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魔法少女と夢見る電気魔王 ~女神の異世界ITパスポート?~  作者: へるきち
18. 単体テスト報告書 -王女様は、諸国を漫遊したい-

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18-6. ママ、クーデター起こしてくるわ

 市民ミュージアム、ドラえもんミュージアム、ラーメン博物館、鉄道博物館、いちご狩り。

 この数日間、私達は社会科見学で何軒も回った。

 国外でも日帰りなら、パスポート無しでも、なんとかなるので行った。

 多恵子に渡された「社会科見学スタンプ帳」も、スタンプで埋まった。

 これで、中卒の資格が得られた! 中卒認定チョロい。

「やってみたい仕事は見つかった?」

 レポートを読み終えた、多恵子がそう問う。

 社会科見学は遊びではないからね! 将来設計に役立てないと。

「うーん。マンガ家は大変そうだから無理だなって思った」

「でしょうね。いちご狩りとか完全に遊びじゃん」

 多恵子としては、予想通りではあったが、期待通りでは無かったようだ。

 そういえば、高校受験に合格した時点で、中卒認定受けてたような?

 またしても、多恵子に乗せられてしまったらしい。

 私の将来を懸念しての事だし、楽しかったので何も文句は無い。

「じゃあ、私は学校行って来るから。母さんに、ご飯あげてね」

「ワシらも、行って来るのじゃ」

「おい、ニャア待てよ」

「わらわも、行って来るよ」

 多恵子だけでなく、ニャア達も登校して行った。

 ドラヤキとスズメが護衛で付いて行く。

 小学校の清掃は無事完了したらしい。

 あんな大量の死体、どこで燃やしたのだろうか? ヨネッティ?

 最後は温水プールの薪になるなんて、軍人にそんな覚悟は無かっただろうな。

 こんなに朝早くにレポートを提出したのは、早起きをしたからではない。

 うっかり徹夜をしてしまったのだ。

 寝てしまいたいが、数子の世話を頼まれてしまった。

 私に頼んでも無駄だと思うんだけど。

「アオイは、防衛省に行かなくていいの?」

 残っているアオイに声をかける。

「ワタシは、リモートワークですヨ。ちまちま通勤なんてするません」

 軍の仕事って、リモートで出来ちゃうんだ。

 こいつがトップなんだから、何でもアリか。

「じゃあ、私は数子のところ行って来るから」

「留守は任せるといいデス」

 うちには無慈悲なお掃除ロボが巡回してるから、留守番は不要なんだけどね。

 戦艦のメインコンピューターが常時起動した事で、警備が強化された。

 宅内だけでなく、敷地全体を隈なく巡回している。

 

「ふっふっふ。ついにお掃除ロボにカレーの作り方を仕込んだよ」

 戦艦のお掃除ロボは、メイドロボと呼んでいい状態にまで進化したらしい。

 なんだ、数子の世話なんて必要ないじゃん。

「お昼になったら、カレーを作ってもらおう」

「それは、楽しみね」

 レトルトカレーってオチだと思うけど。 

 数子の世話が不要なら、それでいいや。

「で、ここに引き籠った成果は、カレーだけなの? ああ、あとホームセキュリティか」

 それだけでも、アレの草や、おシリよりも多機能なデバイスだけどさ。

 似た様なロボは、数子も作って無かったっけ?

