きいのよ? リーニ」
「わかりました。それでは有難くお受けします」
「それでは、魔術師リーニさんのランクがAからAAに昇格となります。おめでとうございます」
「リーニ、おめでとう!」
まわりから一斉に拍手がおこった。カインさんも嬉しそうだ。
いつも読んでいただきありがとうございます。
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また今後の展開について。R15に収まるように調整はしていますが、残酷な描写や、少しHな描写が入ってきます。この事を不快に思ったり、苦手な方はここで閉じていただき、続きを読むのは控えてください。
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