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16話:友情と束縛

 紫苑は丁寧に小さいプレゼント箱を開ける。すると中には4枚のハンカチと、4個の小さいキーホルダーが入っていた。

「なんか似たようなのがたくさん入ってる!!」

「えっと、それはお揃いにするためで……」

 そう。私が持ってきたプレゼントは、紫苑と他の誰かがお揃いにできるものセットだったのだ。他のプレゼントに比べればしょぼくれたものだけれど、これでも私が一生懸命選んだ紫苑へのプレゼントだ。私はどう反応するのか紫苑をじっと見つめる。

「お揃い……なるほど!!じゃあ、こうしよう!!」

 そういうと紫苑はハンカチとキーホルダーを全部持って、私に駆け寄る。そして、ハンカチとキーホルダーを一つずつ渡してきた。

「これ、遙の分ね!!」

 私は一瞬、あげたプレゼントが気に入らなくて返されたのかと思ったが、その意味をすぐに理解する。次に紫音は奈月の元に駆け寄り、奈月にもハンカチとキーホルダーを一つずつ渡して「これ、奈月の分ね!!」と言っていたからだ。

「これで紫苑達、お揃い!!」

 そう言ってにっこりとする紫苑を見て、私も不思議と口角が少し上がる。どうやらプレゼントを喜んでくれたみたいで、私はとても嬉しくなった。友達との初めてのお揃い、とても嬉しい。

「いいなー、私も3人でお揃いのやつ、買えば良かった」

「いいの!!遙がくれたやつでお揃いだから!!」

 なっちゃんも嬉しそうにハンカチを持ったり、キーホルダーを髪の毛につけようとしたりして、ふざけている。それを見た私と紫苑は面白くなり、私たちも真似してつけれるか試す。そんな幸せな空間に安心して、私は涙がこぼれそうになる。普段からじゃ絶対に考えられない平和さ。今日だけは、この空間を楽しもうと、私は心に決めた。

 そしてその後、私となっちゃんは紫苑の部屋に案内され、そこで遊ぼうという話になった。紫苑の部屋でゲームをしたり、ベットで飛び跳ねたり、紫苑の洋服でファッションショーをしてみたりと、とても充実した1日を過ごした。帰る時はもう日は落ちかけており、私となっちゃんは一緒に帰ることにした。

「ねえはるちゃん、今日は楽しかった??」

 突然そう聞いてきたなっちゃんは、私を横目で見る。そして私はすぐに答える。

「うん!!すごく楽しかった!!」

「今日のはるちゃん、すっごく、楽しそうだったし、私も、楽しかった」

 そう言われて私は少し恥ずかしくなる。これだけはしゃいだのは家族で夏休み最後に旅行に行った時以来ほどだからだ。家族以外にこんなにはしゃいだ姿を見せたのは初めてくらいだった。

「明後日から、また学校だけど、頑張れそう??」

「今なら頑張れる」

 なっちゃんのいう通り明後日には学校がある。けれど今はそんなに苦ではない。この勢いのまま学校に行って、彩芽との関わりをなくしたい。しかし私はそんなことができるはずもないと思いつつも、できたらいいなと考える。

 そして私はなっちゃんと別れ道で別れて、自分の家にダッシュで向かう。なぜダッシュするかというと、私の帰り道の途中には彩芽の家があり、彩芽とばったり会う可能性があるからだ。少しでもその可能性を低くするために私は本気で走る。家に着く頃には息切れが激しいだろうが、彩芽に会うよりはマシだ。そして結局彩芽に会うことはなく、家に着いた。


 数日後の中休み、私はうんざりしていた。なぜならあやめが思いのほかだる絡みしてくるからだ。この間の彩芽の誕生日の時の気分なら、きっと「やめて」と言えるだろう。しかし今の私はいつもの私なので、無理だ。そこへ、紫苑となっちゃんがやってきて、彩芽に抱きつかれている私を彩芽から剥がす。

「親友なのに、遙が嫌がってるってわからないの??」

「ちょっとここ1週間、遙つらそう」

 しかし彩芽には全く響いてなさそうで、彩芽は「ふーん、あっそ」と言ってどこかへ行ってしまった。

「あ、ありがとう」

「いいって!!これくらい紫苑達からしたらどうってことないよ!!」

「はるちゃんはもっと、嫌だってことを言えると、いいね」

 まさしくなっちゃんのいう通りで、返す言葉がなかった。でも人に嫌われないようにするには、相手の要望に応えて、機嫌を取らなければならない。しかしこれだと自分が辛くなる。とても悩ましいものだ。

「彩芽ちゃんも、いなくなったことだし、はるちゃん、私たちと、遊ぼう」

「今日は何して遊ぶ?紫苑は外でも室内でもいいよ!!」

「じゃあ、室内!!」

 そんな話をしていた時、遠くから彩芽がこちらの様子を伺っているのが見えた。彩芽はすごい形相でこちらを睨んでおり、思わず背筋が凍る。それに気がついた紫苑は私の目を手で覆って、「見たら負け」と言いながら、教室を出る。正直紫苑となっちゃんの存在がとても頼もしいと思った。自分一人では断れなくても、二人の力を借りれば断れる気がしたからだ。しかしこのまま二人を巻き込んだまま、頼ってばかりでいいのかと思うこともある。だけどまあいいかと頭の隅っこにその考えを置くことにした。

 3時間目の途中、私は突然彩芽に呼び出されて、女子トイレにいた。女子トイレに着くと、彩芽がにっこりしてこちらを振り返る。

「きたね、遙」

 そう言っている彩芽は何かを企んでいるかのようなニヤリとした表情をしていた。私はあまりいい予感はしなかったが、とりあえず「何??」と言ってみた。すると彩芽は私に近づいてきて、私の口の前に人差し指を立てて、こう言った。

「今からあたしがいうことは誰にも言っちゃいけないよ、言ったらあたし、遙のこと嫌いになるから」

 その言葉を聞いた私は、思わず息を呑む。彩芽に嫌われたら、後々とても面倒なことになると予測される。再びクラスに変な噂でも流されたら本当に面倒だ。かつて彩芽が流した噂はなっちゃんと紫苑曰く、解消されつつあるらしい。しかし今再び解消されつつあるときに問題を増やされたら面倒だ。

「遙は今後一切、紫苑と奈月と話すこと禁止」

「え??」


〜17話の宣伝〜

どもども、ろったりかです♪

さあさあさあ!嫌な予感がしてきましたねぇ……

遙は一体どういう行動に出るのか!楽しみですねぇ^^

ぜひその目でご覧ください!

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