128話 狂気の守護者、再び
「おい、あの子だろ? 予選をぶっちぎりの記録で優勝したのは」
「そうだな」
「ん? なんか寝てしまったぞ? でもあの子、変な服装してるけど可愛いよな?」
「・・そうだな」
「でも俺は惑わされないぜ? あの子、絶対胸がでかいぞ?」
「・・・・」
「服はダボダボだけど、胸のトップの位置と腰の細さを見ると巨乳だってわかるぜ!」
「・・・そんな所を見てるのはお前ぐらいだよ。さあ仕事するぞケリス」
「何言ってんだ? 俺達の仕事は選手の警備だろ? あの子も選手じゃないか!」
「あの子以外も選手はいる」
「そうだな、選手は一ヶ所に集まってるけどな?」
「・・・」
「はは~ん、さてはお前もあの子を狙っているな? だから俺を遠ざけようとしてるんだな?」
「違うわ!!」
「本当か? 何かさっきからお前、あの子に対する反応がおかしいぞ?」
「・・・あの子はダメだ。諦めろ」
「は? どう言う意味?」
「それは言えない」
「は~? 余計に意味がわからないぞ?」
「そう言えばお前、予選の終盤に血相変えて戻って来たよな? あの子と関係があるのか?」
「・・・・ノーコメント」
「おいおい、まさか告った?」
「違うわ!! あの子とは話した事も無いわ!」
「じゃあ、なんだよ」
「あの子に関わるな! 言えるのはそれだけだ(俺は死にたくない)」
「何だよソレ、まあいい、俺はあの子の寝顔を、、、、、うおおおおおおお!!」
「おいケリス! 競技中だぞ! 静かにしろ!」
「もう、そんな事どうでもいい! おい、見て見ろあの子! 暑かったのか? 恐らく無意識に自分で服のファスナーを下ろしたぞ!」
「・・・は?」
「ほら見ろ! それにやっぱりデカい!」
「!!!」
「まだ他の奴らは気づいてないけど、隣のヤツは気づいて横からガン見してるじゃねえか!」
「やばい、やばいぞ・・」
「警備の巡回をしているフリして、俺も横から覗いてくるぜ!」
「ダメだ!」
「な、なんだよ! 離せよ! こんなチャンス滅多にないだろ!」
「ダメだ! 本当にダメだ! 諦めろ!」
「何言って・・・ん? あっちで揉め事か?」
「ダメです! ここは選手のみの待合所だから立ち入り禁止です!」
スタッフの制止を無視して、一人の女性がズカズカと中に入って行った。
「マティルダさん! お願いですから、ここには入らないで下さい!」
スタッフが名前を呼んだ事によって周囲はざわつき始めた。
『マティルダ? マティルダだって?』
『何だよ? 何でマティルダがここに来るんだよ』
『まじか、誰か何かしたんじゃないのか?』
『怖ぇ~、頼むからこっちには来ないでくれ・・』
マティルダはユイの前に来て少ししゃがんだ。
そしてユイの服のファスナーを、無造作に上まで戻した。
ジーッ。
「はあ~、言ってる傍からまたやるか?」
ユイの隣に座っていた男は、マティルダに睨まれて震え上がった。
「お前、何か見たのか?」
「み、みみみみ、見てません!」
「そうか。ならもうユイの方は見るな! いいな?」
「は、はい!!」
その様子を警備の二人は遠目で見ていた。
「・・・・赤い狂気」
「ケリス! それを口にするな! 死ぬぞ?」
「あ、ああそうだな。 お前が言えない理由はアレだな?」
「そうだ」
「そうか賢明だな。 止めてくれてありがとう。 命拾いしたよ」
マティルダはぐっすり寝ているユイを見てため息をついた。
いつも読んでいただきありがとうございます。
私事で大変申し訳ありませんが、今後の投稿(更新)間隔に関する予定を活動報告に記載しておきます。
また今後の展開について。R15に収まるように調整はしていますが、残酷な描写や、少しHな描写が入ってきます。この事を不快に思ったり、苦手な方はここで閉じていただき、続きを読むのは控えてください。
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