 電気消してって言ったら、ブレーカー落としちゃうシンギュラリティな奴。

「ふっふっふ! メインコンピューターを電気で動かす目途が立ったよ!」

 電気じゃない動力の方が、すごい気もするけど。

「まず分かったのは、これは戦艦の残骸じゃないって事」

 ふごふごと鼻息荒い数子が説明してくれたところによると。

「これは丸ごとコンピューターだったのよ!」

「リレーの塊みたいな?」

 原初のコンピュータは、リレーの塊だった。

 リレーに蛾が挟まって不具合が生じたのが、バグの語源だったりするくらいに巨大だった。

 それこそ、ビルまるごと一軒分だったとか。

 そのリレーがナノサイズになったのが、現代のプロセッサーだ。

「おおむね合ってる。最新のNPUに置き替えれば、おべんと箱くらいに小さくなるよ!」

「もうちょっと頑張れば、スマホになりそうだね」

「スマホをターミナルにするのは可能だね」

 最新のNPUはいいけど、貧乏辺境伯の我が家にそんなものは無い。

 おべんと箱サイズでも、軽く50万円以上する。

「最新のNPUなんて、どこにあんのよ? 買うお金なら無いわよ。ハナゲカッターだけでも、買わないわよ」

「あるじゃないの。私達の自由に出来るサーバーが」

「何処に?」

「防衛省に」

 とんでもない国賊だな?


 防衛省トップのアオイの許可は取ったので、AIをストレージに入れて搬送する。

 容量が大きいから、ネットワーク経由だと3日くらいかかっちゃう。

「戦艦型コンピュータの方は、どうすんの? コールドスタンバイ?」

「それでもいいけど。同時起動しちゃうと危険だから、フォーマットした」

 AIの空き容器があると、何かが入ってきちゃう気がする。

 ん-? その辺を彷徨ってそうなAIが居なかったっけ?

 最近、流れ星になって消えたような…?

「フォーマットすんの早くない? マイグレーション失敗したらどうすんのよ」

「このドキドキがたまらない!」

 ニャアなら、アホかって呆れるところだけど。

 バックアップを複数世代取得したり、仮想環境で検証したり、そういった手順を丸っと省いてしまうなんて、と。

 でも、数子の猪突猛進な行動力があればこそ、トンチキな発明が生まれるのだろうね。

「大丈夫だよ。仮のマシンに入れといたから」

「そんなマシンあったっけ?」

「Windows10のサポートが終了したから廃棄予定だったVAIO」

「それで動いちゃうんだ」

「もちろん縮退モードだけどね」

 縮退し過ぎなのでは?

 しかし、仮の器に入ったAIは、ちゃんと機能していた。

「敷地内に複数の侵入者を確認。武装した集団です。排除しますか?」

 数子のスマホアプリを通して、そんな警告を発したのだった。


「これは、国立騎士隊の装備ね?」

 お掃除ロボの撮影するライブ映像を、数子のスマホで見ている。

「それって、警察みたいなもんだっけ?」

「そうね。軍よりも、実戦経験豊富なんじゃないかしら?」

 警察が解体されて王立騎士隊になり、王室解体によって国立騎士隊となった。

 道路交通法違反者をロケットランチャーで吹き飛ばしていた様な連中だ。

 専守防衛の防衛軍よりも、実戦経験が多い。

 クーデターの時よりも、敵が厄介だわ。

「こいつら何がしたいのかしら?」

 コバトを狙ってる? アレはもう王女では無いというのに。

 ならば、アオイだろうか?

 騎士隊の狙いは、防衛省?

「どうするー? うちに戻る? このまま防衛省に行っちゃう?」

 私達は、数子の運転する猫ミニバンで防衛省に向かっている。

 戻るべきか? 進むべきか?

 答えは決まっている。

「進むわよ!」

 だって、来た道を戻るのやだもん。


「こらー! 停まれー! この道は通行止めだー!」

 府中街道の途中で、騎士隊の検問に遭遇してしまった。

「リルートしますか? それとも、突破しますか?」

 戦艦AIのナビが、そんな事を聞いて来る。

 突破!?

 このナビの性格、どこかに同じものがあった気がするね?

 もちろん、これも答えは決まっている。

「突破よ!」

 無敵のドングリウム合金が、騎士隊を吹き飛ばす。

「おばさん、この後の事、ちゃんと考えてんの?」

「いや? 何も?」


 サクッと、クーデターでも起こしちゃう?

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