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BLUE in the ガールズバンド  作者: あまだれ24
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第99話 Session!! その3


カミングコウベは毎年春にチャリティを目的に行われるイベントだ。


本来はプロの出演する音楽フェスなんだけど、アマチュアがオーディションを勝ち抜いて出場できる枠も用意されてる。


まず音源による予備審査があり、そしてライブ審査で優勝を目指す。


「春香さんはカミングコウベのオーディションに出たことあるのよね?」


森園さんが尋ねてきた。きっと咲ちゃんから聞いたのだろう。


「はい。ばっちり負けちゃったんですけど」


私たちは去年『太陽と虎』という三宮のライブハウスで行なわれたオーディションに出場し、結局敗退してしまった。


一番の原因は加入したばかりの私が足を引っ張ってしまったことにある。


ぽりぽり頬を掻きながら苦笑するとベースの稲沢くんが聞いてきた。物理的にめちゃくちゃ上から声が降ってくる。


「やっぱ凄いバンドばっかでした?」

「うん、実力派ばっかりだったよ。昔あのフレデリックやW.O.D.も出たくらいだし」


そう答えると向井さんがびっくりした声を出した。「フレデリックってあのオドループの?!」


「うん」と頷く。


そのフレデリックだ。カミングコウベのオーディションには関西で活動する才能のあるアマチュアが何組も出場して、ソロ、10代、一般の3部門でしのぎを削る。


「な…なんかヤバそー」向井さんがひるむ顔をした。


「W.O.D.といえば若手国産オルタナの最右翼…」1年生の中尾くんが難しい顔をして呟く。


「みんな今から怖気付いててもダメじゃない」と森園さんが呆れた顔をする。


「部長は去年の閃光ライオットでスタジオ審査まで行ったんすよ!」


ふいに他の部員たちが集まってる方からそんな声が飛んできた。


また驚いて森園さんの方を見る。


「そうなんですか?」

「そうなんだけど…事故で出られなくなったベースの先輩の代役で出ただけだから」


閃光ライオットは10代を対象にした全国規模の音楽コンテストだ。代役でも2次審査に当たるスタジオ審査に進んだだけで充分すごい。


「じゃあ私が教えることなんか無いですよ。立派な部長さんがいるんだから」


そう言うと森園さんは真面目な顔で左右に首を振った。


「私じゃダメなの」

「でもあの閃光ライオットの審査に出たんですよ?」


すると森園さんはもう一度首を振る。今度は眉をしかめた苦しげな表情だった。


「私じゃダメ。本番の経験が…あまりにも少なすぎるから」



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