116話 才能の無駄使いと、リアの決別
「さて、では私達が穿いているスカートに付けた新技術の効果を披露しますね?」
「え? ユイ? このスカートに何かしたの?」
「うん、したよ?」
「ちょっ、それ大丈夫なのね?」
「大丈夫だよ? 何言ってるのよ~」
何か皆が引きつった顔をしてるのだけど?
「リーニさんと、マニカとリアは、そこに並んで立っててね」
「あ、リーニさん、スカートは触らないで下さいね?」
「え? でも、、」
リーニさんは不安そうな目でカインさんに訴えていた。
「・・・リーニ、諦めろ」
「・・・そうね」
何か酷いんですけど?
「ユイ? 何をするかだけ聞いておきたいのだけど?」
「風魔法を使ってスカートを揺らすだけだよ?」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
「ユイ? ちょっと待ってくれ、俺たち以外にも、他の人の視線もあるんだぞ?」
「もう、カインさん、落ち着いてください。 リーニさんなら大丈夫ですから?」
「カイン? リーニ? 諦めよう?」
「わかったわ、羞恥プレイに耐えてみせるわ」
リアもリーニさんもさっきから酷い事ばっかり言ってるよ?
まあいいや、気を取り直して新技術の効果を披露するよ?
「手は腰から上に上げておいて、スカートは絶対に触らないように、お願いします」
それを聞いたリーニさんは目を閉じて、手を目の前で組んで祈るポーズをした。
リアとマニカは両手を腰に当てて準備完了みたいだね。
「やりますよ~」
私はスカートが捲れ上がる程の風魔法を下から上に向かって使った。
ビョォォォォォォォッ!!
「よーし、成功だね」
私達のスカートは強烈な風にも揺れる事はなかった。
「え? どう言う事?」
「服や髪は凄く揺れたのに、スカートはピクリともしなかったよ?」
「ユイちゃん?」
皆が私に説明を求める視線を送ってきた。
「このスカートは、**『風の魔石』を核として作っていて、風の効果を受けない……少し違うけど、分かりやすく言えば『風無効の効果』**を付与しています」
「だから、風でスカートが捲れてチラッとする事は無いのです!」
「凄いでしょう?」
私はふんぞり返って悦に浸ってみた。
「ああ、凄いな」
「発想も凄いけど、それを作ってしまう技術も凄いよね?」
「ユイは天才だね」
「そうね、才能の無駄遣いな気はするけどね?」
「はぁ、よかった~」
安心して気持ちが緩んだのか、リーニさんは、その場にしゃがみこんだ。
「リーニ? だからそのスカートで座ると丸見えだって」
「!!!」
リーニさんは慌てて立ち上がってスカートを押さえた。
「すまない、カイン」
「いや、今のはリーニが悪いから仕方ない」
「それじゃあ、サーラさんの自宅に向かいましょう」
「ユイちゃん待って、着替えるから?」
「え? サーラさん達にも見せたいから、そのまま行きましょう?」
「え? この格好で街中を歩くの?」
「大丈夫ですよ?」
リーニさんは助けを求めてカインさん達を見た。
「ユイ? 付与された技術が凄いのはわかったから、そのなんだ、」
「そうだな、凄いのはわかったから、な?」
「もう、カインさんもゼイナスさんも何をモゴモゴ言ってるのです?」
「マティルダさんとラウールさんに言っちゃいますよ?」
「!!!!」
「リーニ、大丈夫だ、そのままでいこう」
「ああ、俺たちが守るから安心してくれ」
ちょっと冗談のつもりで二人の名前を出したのに効果絶大だった。
リーニさんはジト目で二人を見ていた。
「はぁ、わかったわ。早く行きましょう」
私達は、サーラさんの自宅に向かって歩き出した。
しばらくは街の中をのんびりと移動していたんだけど、突然マニカが強烈な殺気を放った。
「どうした?」
全員がマニカの異常に気づいて、カインさんが声をかけた。
「な、何でもないよ? 私はちょっと用事を思い出したから先に行ってて?」
マニカのあきらかにおかしい行動は、放っておく事が出来なかった。
「そんなわけには、いかないだろ?」
長くマニカと一緒にいる私には、マニカが見られたくない方向が直感でわかった。
「マニカ。ありがとう。 私は大丈夫だから?」
「う、うん。でも……」
「ユイ?」
「どうしたの?」
「私自身が決着をつけないといけない事なの」
「マニカをお願い」
そして小声で「何もしないように、見張ってて?」と言った。
それはマニカがスキルを使って覗かないように(そして乱入しないように)見張っててね、の意味だと彼女も理解したはずだ。
「うん、わかった。 でも気を付けてね?」
「うん、大丈夫。武力でどうこうって話じゃないから」
「リア・・」
「マニカ? お願い、待っててね?」
「・・・わかった」
リアは私達が視界から消えるのを待って、反対方向へ歩き出した。
いつも読んでいただきありがとうございます。
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また今後の展開について。R15に収まるように調整はしていますが、残酷な描写や、少しHな描写が入ってきます。この事を不快に思ったり、苦手な方はここで閉じていただき、続きを読むのは控えてください。
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