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17話:努力はする

「今からあたしがいうことは誰にも言っちゃいけないよ、言ったらあたし、遙のこと嫌いになるから」

 その言葉を聞いた私は、思わず息を呑む。彩芽に嫌われたら、後々とても面倒なことになると予測される。再びクラスに変な噂でも流されたら本当に面倒だ。かつて彩芽が流した噂はなっちゃんと紫苑曰く、解消されつつあるらしい。しかし今再び解消されつつあるときに問題を増やされたら面倒だ。

「遙は今後一切、紫苑と奈月と話すこと禁止」

「え?」

 思わず声に出して驚いてしまった。紫苑となっちゃんと話すことが禁止されたら、私はどうやって学校生活で生きていけばいいのだろうか。

「あたしからしたら、親友同士の間に親友じゃない友達は邪魔なんだよねー、だから遙は特に距離が近い二人と話すこと禁止」

「でも、そんなの無理だよ!!絶対に会う機会があるし、なっちゃんに関してはクラス同じだし……」

「そしたら無視すればいいじゃん」

「そんな……」

 メチャクチャな要求に私は思わず嫌だと言いそうになるが、彩芽が即座に私の口を手で塞いで、こう言った。

「いい??これは親友同士の新しい規則で、規則を破ったらそれ相応の罰が下される。今回の罰は……もし遙が二人と喋ったり関わったりしたら、紫苑と奈月を酷い目に合わせるから」

 その後、彩芽は普通に授業に戻って行ったが、私は戻れなかった。紫苑となっちゃんと関わりを禁止された私は、本当にどうやって学校で生きていけばいいのだろうか。表で話すことは絶対に無理だし、裏でこっそり話したりしても、どうせ彩芽にはバレる。そしてバレた後にまたきっと面倒なことが待っている。私にとってこの規則は、とても苦難なものだった。

 帰りの会が終わった頃、あれから私はなるべくなっちゃんを避けて過ごしていた。話しかけられたら無視しなければならない、それならいっそのこと話す機会を作らない方がマシだ。そう思い、こちらに近づいてくるなっちゃんに気づいた私は、即座に教室を出ようとする。しかし教室の入り口を出てすぐ、そこには紫苑が待ち構えていた。

「ねえ遙、ちょっと話があるんだけど」

 そういう紫苑の顔は、少し不満そうな顔をしていた。私がどうしようかとアワアワしていると、後ろからなっちゃんもやってきた。なっちゃんは心配そうな顔で私をみている。

「はるちゃん、今日途中から、変」

「遙、何か紫苑達に隠し事してない??奈月から聞いたんだけど、今日1日中、遙に避けられてるように感じるって」

 あまりにもわかりやすすぎたせいか、すぐバレた。しかし私は黙り込んだ。そう、絶対に口を割らないと決めているのだ。なぜなら私がここで喋ってしまうと、今度は2人が酷い目に遭わされてしまうからだ。相手はあの彩芽だ、何をするのかわからない。

「ちょっと遙、聞いてる??」

「もしかして、言えない状況、とか??」

 さすがなっちゃん、勘が鋭い。しかしそれでも私は黙り込む。少しでも2人に危害を加えないようにするには、こうするのが一番だ。

「遙、黙ってたら何もわからないよ、ほら、遙にはあたし達がついてるから、喋ってみて」

「もしここで話せない、なら、場所、変える??」

 完全に2人に疑われてしまっている。どうしようかと考えて顔を上げると、遠くには彩芽がこちらを見て立っていた。よく見ると彩芽はこちらを見ているだけでなく、私を見て睨んでいる。私は彩芽の言葉が脳内再生され、思わず背筋が凍る。

「ご、ごめん!!」

 そう言って私はその場から走って逃げた。後ろを一度も振り返らず、真っ直ぐ逃げた。そのあと紫苑となっちゃんが追いかけてきたのかどうかはわからない。けれどきっと追いかけてこないだろう。今日彩芽の言葉を聞いてから、私は2人のことを避けていた。だからきっと2人は私に嫌われたと思ってもう寄ってこないだろう。そう考えると不思議と涙が込み上げてくる。けれどここは学校、泣いたら彩芽の思う壺だ。私は深呼吸して、涙を堪え、そのまま家へ帰った。家へ帰ってから私は、自分の部屋に篭った。夜ご飯も食べず、布団にくるまって考えた。どうしたら、彩芽から紫苑となっちゃんを守れるのかを。

 次の日、朝に紫苑となっちゃんと話す機会をなくすため、授業開始ギリギリに学校に着くようにした。そして授業の間の5分休みも基本教室から出て他の場所へ行き、中休みも紫苑となっちゃんの視界に入らないところに行くようにした。しかし昼休み、私は再び2人に捕まってしまった。

「遙!!やっと見つけた!!」

「紫苑、なっちゃん……」

「はるちゃん、昨日からずっとわたしたちを避けてる、どうして??」

 私は泣きそうになるのをグッと堪えながら、手で口を塞ぐ。こうすれば私はしゃべることができないため、変なことを言わずに済むからだ。言えることなら状況をすぐに説明して助けを求めたい。しかしそんなことをすれば、2人に害が及ぶ。それだけは絶対に避けたい私は、息を止めるほど口を両手で覆い、黙りこくる。そこへ、知っている人物がやってきた。

「何、してるの??」

 やってきたのは彩芽だった。私は最悪のタイミングに彩芽が来てしまったと感じ、思わずその場から逃げ出したくなる。

「彩芽!!遙に何かしたでしょ!!」

「はるちゃん、ずっと様子、変」

「んー??あたしは特に何もしてないよー??」

 嘘をつけ。彩芽が私に2人と関わるなと言い出したんじゃないか、そう思ったが私は言わなかった。言ったら毎回恒例、面倒くさいことになるからだ。私は思わずその場から走って逃げてしまった。

 帰りの会が終わった後、私はあれから紫苑となっちゃんが寄ってこなくなって少し心配になっていた。そして私は彩芽の目を掻い潜り、こっそり2人を探し出す。しばらく探していると、紫苑となっちゃんが屋上に続く階段のところに入っていくのを見かけた。私は急いで後を追い、階段に隠れ、2人の会話を盗み聞きする。

〜18話の宣伝〜

どもども、ろったりかです♪

紫苑と奈月は一体屋上に続く階段で何の話をするのでしょうかねぇ

恋バナ?恋バナ?それとも……恋バナ!?(違います)

ぜひその目でご覧ください!

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