118話 番外編VIII ~闘神リアの回想:壊れた心と、再生の光~
私はリア。
私が生まれ育った街には、良い思い出なんて何もない。
6人家族だけど、私は父親の愛人の子供。
母親が早くに亡くなった為に父が私を引き取る事になった。
だから家庭内で、私は完全に浮いた状態だった。
父親も私には話しかけて来ようとはしなかったけど、食事だけは3食をちゃんと食べさせて貰えてた。
その事だけには感謝をしている。
私の日課は家の手伝いが終わったら、マニカと一緒に体を鍛える事だった。
マニカは幼馴染で同い年だし、家庭から浮いている境遇も私とよく似ていた。
だから私達の目的は、体を鍛えて冒険者になって、二人でこの街を出る事だった。
でも練習用の武器なんて買うお金が無いから、戦闘訓練は格闘技だった。
その日もマニカと二人で訓練をしていたら、たまたま通りかかった冒険者の男が私達に声をかけてきた。
「こんにちは、俺はこの街のランクCの冒険者。名前はジベル」
「君たちは冒険者志望なのか?」
「ええ、そうよ?」
「それで私達に何か?」
「ああ、ごめん。君たちの組手を見て思わず声をかけちゃったよ」
「はあ?」
「君たちの動きは我流だね? でも、とても才能を感じる動きをしていたからさ」
「我流でも良い所は伸ばせばいい、でも駄目なところは修正した方がいい」
「そんな事、知識のない私達がわかるわけないでしょう?」
「だから声をかけたんじゃないか?」
「あなたに何のメリットもないじゃない? 私達は報酬なんて払えないから」
「有望な若者を見かけてそのままに出来なかったんだ、別に見返りなんて求めないからさ」
半信半疑だったけど、その日からほぼ毎日、彼はここに来て指導をしてくれるようになった。
事実、私達の実力は確実に上がっていった。
また色々な訓練をするなかで、私は剣の方が伸びると言われて初心者用の剣を買ってくれた。
他にもいっぱい冒険者として必要な知識や技術等、たくさんの事を学んだ。
それから2年がたって私達は13歳になった。
そして冒険者ギルドに登録した。
その時にも彼は色々と世話を焼いてくれ、お祝いもしてくれた。
それから数か月で、私とマニカはランクBの冒険者になった。
まだランクCだった彼は、その時期からぱたりと私達の前に姿を現さなくなった。
そんなある日、彼は突然私達の前に現れた。
「リア、今日の訓練は終わりかい?」
「ええ、終わりよ?」
「じゃあ、武器を使った型の確認をしてあげるから少し残ってくれるかな?」
「ええ、いいよ」
「リア~、私はお邪魔みたいだから先に帰ってるね~」
「は~い」
マニカは何か勘違いしているみたいで、先に帰ってしまった。
私には長すぎる剣を渡されて型の確認を始めた。
正直、私には重すぎるから腕が下がってしまう。
それを彼が指導するのだけど、今日はやけに私には密着して指導してきた。
最初は肩や腰に手を添えてただけだったけど、太ももの内側や胸の近くまで触ってくる様になった。
「ちょっと? 止めて!」
「ごめん、リアがあまりにも可愛くて」
私は彼を殴って離れようとした。
「なあ、リアいいだろ?」
「嫌よ」
「なあ、頼むよ? 今までで教えてきた報酬として、な? な?」
確かに彼のお陰で強くなれたし、優しくしてもらって人の心に触れたから感謝はしている。
彼の事が、好きか? 嫌いか? と問われたら、好きになるかもしれない。
でも、恋愛の対象として求められるなら考えるかもしれないけど、これはあきらかに体だけを求めている。
だから即答できなかった。
読んでいただきありがとうございます。
基本は一週間ごとに更新するつもりです。
ただ状況によってはきりのいい所まで連発で投げるかもです。
また今後の展開について。R15に収まるように調整はしていますが、残酷な描写や、少しHな描写が入ってきます。この事を不快に思ったり、苦手な方はここで閉じていただき、続きを読むのは控えてください。
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