序列
「どうなさいました?替えのドレスはございますか?」
クロエに声をかけられた令嬢達は驚きのあまり泣き出してしまった。
クロエは令嬢達に優しく話しかけ、場所を移動する事にした。
「私についていらして」クロエは会場を出て三人の令嬢を貴賓室に通した。
すぐにメイドに着替えを用意させ、全員新しいドレスに着替えた。
改めてクロエは自己紹介をした。
「クロエと申します。本日はせっかくお越し頂いたのにこんな悲しい気分にさせてしまい申し訳ありません。」
三人は慌てて言った。
「クロエ様とんでもございません」
「クロエ様にご迷惑をおかけして申し訳ありません」
「こんな綺麗なドレスまで貸していただいて、、」三人とも半泣きで言った。
「私も今日初めて公的に参加しましたのでわからない事ばかりですがどうぞよろしくお願いいたします」
クロエはおおよそこの三人は例の令嬢からイジメにあったのだと思った。
あえて聞かず一緒に会場に戻るようにして牽制する方がいいのかもしれない。
そう思い四人で会場に戻った。
出来るだけ目立つようにブレーズ達も引かせないでそのまま警備につけていた。
クロエ達が会場に戻った瞬間思った通り目を引いた。
少し離れたところですごい形相でクロエ達を見ている集団が目に入った。
あれか。
クロエは優雅に会釈し三人に声をかけながら会場の中まで進んだ。
ところがその集団はこともあろうかクロエ達の前に立ちはだかった。
面倒な事になったと思った。
クロエは立ち止まった。
リーダーらしい令嬢がクロエに挨拶をしてきた。
「お初にお目にかかりますクロエ様 私はアディールと申します。突然のご無礼をお許し下さいませ。」
「クロエと申します。アディール様」
一体何が起きるのだろうとクロエは思った。
「クロエ様、今回ジュネ様と公式にパーティーにご参加との事ですが、お近づきになりたくても騎士様をお連れで、物々しくて私共中々お声をかけられませんでしたのよ。」
「本当に恐ろしい。せっかくのパーティーがなにやら落ち着きません事」
他の令嬢もクロエが許可していないに関わらず発言してきた。
それを聞いたブレーズはクロエの前に行こうとしたがクロエが合図を送りやめさせた。
貴族の序列から言うと皇帝の寵愛を受けているクロエは一番上であり、
女王だったクロエはやはり一番高貴な身分だ。
その序列一番にいる人間が発言を許可しない限り誰であっても発言をすることは出来ない。
それをあえて破っての発言は相手を認めていない大変失礼な行為だ。
クロエは黙って聞いていた。
「ジュネ様もジュネ様の権威を振りかざす方をいつまで相手になさいますかね。見ものですわ」
さて、どうしたものかしら?とクロエは考えていた。
ふと令嬢達の後ろにいたジュリアとセリーヌがジェスチャーをしている。
「やってしまいなさい!!!」
クロエは二人を見てつい吹き出してしまった。
令嬢達はいきなりクロエが吹き出したので馬鹿にされたと思い怒り出した。
「これだからジュネ様だけでは無く他の方もたぶらかせるのかしら、すごい下品だわ。」
「ジュネ様お可哀想だわ」
「……何か、、私が皆さんを不快にさせてしまったようですね。申し訳ありません。」
クロエは謝った。
令嬢達はクロエが下手に出た事をいいことに
「もう少し皇帝の横に立つ人間としてのお勉強をされたらいかがかしら?」と意地悪な顔をして言った。
そこまで言われたらクロエも黙っていられない
「……そうですね、序列を無視し発言している方をを許すのでは無く、不敬罪で罪に問う人間になった方が良いと申されるならそう致しましょうか?でもそう言えば今度は無慈悲だと言われるのでしょうか?何にしても言われるならば、私は自分らしくありたいと思っています。どうぞ私にお構いなく。」
「あ、この騎士達ですが陛下が私を心配して配備してくださったのですが、令嬢からのご指摘を陛下にお伝えしておきますね。アディール様」
クロエはわざとアディールの名前を言った。
ジュネにあなたの名前を伝えるからね。という意味で。
令嬢達は青くなった。
もしクロエが本当にジュネに言ったらジュネは全てを許さないだろう。
ジュリアがニヤニヤしている。
セリーヌは扇子で顔を隠して笑っている。
クロエはそのまま令嬢達の真ん中を歩いて行った。
避ける必要はどこにもなかった。
そんなクロエを見て寝返ってクロエについてくる令嬢達。
結局例のアディールは三人だけ取り残された。
他の令嬢はクロエについた。
クロエはそれはそれで面倒な事になったと思っていたが、ジュリアとセリーヌが途中から合流して
「クロエ最高だったわ」
「やっぱ女王だけあるわ」
と褒めてくれた。
ゾロゾロとクロエについてくる人々にウンザリしていたら目の前にジュネがいた。
「クロエ?これは??」
ジュネはクロエのうしろに沢山の令嬢がいてジュネに挨拶をする姿を見ておどろいている。
「陛下、、、」なんでこうなっちゃうの?という目でジュネを見た。
ジュネは「俺はクロエのすごいと思うことはこう言うことなんだ。一瞬で状況を変える力がクロエにはある。」
「陛下、、私は望んでおりません。。」クロエはちょっとだけ泣きそうになった。
ジュネはクロエの顔を見てすぐにクロエを抱き上げ会場を出て行ってしまった。




