皇帝の愛する人
ジュネは側近達と一緒に先に会場に行った。
クロエは支度があるので遅れて会場に入る事にした。
ジュネの隣にいるようになって初めて公的に人前に出る。
本当はそんな予定ではなかったが成り行き上そうなってしまった。でもクロエは少し嬉しかった。
皇帝となったジュネを間近で見れることがあまり無かった。
だからそんな彼を一番近くで見られることが本当に嬉しい。
クロエも女王だったので社交の場には慣れているが、これからはジュネの隣にいる人間として常に注目を浴び、嫉妬を浴びていかねばならない。
覚悟は完全には出来ていないのが本音。。
少し怖いけれどやれる。クロエはドレスに着替えた。
その日のドレスは薄い金色のシルクのドレスにミッドナイトブルーの宝石だ。
ドレスとアクセサリーは誰が見てもジュネの色だ。
もちろんジュネが選んだことは暗黙の了解だった。
着替えたクロエはとても美しく、触れたら壊れそうなほど儚げで、でもクロエの強い瞳とのアンバランスさが恐ろしいほどの魅力を醸し出していり。
見るものを虜にさせるほどの危うい魅力があった。
クロエは遅れたので静かに会場に入った。
クロエの優雅な身のこなし、憂いある表情は一瞬で会場にいる人々を飲み込んだ。
あまりの美しさに初めてクロエを見る王族や貴族はクロエの方に殺到した。
突然周りを囲まれたクロエは驚いた。
すぐさまブレーズ率いる騎士団がクロエの周りに現れ、誰一人近寄れない状態になった。
あれは誰だ?と言う声が上がる中、急に周りが静かになった。
クロエはジュネが来たとわかった。
ジュネは真っ直ぐにクロエの所に行きいきなりクロエを抱きしめ「愛している」と言った。
クロエは何が何だかわからなかったがジュネが来てくれたことで安心してジュネに
「遅くなり申し訳ありません陛下」といって微笑んだ。
周りの人間はこれが皇帝が愛するクロエだと初めてわかった。
ジュネの腕の中にいるクロエは想像以上に美しく魅力的で皆衝撃を受けた。
ジュネがクロエを人前に出したがらない理由もわかった。
あまりにクロエは特別だったからだ。
ジュネはもうクロエしか見ていなかった。
少し伏せ目がちのクロエは美しくジュネはクロエの瞼にキスをした。
クロエは嬉しそうにジュネを見上げる。
そんなクロエが愛おしくジュネはクロエにキスをした。
それを見ていた貴族達は自分の娘をあわよくば。。と思っていたが本当に無理だと悟った。
こんな女性はいないと確信できるほどクロエは魅力的だった。
ジュネが愛してやまないクロエは唯一無二の女性だ。
「クロエ、そのドレスとアクセサリー、とても似合う」
「フフフ、ありがとうございます。陛下が選んだものですから似合うと言っていただけて嬉しく思っています」
「クロエ、こちらに」
ジュネはクロエの手を取りクロエをエスコートして今日の主賓である西の大国エメス王にクロエを紹介した。
「エメス王、こちらは私の愛するクロエです。私は彼女以外愛することはできませんので先程のお話は無かったことにして下さい。じゃあ」
ジュネはエメス王にクロエを紹介してすぐにクロエを連れてその場を離れた。
エメス王はクロエを見つめて、なるほどと呟いた。
クロエはちょっと嫌な感じがした。
恐らくジュネに自分の娘を当てがおうとし、連れてきたようだ。
ジュネはそういった事に一切受け付けないことは昔からわかっている事だが、よほど自信があるのだろう。
「ジュネ様」
後ろからジュネを呼び止める声が聞こえた。
ジュネはムッとして振り向いた。
「……何かごようでしょうか?クリスティーナ様」
ジュネはそう言いながらクロエを胸に抱きしめた。強引なジュネにドキドキした。
「ジュネ様、一曲お願いしたいのですが、、」
クリスティーナと呼ばれる令嬢は全くクロエを気にしていない。
「見てわかりませんか?俺は今愛する女性と一緒にいるのです、遠慮していただきたい」
ジュネは冷たく言い放った。
クロエはこの令嬢がいつもしつこくジュネにつきまとっているのだと感じた。
ジュネは心配するなという目でクロエを見つめクロエをエスコートしてテラスに移動した。




