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12話:遥の意思

「まさか、はるちゃんとまた遊べる日が来るとは、思わなかった、正直嬉しい」

「私も、またなっちゃんと遊べて嬉しい!!」

 こんな幸せな日々が毎日続くと思っていた。しかしそんなことはなかった。私となっちゃんが遊ぶようになってから、彩芽は彩芽で、何か考えている様子だった。

 次の日、私は彩芽と一緒に登校していた。家の方向が同じなため、登校中に会うのは避けられない。でもここで頑張れはあとでなっちゃんと遊べるため、私は踏ん張ると決めている。その後私は学校につき、教室に行ってランドセルを自分のロッカーに入れる。そしてすでに来ているなっちゃんのところへ駆け寄ろうとしたその時。

「遙!!ちょっときて!!」

 彩芽に呼ばれた。何の用か聞くと「いいからいいから」と言って内容を教えてくれない。そして私はそのまま彩芽についていき、彩芽の自慢話を聞きながら校内を一周した。結局何だったのかを聞いても、彩芽は答えなかった。そのまま教室に戻る頃には朝の会が始まってしまい、なっちゃんと話す機会は無かった。

 中休み、なっちゃんと遊ぼうとなっちゃんのところに寄ろうとしたその時。

「はーるか!!」

 また彩芽に呼び止められた。何の用かと聞きに行ったら再び「いいからいいから」と言われて図書室に連れて行かれた。そしてそこで本を読んでる彩芽を待っていろとのこと。正直訳がわからなかったし途中でこっそり抜け出してやろうかとも思ったが、私の本能が断ることをやりたがらないので、断ることはしない。

 昼休み、彩芽が教室にいないことをしっかり確認してなっちゃんに話しかけようとしたその時。

「はーるーかー!!」

 また彩芽に呼ばれた。いい加減にやめてほしいと思い、イライラしながらも、そのイライラを隠して彩芽に要件を尋ねる。すると、「いいからいいから」と再び言われて、今度は職員室の先生のところに遊びに行くのに付き合わされた。3回目で確信した。彩芽は私がなっちゃんと話すタイミングを見計らって、話させないようにしているのだと。そこで私は一つの作戦を思いついた。

 帰りの会が終わったあと、私はなっちゃんと話そうとなっちゃんのもとへ寄る。

「遙、ちょっときてー」

 やっぱりだ。彩芽に呼ばれた。しかし私はそこで思いついた作戦を実行する。

「今なっちゃんと話そうとしてるからあとでねー」

 断らずあとに回す、これが私の作戦。こういえば彩芽も懲りるだろう。そう思っていた。しかし彩芽は私の方に駆け寄ってきて、腕を掴み、なっちゃんの元へ行くのを引き止めようとしてくる。

「遙、親友との会話と奈月ちゃんとの会話、どっちが大事なの??」

 正直断然なっちゃんとの会話の方が楽しいし気が楽だ。しかし彩芽にそんなことを言ったら、あとで何が起きるかわからない。

「どっちも大事な友達だから、どっちも大切だよ」

「えー、それずるい!!」

「彩芽とは今日ほとんど一緒にいたけど、今日は一回もなっちゃんと話してないから、今はなっちゃんと話してきてもいい??」

「だめ!親友なら親友の方を大事にしてよ!!」

 正直面倒くさいと思っていたら、なっちゃんが寄ってきて、こう言った。

「親友だかなんだか知らない、けど、もう少しはるちゃんの好きに、させてあげたら??」

 そう言われた彩芽は驚きながらも、「でも、これは親友だからであって」と何かほざいている。

「本当の親友なら、もっと相手のことを考えてあげるべき」

「でも、そんなことしなくてもあたしたちはお互いのことを分かってるから……」

「分かってない、だから、はるちゃんがいやそうな顔をしてるんじゃ、ないの?」

 そう言ってなっちゃんは私の方を指差す。彩芽は私の顔を見るなり、少し落ち込んでいる様子。私は彩芽を励まそうと言い訳を考えるが、思うように浮かんでこない。

「親友の意味、考えから、出直して」

 そう言ってなっちゃんは私の腕を掴み、荷物を持って教室を出た。学校を出るまで引っ張られ、その道中なっちゃんは一言も喋らなかった。

「な、なっちゃん……??」

「ここまでくれば、もう大丈夫」

 校庭に連れられた私はその場で俯く。なっちゃんは私の腕を離し、私の目を見る。私は思わず目を逸らして、その場は無言の気まずい空間になった。校庭では生徒たちが遊んでざわついているはずが、私からすると無音の空間になっちゃんと2人きりでいるような気分だ。

「私の予感、当たってたね、はるちゃんの嘘つき」

 その言葉に私は何も返せなかった。同時に申し訳なさが出てくる。

「ごめん、なっちゃんを私の厄介事に巻き込みたくなくて……」

「そんなこと、はるちゃんが気にする、ことじゃない」

「でも……」

 できればなっちゃんを巻き込んで彩芽から見た紫苑のような敵対する立ち位置に立たせるような真似はしたくない。私のような日常を送ることになる可能性があるからだ。せっかく転校してきて、これから楽しい毎日が待っているというのに、ここでなっちゃんを私だけの問題に巻き込んでしまえば、この先卒業まで毎日がお先真っ暗状態になってしまう。なんとしても巻き込むわけには行かない。

「はるちゃん、私たちは友達、頼れるなら頼っていい」

「でも、なっちゃんを巻き込むことはできない……」

「それなら私は、自分からはるちゃんの厄介事に、突っ込むよ」

「どうして、そこまで……」

「今の私は、はるちゃんとの関係値が昔の幼稚園の頃と比べて、下がってるかも、けど私にとって、はるちゃんは大切な友達なのには、変わりない、だから私も、一緒に悩む」

 正直わからなかった。どうして人のためにそこまで尽くせるのか。私の解釈では大切な友達というのは親友と同じ。親友とは相手の言うことを聞き続けて、自分が我慢すること。彩芽と過ごしていてそう教わった私は、それ以外の親友の形を知らない。けれどなっちゃんが言っている大切な友達の待遇が私の知っているものと大きく違う。

 もう私が頼れるのはなっちゃんと紫苑以外いない。クラスメイトたちは私を信じてくれないし、彩芽に話すのは気がひける。ここでなっちゃんに私の現状を話せば、私は救われるのだろうか。

「はるちゃんは、どうしたい??」

〜13話の宣伝〜

どもども、ろったりかです♪

朝早い教室って雰囲気いいですよね、話しやすいっていうか、落ち着くっていうか……

次回は主に遙と奈月の回ですね

ぜひその目でご覧ください!

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