129話 氷上の舞姫と、伝説の記録!?
「はあ、ユイは周りを気にしなさすぎだな、もう少し警戒心を持つように言わないとダメか・・」
「にゅふ、ふふ・・」
マティルダはジト目でユイを見た。
「何の夢を見てるんだか。 おい、ユイ起きろ。ユイ」
「んん~、あれマティルダさん?」
「もう直ぐ出番だぞ?」
「・・・えっと?」
「こんな所でどれだけ熟睡してるんだ? もう少しで競技の出番だぞ?」
「競・・・あ! やっと出番ですか?」
「そろそろだ。 今のヤツが27番目だからな」
私は近くにあった時計を見た。
うわ~、開始から3時間半もたってるよ。
「今、クリアした人は何人ぐらいかわかりますか?」
「一人だけだ」
「一人!?」
「タイムは15分ぐらいだったかな?」
「15分?? 遅っ!」
「そうか? しかしユイも攻略の仕方を見ていた方がいいんじゃないか? 前のヤツが成功したやり方をマネして皆進めてるぞ? ほら、あの急な斜面も前のヤツがああやってクリアしたんだ」
マティルダさんに言われてソレを見たけど・・・
「・・何あれ?」
斜面の上側の淵に手をかけて、うんてい? けん垂? みたいにして進んでいる?
え? あれが攻略法だって言うの?
そこは走り抜ける事を想定しているよね?
腕の力で何とかわたり切った男は最後の木登りを始めた。
そして14分台でゴールして喜びを爆発させていた。
次の人は途中で落ちて失格。
私の前の人は12分台で暫定一位となった。
そして、や~っと私の番がまわって来た。
アイスリンク(偽)のスタート地点に移動し、**「アイススケートシューズ(着脱式)」**に履き替えた。
「え? 大丈夫ですかそれ? 立てますか?」
「大丈夫ですよ」
靴を履いた私は立ち上がって合図を待った。
「本当にそれでやるのですか? 危ないですよ?」
運営スタッフは私が履いたブレード付きの靴を見て本気で心配して来た。
「大丈夫です」
「そ、そうですか?」
スタッフは何とか納得?して下がってくれた。
そして準備OKの旗を振った。
「それでは始めます。 よーい」
ピイーーーーーーーーーーー!!
シャアアアッ!!
私は氷(偽)の上を勢いよく滑走した。
それを見て会場はどよめいた。
障害物はジャンプして、連続カーブも難なく曲がり、皆が苦戦していた2メートルの上り坂も、勢いを殺さずそのまま突っ込んで余裕で登り切った。
「「「 おおおおおおおおおお!! 」」」
「何あの子!?」
「凄っ!」
「おいおい、20秒もかからず氷エリアを突破したぞ?」
アイスリンク(偽)から出た私は、ブレードが付いた金具を外した。
カチャッ。
そして三枚の壁に向かってダッシュした。
一枚目の壁は手を付いてジャンプして越え、二枚目の壁は下の隙間に勢いよくスライディングで抜けて、最後の壁も軽く超えた。
水上エリアの杭と板は考える必要も無かった。
タタタタタッ!!
地上を走っているかのように迷いなく走り抜けた。
そして急斜面はバランスと力の方向を意識しながら、今日一番のダッシュをして抜けきった。
後は最後の木登り。
超余裕です!
シュバババッ!!
あっと言う間に登り切った私はゴールの印に触れた。
「スゲーーーー!!」
「なに、ナニ、何がどうなってるの?」
「ありえねーーーー!!」
「いったい何分でゴールしたんだ?」
会場からは今日一番の歓声が上がった。
「ただいまの、ユイさんの記録は……59秒です!!」
「やった~! 目標の1分切れた!」
そして再び会場は大歓声に包まれた。
その後の表彰式や商品・賞金の授与その他諸々に参加させられて解放された時には、既に夕方だった。 リア達のお土産は結局何も買えずに戻ったんだけど、二人は楽しそうに私の活躍(?)を聞いてくれた。 何はともあれ二人共、元気が戻ってよかったよ。
いつも読んでいただきありがとうございます。
私事で大変申し訳ありませんが、今後の投稿(更新)間隔に関する予定を活動報告に記載しておきます。
また今後の展開について。R15に収まるように調整はしていますが、残酷な描写や、少しHな描写が入ってきます。この事を不快に思ったり、苦手な方はここで閉じていただき、続きを読むのは控えてください。
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