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BLUE in the ガールズバンド  作者: あまだれ24
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第97話 Session!! その1


「アロハ〜!」


軽音部の部室のドアを開け、まず咲ちゃんが元気よく入って行く。


「ど…どうもー」私はそのあとに続きおずおずとお邪魔した。


するとすでに部室に集まっている30人程の部員の視線が一斉にこちらを向く。同時にあいさつが飛んできた。


「こんにちはー」「ちわーっす」「先輩アロハ〜」


運動部のあいさつみたいな圧迫感はない。声もちょっと間延(まの)びしてるし、言葉選びもまばらだ。アロハまで聞こえてくる。


昨日も思ったけどイメージしてた軽音部と違って全然不良っぽさがない。


すごく穏やかな雰囲気だし、後輩の女の子なんて「春香せんぱーい」と手まで振ってくれる。


「ど…どうもー」と私も精一杯のスマイルで手を振り返した。


ここは校舎4階にある第2音楽室。


大層な名前が付いてるけど、平成末期の校舎の大改装の際に音楽室が2階に移転し、古い音楽室をそのまま部室として使わせてもらってるそうだ。


もちろん音楽だからしっかり防音されてて、なかなかうらやましい。


「約束通り連れて参りました!」


咲ちゃんは眼鏡をかけたセミロングの部員にまっすぐ歩み寄ってサッと敬礼する。


「ご苦労であります」と彼女も笑顔で敬礼を返した。


名前は森園さん。この軽音部の部長さんだ。


私たちと同じ3年生のはずなんだけど、声のトーンも見た目もすごく大人っぽい。ちょっとだけ蘭子さんに似てる。


森園さんは咲ちゃんの後ろに隠れ気味に立っている私にも、優しい微笑(ほほえ)みを向けてきた。


「ありがとう春香さん。今日は無理言ってごめんなさいね」

「いやっ全然…ていうかその…昨日は突然帰っちゃってすみませんでした」


すると彼女は「ううん」と穏やかに首を振る。「マネージャーさんから事情は聞いてるから」といたわるような表情を見せてきた。


「TRUE BLUEっていう半グレのバンドと戦ってるんでしょ。日曜日の対バンで勝たないと三宮の音楽シーンが牛耳られてしまうって」


「えっ?!」私はギョッとする。


すると咲ちゃんが振り向いてそっと耳打ちしてきた。耳に吐息がかかって少しこそばい。


「そういう事にしといたほうがチケット多く売れそうやん」


ウシシッと漫画みたいに笑う咲ちゃん。いつもは大きな可愛い目が三日月みたいにキュッと細くなってる。


そのずる賢そうな笑みにふと既視感を覚えて、私はゾッとしながら呻いた。


「咲ちゃん…葵さんが降臨してるじゃん」


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