20話:話し合い
そしてついに放課後になった。三雲先生は先に紫苑となっちゃんをカウンセリング室に呼び、そこで少し待機させることになっている。そして教室に戻ってきたら美雲先生が私を連れて、カウンセリング室で話をするということだ。
「準備はいいですか??」
「……はい」
そう言って私と三雲先生はカウンセリング室に入る。
すると先に来ていた紫苑となっちゃんがソファーに座ってこちらを見る。私は一気に心臓が跳ね上がるのを感じた。
「今日はお呼びしてすみません、平井さんが何やら話さなきゃいけないことがあるそうですよ」
そう言って三雲先生は私を紫苑となっちゃんの座っているソファーの向かい側に座らせる。そして私は話し出す。
「……今日は急に呼んでごめんね、二人にどうしても話さなきゃいけないことがあるの」
「話さないといけないことって、彩芽ちゃんの、こと??」
「うん」
紫苑となっちゃんの姿勢が少し前のめりになる。私は言う事をまとめた紙を広げて話し出す。
「まず一つ目、私がつい最近、2人のことを避けてた時期あったのは、彩芽に脅されてたから」
「やっぱり、そうだったんだ」
「2人と関わるのをやめないと、彩芽が2人に酷いことをするって言ってきたから、私は従って2人を避けてたの」
「何あいつ!!本当にどこまでも性格悪いね!!」
久しぶりのいつも通りの2人に、私は少しクスッときて安心する。そして二つ目の内容を言う。
「二つ目、今まで2人は私に何度も彩芽と関わるのはやめておいたほうがいいよって教えてくれてたよね、でも私はそれを無視しちゃってた、ごめんなさい」
二人は真剣に私の話を聞いてくれている。そんな2人を見ると、なぜだか目がジーンと熱くなる。しかし2人が聞いてくれているうちに、話しておかないといけない。そう思った私は急いで続きを話す。
「三つ目は、私これからは二人の言うことちゃんと聞く!!だから、だから……」
堪えていたはずの涙が溢れてきた。次第に声も震えてきて、涙ぐんだ声になる。だけど私は話すことをやめず、一番伝えたいことを伝える。
「これからも、仲良く、してほしい……です……」
不思議と涙が滝のように溢れる。嬉し泣きでもないし、悲しくていないてるわけでもない。それと同時に体が震える。そこで私は気がついた。私は怖いんだと。2人に何か言われて、再び見捨てられるのが怖いのだ。ポロポロと涙が溢れる自分に恥ずかしくなり、思わず俯く。そして少しの間が空いた。
「……あのさ」
この流れは絶対に断られ得る流れだ。私の経験がそう言っている。私は怖くなり思わず目を瞑る。すると紫苑かなっちゃんのどちらかが大きなため息をつく。
「何か勘違いしてるみたいだけど、紫苑達ははるかに守られるほど弱くないよ」
「……え??」
「そうそう、私たち的には、はるちゃんの方が、よっぽど弱い」
「うぅ、ひどい……」
私はなっちゃんの言葉がグッと心に刺さった。確かに、私は「嫌だ」とは言えないけれど、2人は何回でも言える。たとえどんな相手でも。そう考えると確かに2人の方がよっぽど強い。
「だからこそ、私たちは遙を助けないといけない」
「でも、わざわざ突っ込まなくても……」
「そういうわけにもいかない、だって私たちは、はるちゃんに助けてって言われた、だから、見捨てるわけにはいかない」
「本当に、なんでそこまで……」
不思議だった。2人がなぜそこまで問題ごとに自ら首を突っ込んでくるのか。関わらない方がいいと誰でもわかることなのに、2人はここまで私を助けてくれる。すると2人は顔を見合わせて、私をまっすぐ見つめる。
「はるちゃんだから、だよ」
「そう、困ってるのが遙だから、紫苑達は遙を助けてるの」
私は何もわからず、きょとんとする。すると紫苑が吹き出した。
「遙は優しいでしょ??だからそこに付け入る彩芽が紫苑達は許せないの!!」
「そう、だから私たちで遙を助けて、彩芽ちゃんに倍返しする」
「あーもう!!考えるだけでムカついてくる!!」
どこまでも優しい二人の友人と出会えたことを、私は誇りに思った。それと同時に不思議と笑いが込み上げてくる。
「ふふっ、何それ……変なの……」
「変って何さ!!絶対に紫苑達で遙を助けてあげるんだから!!」
「倍返しじゃ足りない、億倍返ししてやろう」
そう言って私たち3人は吹き出す。横目でちらっと見ると、三雲先生は安心した様子で穏やかに笑っている。私は感極まって思わず泣きながら紫苑となっちゃんに抱きつく。すると2人は私のことを優しく抱き返してくれた。
その後、三雲先生と紫苑となっちゃんの3人で協力して、私を守ってくれるらしい。それと同時に、私が本心を彩芽に伝えることで、彩芽はそのうち私から離れていくだろうという作戦になった。
〜21話の宣伝〜
どもども、ろったりかです♪
彩芽ってどのように今の性格になってしまったのでしょうね……
もしや、過去になんかあったとか……!?
ぜひその目でご覧ください!




